ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 123ページ目  広告収入減対策は?

2014-08-17 07:43:07 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【123ページ】



「紙面を充実させることによって、新たな読者の獲得を目指し、努力しても

収入源をカベーできないときは、新聞代の値上げをさせていただくことに

したのです。」

「すると、それだけの価値ある紙面作りが必要になりますね!」

「そう、そこが問題だ!

記事の内容で何か変化を気づかなかった?」


 陽菜は、少し考える仕草をして答えた。


「『読者の声』のページが大きくなったかしら?」

「紙面の中で特に充実させたのが『読者の声』のページで、2ページ使っている。

1ページは『読者の声』で、もう1ページは、『読者の声』からテーマを一つ選び出し、

編集委員による徹底討論の特集ページにしている。

例えば、首相、閣僚の靖国神社参拝について、反対の読者の声をテーマに

取り上げると、10名の編集委員が5名づつ賛成派と反対派に分けて徹底討論

するわけです。

物事を一面しか見ない人、聞かない人、言わない人、考えない人からの脱却を

すると社主から方針が打ち出されて、それに基づいた紙面作りに取り組み始めたのです。」

「平和新聞のこれからの記事が楽しみだわ」


 朝比奈は、ブランデーを飲み干し、「次はキープのボトルをいただくよ」

と陽菜に注文した。

あべのハルカズBAR 122ページ目  ママのおかげで運勢変わる

2014-08-17 06:00:57 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【122ページ】




「判った!香りをためるようにブランデーグラスはチューリップ型なんだ!」



リーデル (RIEDEL) ヴィノム ブランディ・スニフタ 840ml 2客セット 6416/18
クリエーター情報なし
Riedel (リーデル)





 陽菜はにっこり頷き、話を続ける。


「後は、鼻で典雅な香りを楽しみ、口に含んで豪奢でまろやかな味を

かみしめてください」

「こんなにブランデーっておしいものだったのだ!

ところで、話が変わるが、ママに悩みを聞いてもらうと運勢が変わるという

話本当だったよ」

「あら?一週間で運勢が変わりました?」


 ママの陽菜は少し驚いた表情を浮かべ訊いた。


「平和新聞を読んでいて、何か気づかなかった?」

「広告のスペースが少なくなったかしら?」

皆で読んでいる新聞の中で、平和新聞が一番広告スペースが多く、

週刊誌のいやらしい見出し広告が特に目についていやだったの。

あら、ごめんなさいね!

平和新聞を悪く言っているのではなくて、週刊誌の見出し広告の

ことですから。」


「ああ、わかっている。

広告スペースの件は、社主から突然宣言があったのです。

広告スペースを減らし、紙面を充実させると。」

「でも広告を減らすと、広告収入も減ってしまうでしょう?」