ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 126ページ目  七夕の織姫現れる

2014-08-20 14:42:32 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【126ページ】



 三つ数え終わると、台を覆っていた布が下された。

「おっー」とあちこちで驚きの声があがり、七夕の伝説に登場する

美しい織姫が現れた。

再び四人のオリ姫が四角い布を持ち上げ、降ろすとオリ姫人形に

変わっていた。


「皆さん、マジシャンゼロの織姫マジックを楽しんでいただけたでしょうか?」


 ウグイス嬢のアナンス流れ、観客がホームベースに視線を戻した時には、

ゼロは消えていた。


「ゼロさんからのメッセージをお伝えします。

ゼロのマジックは誰も見破ることはできない。

なぜならば」


「トリックゼロだから!」と超満員の観客がウグイス嬢と同時に叫んだ。


 この後、CMが流れ、大谷 翔一がため息をつく。


「おやじもマジシャンゼロの番組を見ているのかな?

おやじの地方巡業のちんけなマジックとは大違いだ」


 次のマジシャンゼロのコーナーは、街角どっきりマジックだった。

ゼロが幼稚園を訪れて、園児たちのお絵かきを鑑賞する。


「おっ、この赤いチューリップかわいいね。

画用紙からこれを取り出してもいいかな?」


 チュリップの花を描いた園児が「はい!」と元気に答える。