40年前、私は解体屋から3千円で手に入れたこのダックス70に魅了されていた。錆びたボディや古びたエンジン、しかし何とも言えない愛おしさが詰まったその姿に、私は修理を試みることを決意した。手を加え、エンジンを修繕し、埃とサビだらけだったボディを磨き上げ、新しいタイヤを履かせた。やがて、ダックス70は新たな冒険に挑む準備を整えた。
一年ほどの間、私はこのダックス70と共に日々を過ごした。しかし、ある時友人が私の愛車に心を奪われ、彼に譲ることに決めた。ダックス70は新たな冒険へと旅立っていった。
驚くべきことに、40年後、ダックス70は再び我が家に帰ってきた。友人が手入れを怠らず、大切に扱ってくれたおかげで、ダックス70はまだ現役で走り続けていた。その再会の瞬間、感慨深いものが込み上げ、まるで時間が巡り巡って私たちを再び結びつけたような錯覚に陥った。
この出来事から考えると、ダックス70にはまるで付喪神が宿っているかのようだ。時を超えて私の元に戻ってきた彼は、まさに家族の一員として再び受け入れられる存在だった。これからもダックス70との冒険は続くだろう。時折、過去の思い出と未来への期待が交錯し、ダックス70は私に新たなる旅路を切り開いてくれるに違いない。