久々に愛車のモンキーに乗って出掛けようと意気込んでいた。エンジンの音が心地よく、風を切って走る瞬間を思い描きながら、ガレージの扉を開けた。しかし、目の前に広がったのは予期せぬ光景だった。前輪がペチャンコに潰れ、まるで使い古された風船のようになっている。
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「まさか、パンク?」と驚きながらも、慌てることなく状況を確認する。瞬間パンク修理剤を使えば簡単に済むのだが、使い捨てるのは何だかもったいない気がした。ふと、30年前に買ったコールドパッチの存在を思い出す。
古びたパッケージを手に取り、パッチを取り出してみる。ゴムのりも一緒に取り出してみたが、案の定、硬化していて使い物にならない。だが、ここで諦めるわけにはいかない。幸い、家にゴム用のボンドがあったので、それを使うことにした。
作業台にモンキーを持ち上げ、タイヤを外し、パンクの箇所を見つける。昔ながらの手法で穴を塞ぐ準備を進める。ゴム用のボンドを塗り、コールドパッチを慎重に貼り付ける。手際よく進む作業に、少しばかりの懐かしさと達成感を感じた。
すべてが終わり、タイヤを元に戻して空気を入れる。慎重に試運転を開始する。少しの緊張感を持ちながらも、走り出したモンキーの調子は上々だ。風を感じながら、「たぶん大丈夫だ」と自分に言い聞かせる。