@江戸時代の神薬とは「麻酔薬」である。江戸時代の抜歯は大道芸士の技であった、と言う。神薬が無かった時代の治療は痛みを我慢するしかなかったのか、現代からは想像できない医療処置をしていたことに唖然とする。 実は1804年、華岡青洲(麻酔薬を開発し、乳がんを世界で初めて手術した日本人・下記写真)がいた事はあまり知られていない。母と妻を犠牲にしたその記事がここにある
『はぐれ名医診療歴』和田はつ子
「概要」十年ぶりに江戸に帰還した蘭方医・里永克生 は、神薬と呼ばれる麻酔を使った治療に奔走 していた。舌癌に苦しむ贅沢三昧の両替商、 痔瘻をひた隠しにする人気噺家、梅毒で鼻を 失った大名家のお世継ぎ……。冴え渡る医術 と並外れた洞察力で、一筋縄ではいかない過 去を抱えた患者たちの人生を蘇らせる。偏屈 蘭方医の最後の活躍を描いた感涙の物語。
・「神薬」(麻酔薬)
江戸時代の抜歯は芸人のそのまま引き抜く処置もしくは町医者の鳥兜の根を干した生薬やヒハツ、胡椒等を混ぜ合わせで痛みを軽減させ処置していた。神薬は居留地のアーネスト商会から入手し、元武士から漢方医になった里永は抜歯に使い始めると大道芸人など口中医などから憤懣が増した。 それは神薬(手毬のような中の匂いを吸うことで気を失う)は無痛で格安で提供された事が話題を醸し出した。その後外科的手術でも利用することになる。
・「治療丹」
死刑人や行き倒れした人した人の肝臓を干し丸薬にして万病に効くと薬種屋間では高額で販売していた。
・「薬食」
猪や鹿、牛、豚の肉を滋養のために食べた。四足動物料理を「ももんじ」と呼ばた。
・「梅毒」
江戸時代の梅毒は人の体を蝕み、死に追いやった。治療には少量の水銀が用いられていた
・「薬香・薬茶」
ヒロハラワンデル(ラベンダー)、カミツレ(カモミール)などが心の鎮静剤、マンネンロウ(ローズマリー)は老いた者の憶えを助けるとして、食べ過ぎによる胃のもたれにはウイキョウ(フェンネル)を薬茶に利用されていた
・「コロリ」(コレラ)
江戸の上水道からの飲み水が発祥源とされ下痢が続き最後には死にいたる病気が流行した。治療は飲み水を変え、ニンニクをすり下ろして汁を水と一生に飲むことだった。