大宮喜三郎の腹黒徒然草  下巻

     沖の干潟遥かなれども、磯より潮の満つるが如し

バーチカルツイン最高

2024年06月12日 13時05分10秒 | 日記
 青空が広がる晴れた日、私はビーナスラインをバイクで走っていた。この道は昔からのお気に入りで、風を切って走ると心が洗われるような気がする。ふとした瞬間、視界に見覚えのあるシルエットが入った。その場所は、高校生の時によく休憩したスポットだった。

 驚くべきことに、そこに立っていたのは高校の同級生だった。お互いに目が合った瞬間、すぐにわかった。彼もまた、あの頃と同じヤマハ XSー1に乗っていたのだ。私たちは笑顔で手を振り合い、自然とその場所に集まった。

 バイクを降りると、彼も私も同じことを感じているのがわかった。「お互い、あまり変わってないな」と彼が言うと、私たちは声を合わせて笑った。確かに、髪の毛は薄くなってしまったが、50年前のあの頃と変わらぬ友情がそこにあった。

 昔話に花を咲かせながら、ふと彼がバイクのエンジン音を聞かせてくれた。「バーチカルツイン、最高だろ?」彼の言葉に私も頷いた。あの独特なエンジンの鼓動は、私たちの青春そのものだった。

 風は相変わらず心地よく、遠くの山々も変わらぬ姿で私たちを見守っている。ビーナスラインに吹く風は、50年という歳月を一瞬で越えさせてくれた。私たちは変わっていないと、改めて感じるひとときだった。
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