札幌のクリスチャン鍼灸師

札幌市中央区山鼻地域、石山通沿い側で、脈診流による経絡治療専門の鍼灸院をしています。

同じ漢方医学 鍼灸と湯液(漢方薬)では異なる

2016-07-16 16:20:04 | 医療・健康
2010年6月11日に
「鍼灸関係のDVDを売りに来た、失礼な・・・・」
http://blog.livedoor.jp/shinqroom/archives/52384698.html
として書きましたが、その業者、あれから6年経って、この前、なぜかまた来ました。
私が所属する、経絡治療による鍼灸の研究団体である、東洋はり医学会札幌支部の支部長をしている事からか、玄関先で応対に出たら、そのおじさん、
「支部長・・・・」
と言って、私はそのおじさんの当鍼灸院に来た意味がつかみかねていると、
「前にお会いした事あるんですよ・・・・」と、そのおじさん。
そして私、「どちらさんでしたか?」
と聞くと、
「○○です」、とそのおじさん。
私は似た名前の違う人と勘違いして、
「お久しぶりです」と、言ってしまいました。
すると、
「この前××先生にお会いしたのですけど・・・・」
などと、私の知り合いの鍼灸師の名前を出してきて、
「先生も腹診するんですよね?」
と、私に聞いてきました。
ちなみに「腹診(フクシン)」とは、お腹の形や皮膚の艶や張りなどを触って診察する、中国系医学の診察方法の一つです。
そして、そのおじさんは、なんだかという名前の、鍼灸もする医者のDVDの話しをして、買わないかという事で、パンフレットをおいて帰りました。
まぁ、前に来た時ほどしつこくはなかったのですが、素人が鍼灸の事を知ったかぶりして、これで勉強しろみたいに言いたげだっただけに、今回も気分が悪い思いでした。
あとである札幌支部の一人が言ってましたが、そのおじさん、彼のところにもその様な事で、電話をかけてきたらしいです。
彼の話によると、その医者がやっている腹診は、鍼灸師が行う方法ではなく、漢方薬の腹診方だという事らしいです。
その医者は鍼灸もしているには違いないみたいですが、同時に漢方薬の処方も行っている様です。
DVDのパンフレットを持って来たこのおじさんの様に、素人感覚で、中国系医学はどれも同じだと決め付けている人が珍しくありません。
日本においては、鍼灸治療では、もちろん経絡の存在無しでは成り立ちませんが、湯液、つまり漢方薬の処方においては、経絡の存在を取り入れていません。
日本の伝統医学である、同じ「漢方医学」でも、鍼灸と湯液では、似ている様で異なるのです。
ただ、中国系の医学であっても、中国においては、つまり中医学の鍼灸と中医薬では、日本と事情が違う事を、付け加えておきます。
ついでにいうと、「漢方薬」と「中医薬」はイコールではありません。
「漢方薬」は日本の伝統的な薬方で、「中医薬」はいうまでもなく、中国の薬方です。
鍼灸にしても薬方にしても、これらの伝統医学は、確かに古代中国の古典医学所に在る理論が元になっているには違いありませんが、日本は日本で、中国は中国で、という様に、千何百年という長い時代の中、それぞれの地域で独自に発展してきました。
上辺だけ見れば、素人目には同じに見えるでしょうが、大きく違いが有るという事です。



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