ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 116ページ目  一面四猿の人 

2014-08-07 06:58:17 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【116ページ】



 10時になり、緊急会議が開かれた。

「今日は、忙しい中、急に集まってもらって申し訳ない。

知人から、ある話を聞いたあと、急に先日の会議の議題であった

読者の声が気になりだしたのです。

知人の話というのは、お客様のクレームを買い取る会社があるという

内容でした。」

「クレームを買い取る?」


「怒るお客様」こそ、神様です! クレーム客をお得意様に変える30の方法
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 編集委員からざわつきの声があがった。

平山は、咳払いをして話を続ける。


「そう、クレームをお金で買い取るのだ!

そのクレームを項目ごとに分類して、商品開発や販売方法の提案など

を企業にフィードバックするそうだ。

我々は、お金でクレームを買わなくても、読者の声を聞けるではないか!

しかし、平和新聞の『読者の声』に掲載された声以外は活用していなかった。

いや、平和新聞の方針、社説とは違うということで、無視してきた。」


 平山は、先ほど編集委員10人に見せた金貨を取出し、手を上げて

全員に見せた。


「知人は、『これは何ですか?』と質問し、私は『金貨です』と答えた。

皆さんは、もう少し、詳しく答えてくれましたが、やはり金貨だと答えた。

しかしこれを金貨だと答えた人は、物事を一面しか見ない人、聞かない人、

言わない人、考えない人の一面四猿の人だと言われたのです」


あべのハルカズBAR 115ページ目  編集委員に金貨を見せる 

2014-08-07 06:19:25 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【115ページ】



 平山社主は、安倍 晴喜が帰った後、平和新聞の編集委員10人に、

明日の月曜日の朝10時から緊急の会議を開催することをメールで

連絡した。又会議の前に、9時40分から順番に社主室に来るように

伝えた。


 月曜日の朝、9時40分に、一人目の編集委員が社主室を訪れた。


「おいしいコーヒーを秘書に入れてもらったから、これを持って

会議室で飲んでください。

ところで、これは何だか判る?」


 平山社主は、一枚の金貨を朝比奈に見せた。


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「これはカナダ王室造幣局発行のメイプルリーフ金貨ですね。

1オンスの重さで、99.99%の純度を誇っているそうですよ」

「そうか、ありがとう。

それとメールで連絡したが、前回の読者の声についての資料を

もう一度用意してくれた?」

「はい、11部とプロジェクターで見ることができます。」

「会議室で、コーヒーを飲んだ後、準備を頼む」

「はい」


 朝比奈が社主室から退出すると、二人目の編集委員が入って来た。

そして金貨を見せながら、平山は同じ質問をする。

その後も同じように編集委員全員に金貨を見せた。