にほんブログ村 札幌情報
昨夜たまたまNHK総合テレビを見てました。
以下、その番組のHP↓
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/read/c.cgi?a=001&c=21&d=2010-05-06#night
↑からの引用です。
午後10時00分から午後10時50分(放送時間50分間)
ヒューマンドキュメンタリー「88歳 里山の医師~静岡市清沢・最後の50日~」
[ステレオ][字幕放送]
静岡市清沢地区で61年間住民の命を守り続けてきた診療所が閉じる。88歳の秋山邦夫医師と住民との最後の50日間から、地域医療の現状と課題を描く。
緑の茶畑が広がる静岡市清沢地区。この里山で61年間、住民の命を守り続けてきた診療所が閉まる。88歳の秋山邦夫医師が開院したのは、戦後まもない1949年。腰痛に苦しむお茶農家のための針治療や健康体操を考案するなど、独自の地域医療を実践してきた。番組では、里山の小さな診療所が閉じるまでの50日間を見つめ、地域医療の現実と向き合ってきた一人の医師の姿を描く。
【語り】杉本哲太
(以上引用終わり)
その中でこの医師が、脈の三箇所で、「心臓・肝臓・腎臓の調子が分かる」みたいな事を言ってました。
私は全盲なのでその場面を見る事が出来ませんが、これは左手首の脈の事だと思われます。
これは鍼灸治療の脈診法です。
現代医学の医師がそのように漢方医学、それも鍼灸の脈診を応用しているのには驚きでした。
もちろん、湯液治療、つまり漢方薬を用いる医師、それも現代医学的ではなく、漢方医学の理論に基づいて処方する医師などには、脈診をする人も少なからず存在します。
が、鍼灸治療と湯液治療では、同じ手首の脈を診るにしても、全く違う方法なのです。
そんな事を考えながら番組を聴いていたところ、その医師は「良導絡(リョウドウラク)」という鍼治療の方法を診療に取り入れていた事に触れてました。
以下、
http://www.ryodoraku.co.jp/RDR/kiso/RDR1.html
↑からの引用です。
<良導絡>とは、1950年、中谷義雄医博によって創始された電気針によ
る自律神、経調整療法。
特に全身の通電測定によって端的に求められる <反応良導点> が、
中国医学古来のツボ=経穴とほぼ一致したことから、針治療を科学化
した第一歩として、世界各国から大きな注目が寄せられ、針治療に
重要な役割を果たした。
現在行われている<通電によるツボの探索>は、この<良導絡測定>
を応用したのである。
(後略)
確かに、伝統鍼灸の一つである「経絡治療」を行っているわれわれからしてみれば、「良導絡」は伝統的な鍼灸術と観る事は出来ませんし、良導絡治療に脈診を取り入れている鍼灸師がいる事は、少なくとも私は聞いた事がありません。
が、この医師は鍼治療に関心を持った事から、伝統的漢方医学の診察法、それも鍼灸治療に用いる脈診を、何かのきっかけで応用するようになったのではと、私は考えました。
ちなみに、この番組の中では左手の脈に関して触れていたようですが、右手の脈では、肺・脾臓を診ます。
ただ、直接臓器の症状というよりは、それぞれの五臓六腑に連なる「経絡」の状態を主に見る事になり、必ずしも臓器そのものが悪いとか病的だとかと判断する訳でない事を、鍼灸氏の立場から付け加えておきます。