ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 124ページ目  第四話 熊野八鬼山の熊野牛偽装 マジシャンゼロ

2014-08-18 18:33:31 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【124ページ】



 落書きメンバーのリーダー大谷 翔一は、自宅でマジシャンゼロ

の2時間スペシャル特番を見ていた。

マジシャンゼロの最後の決め台詞は『私のマジックのトリックは

誰も見破ることができない。なぜならばトリックゼロだから』


 テレビ画面では、京セラドーム大阪が映し出されていた。

オリックスバファローズの金子投手が完封で3対0でオリックスが

勝ち、ヒーローインタビューが終わったところであった。

この試合では、もしオリックスが勝利すると、マジシャンゼロのスペシャル

マジックが開催されることになっており、超満員の観客であった。


 センターの定位置のあたりに、オリ姫の人形が運ばれていく。

そして、台の上に立てかけられ、その横に左右に分かれて100人の

オリ姫が立ち並ぶ。


 ホームベース後ろには、審判とマスコットガールが立っていたが、

審判が突然、衣服とマスクを取り払うとマジシャンゼロが現れ、

超満員の観客から拍手が起こった。

ゼロがマスコットガールからボールを受け取ると、胸のマイクを通して

手に持ったボールをオリ姫の人形に当てると告げた。

ホームからセンターまでダイレクトに投げることができるのは、プロ野球

選手でもそう多くいないので、観客からどよめきがあがる。


 ゼロは振りかぶって、ボールを投げた!

あべのハルカズBAR 123ページ目  広告収入減対策は?

2014-08-17 07:43:07 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【123ページ】



「紙面を充実させることによって、新たな読者の獲得を目指し、努力しても

収入源をカベーできないときは、新聞代の値上げをさせていただくことに

したのです。」

「すると、それだけの価値ある紙面作りが必要になりますね!」

「そう、そこが問題だ!

記事の内容で何か変化を気づかなかった?」


 陽菜は、少し考える仕草をして答えた。


「『読者の声』のページが大きくなったかしら?」

「紙面の中で特に充実させたのが『読者の声』のページで、2ページ使っている。

1ページは『読者の声』で、もう1ページは、『読者の声』からテーマを一つ選び出し、

編集委員による徹底討論の特集ページにしている。

例えば、首相、閣僚の靖国神社参拝について、反対の読者の声をテーマに

取り上げると、10名の編集委員が5名づつ賛成派と反対派に分けて徹底討論

するわけです。

物事を一面しか見ない人、聞かない人、言わない人、考えない人からの脱却を

すると社主から方針が打ち出されて、それに基づいた紙面作りに取り組み始めたのです。」

「平和新聞のこれからの記事が楽しみだわ」


 朝比奈は、ブランデーを飲み干し、「次はキープのボトルをいただくよ」

と陽菜に注文した。

あべのハルカズBAR 122ページ目  ママのおかげで運勢変わる

2014-08-17 06:00:57 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【122ページ】




「判った!香りをためるようにブランデーグラスはチューリップ型なんだ!」



リーデル (RIEDEL) ヴィノム ブランディ・スニフタ 840ml 2客セット 6416/18
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Riedel (リーデル)





 陽菜はにっこり頷き、話を続ける。


「後は、鼻で典雅な香りを楽しみ、口に含んで豪奢でまろやかな味を

かみしめてください」

「こんなにブランデーっておしいものだったのだ!

ところで、話が変わるが、ママに悩みを聞いてもらうと運勢が変わるという

話本当だったよ」

「あら?一週間で運勢が変わりました?」


 ママの陽菜は少し驚いた表情を浮かべ訊いた。


「平和新聞を読んでいて、何か気づかなかった?」

「広告のスペースが少なくなったかしら?」

皆で読んでいる新聞の中で、平和新聞が一番広告スペースが多く、

週刊誌のいやらしい見出し広告が特に目についていやだったの。

あら、ごめんなさいね!

平和新聞を悪く言っているのではなくて、週刊誌の見出し広告の

ことですから。」


「ああ、わかっている。

広告スペースの件は、社主から突然宣言があったのです。

広告スペースを減らし、紙面を充実させると。」

「でも広告を減らすと、広告収入も減ってしまうでしょう?」


あべのハルカズBAR 121ページ目  アルマニャックのおいしい飲み方

2014-08-14 07:02:47 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【121ページ】



「今夜のお奨めは、そのコニャックではなく、アルマニャックの長期熟成の

ブランデーなの。」


 陽菜は、棚からブランデーのボトルを取出し見せる。


ラフォンタン 1951 Lafontan 200ml 40% アルマニャック



ラフォンタン 1951 Lafontan 200ml 40% アルマニャック
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ロイヤルリカー





「ええ?1951年?」


朝比奈は驚きの声をあげる。


「ええ、そうですよ!

200mlの小さなボトルですが、60、000円になります。

グラス一杯で6,000円ですが、半分の量にもできますよ。

こちらは、モンバッチョ 19年 アルマニャックフィニッシュ 700ml

です。こちらはグラス一杯1,000円です。」


モンバッチョ 19年 アルマニャックフィニッシュ 700ml [並行輸入品]
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モンバッチョ





「普段めったに飲めない1951年の方にするよ。

飲み方はストレートがいいかな?」

「薄めると量は倍になっても、おいしさは十分の一になるかも?」


 ママの陽菜は微笑みながら、スニフターと呼ばれる大きめのチューリップ型のグラス

に、ラフォンタン1951を計量して注ぎ、朝比奈の前に置く。

「ラフォンタン 1951のスレートのおいしい飲み方を教えてくれる?」

「グラスを手のひらで包み込むように持って、軽く静かに回してください。

そしてまず目でその美しい色合いを楽しみます。

軽くゆすっていると、手の体温が伝わって、アルマニャックの芳香が立ちのぼり

グラスの内側にたまります。」

あべのハルカズBAR 120ページ目  渋くて、かっこいいお酒

2014-08-13 20:47:12 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【120ページ】



 あべのハルカズBARの入り口には、珍しい花の鉢植えが置かれていた。

お店に来た客は、もの珍しそうに眺めてからドアを開けて店内に入った。


 平和新聞の編集委員の朝比奈が、ママの陽菜に相談した日から一週間後

あべのハルカズBARを再び訪れた。

彼も他の客と同じように細く長く放射線状に延びた花を眺めた。

クモの巣のような花だな?と思った。


からすうり
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日本文学館




 朝比奈が店内に入ると、「いらっしゃいませ!」と香菜が明るく挨拶した。

月菜が「奥の席へどうぞ」と勧める。


陽菜は、おしぼりを手渡しながら、「すぐ来てくれてうれしいわ!」と

微笑み、朝比奈が手をふくのを待って、「キープのボトルをお取りしましょうか?」

と訊く。


「ママの今夜のお奨めを一杯飲んでからにするよ」

「それでは、BARで今流行りのお酒はいかがですか?」

「テキーラかな?」

「BARで流行りのお酒をよくご存知ですね?

テキーラよりもかっこいい飲み物アルマニャックはどうですか?」

「アルマニャック?」

「アルマニャック地方のブランデーなんですが、ブランデーと言えばコニャックが

有名ですよね。」

「ヘネシーやレミーマルタンの名前は聞いたことがあります。」





※読者登録している『THE BARMAN マスターの独り言』の最新の記事が

アルマニャックについてでした。

THE BARMAN には、実際飲みに行ったこともあります。


 あべのハルカズBARの会話にアルマニャックの話題をいれさせて

いただきました。