チャンピオン戦出場者インタビュー、第3回では過去5回の選手権全てに出場され、今年は初級戦・一般戦にも参戦する小泉潔さんにお願いしました。
ロングインタビューになったので、前編と後編にわけてお届けします。
---過去5回の解答選手権に皆勤の小泉さんですが、第1回はどういう動機で出場されたのでしょうか。
小泉「尊敬する若島さん(※1)が裏方にまわって詰将棋界を盛り上げようとするイベントを行うというのですから、せめてできる協力として出場者として参加する一手でした。しかも、若島さん・上田さん(※2)の久しぶりの伝統詰将棋が見られるということですから、詰将棋ファンならなにをおいても参加するのは当然でしょう」
---実行委員として、そう言っていただけると大変うれしいです。では、解答選手権出題者の主力でもある若島さんや上田さんの詰将棋には、どのような魅力があるのでしょうか。
小泉「安定した完成度の高さです。共感できる狙いを完璧な表現でまとめてこられるので、正直、詰将棋の神様を味方につけているとしか思えない作品と出会うことが出来ます。
このような解答選手権という催しであれば、ついついわざと難解性を増すような仕上げをしたくなるのが人情です。しかし、お二人の作品にはそのような思考の跡はまったく見られません。あくまでその作品をよりよく仕上げるにはどうするかということしか考えていないのだろうと思います。煩悩から解脱した詰将棋といえましょうか」
---今年は申し込み第1号でした。今回も気合い十分ということでしょうか。
小泉「はい。気合だけは十分です。前回、皆勤賞をいただけたので、今回は申し込み第1号賞を狙いました」
---初級戦・一般戦には初めてのエントリーです。今回、この2クラスにも出場しようと思われた理由はどのようなものでしょうか。
小泉「別日程になったからです。どうせ問題をもらいに出かけるのなら出場して、表紙の先生(※3)と勝負してみたいです」
---看寿賞作家(1981年度、短編賞)でもある小泉さんですが、出題者になるご予定は?
小泉「看寿賞は大昔の話です。それに私はやさしいのしか作れないし,解脱してないから煩悩だらけなので出題者に回るのは難しいでしょう」
---出場者しか知りえない会場内の雰囲気はどのようなものでしょうか。先に退室者が出た時はどう思いましたか。
小泉「静かです。先に退出者って…別に何も思いませんでした。それよりも1問も解けなかったら恥ずかしいなってのが大きいです」
---ズバリ、今大会のライバルは?
小泉「須藤大輔さんです」
(※1)若島さん…若島正・詰将棋解答選手権実行委員長。
(※2)上田さん…上田吉一さん。
(※3)表紙の先生…「詰将棋パラダイス」表紙詰将棋担当・田口正明さん。第5回詰将棋解答選手権初級戦優勝。