* (近づけば)
「幻は消える」を書きたかったのか、「高層ビルの窓ガラスを染める千の夕日」を書きたかったのか。たぶん、後者である。「幻は消える」は言い古されたことばだろう。それを「高層ビルの窓ガラスを染める千の夕日」という一行で洗い直す。
「千(せん)」という漢語の響きが強烈だ。
「高層ビル」は「一つ」、「夕日(太陽)」も「一つ」なのに、窓ガラスのなかで「千」になる。しかし、近づくと「千」は消える。「千」は具体的な数ではなく「抽象」である。だから、書かれていない「一つ(抽象)」も「千」のなかにある。
それは嵯峨がまた「一つ(ひとり)」であることをも語っている。
*
詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
定価の下の「注文して製本する」のボタンを押すと購入の手続きが始まります。
私あてにメール(yachisyuso@gmail.com)でも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)
なぜその幻は消えるのか
高層ビルの窓ガラスを染める千の夕日
「幻は消える」を書きたかったのか、「高層ビルの窓ガラスを染める千の夕日」を書きたかったのか。たぶん、後者である。「幻は消える」は言い古されたことばだろう。それを「高層ビルの窓ガラスを染める千の夕日」という一行で洗い直す。
「千(せん)」という漢語の響きが強烈だ。
「高層ビル」は「一つ」、「夕日(太陽)」も「一つ」なのに、窓ガラスのなかで「千」になる。しかし、近づくと「千」は消える。「千」は具体的な数ではなく「抽象」である。だから、書かれていない「一つ(抽象)」も「千」のなかにある。
それは嵯峨がまた「一つ(ひとり)」であることをも語っている。
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詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
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