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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

イエジー・スコリモフスキ監督「イレブン・ミニッツ」(★)

2016-10-11 10:52:00 | 映画
監督 イエジー・スコリモフスキ 出演 リチャード・ドーマー、ボイチェフ・メツファルドフスキ、パウリナ・ハプコ、アンジェイ・ヒラ、ダビド・オグロドニク

 大都会に暮らす人々の午後5時から午後5時11分までの11分間に起こる様々なドラマをモザイク状に構成した群像劇、というのだが、11分の「理由」がわからない。
 おもしろいのは、ホテルの窓から飛び込んできた白い鳩が鏡にぶつかるシーンくらいか。なぜ、突然鳩が飛び込んできたのかわからないが、そうか、そういう「自然」があるのか、ということを思った。「野生」といえばいいかな? 「都会」に「野生」などないのだけれど、しいて探せば鳩か。
 それにしてもおもしろくないなあ。なぜかなあ。最後のシーンがあまりにもご都合主義だからだなあ。
 映画はストーリーを見るもののようであって、そうではない。ストーリーがおもしろければ映画がおもしろくなるわけではない。結末が予想できないものだと驚くかというと、そうでもない。ばかばかしい、と感じてしまうことだってある。
 映画はスターの「肉体」を見たくて見るのだ。
 かっこいい美人や美男子を見て、自分も美人、美男子と錯覚する。そのために、見る。美人、美男子の出ない映画では、そこに動く「感情」の強さを見る。「感情」がどんな具合に肉体を動かすのか、それを見る。自分もそんなふうに「肉体」を動かしてみたい。そういう「感情」を味わってみたい。
 そのためには、もっと長い時間が必要。人間の「感情」なんて、11分くらいを取り上げてみたって、おもしろくはない。11分くらいじゃ、変化しない。時間のなかで、その人がその人でなくなってしまうくらいにかわると、あ、その人に会った、という感じになる。そして、あの「感情」を自分のものにしたい、と思うのだ。
 この映画には、そういうシーンがない。
 それにしても。
 ポーランドのホテルって、あんなに「もろい」つくり? 日本のホテルは自殺予防のために窓が開かないが、外国はどうなのかなあ。私は安いホテルしか泊まったことがないからよくわからないが。11階の部屋なのに、窓からベランダへ簡単に出られる。そのベランダのフェンスが、人がぶつかったくらいで壊れてしまう。いいかげんだなあ。
                      (KBCシネマ2、2016年10月10日)



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