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「家を守る」身を捧げる若い妻『春三たび』

2020-07-08 07:49:33 | 歴史から学ぶ
@「春三たび」娘に苦労させることを覚悟で農家に嫁がせた。 その父の言葉に「平和になれば武士だけでは家計は成り立たない。生きていく糧(農業)で家を守るのが嫁の務めだ」した。 現代で言うならば「苦労無くして一人前にはなれない」と言うことだろうか。誰もが苦労はしたくないが、その苦労を知ることで、他人を思う、情を育むと言うことにつながるのではないだろうか。 世間知らず、苦労知らず、生まれながらの現代の政治家家系はそんな「国民を思う情が無い」と見えてしまう。

『山本周五郎24集』山本周五郎
「概要」貧しさや虐げられた者たちが愛、悲しみ、怒り、慈しみ、恨み、嫉妬、義理などさまざまな感情を抱え、必死で生きていく姿に思わず胸が熱くなる。人生の喜怒哀楽を知り尽くした作家が描く武士や庶民の生活。第二十四巻は「春三たび」「障子」「阿漕の浦」
・「春三旅」二十歳そこそこで若くして嫁入りした。それは「良き子を産んで世に出すことはもっと大切だ。操を立てる、立てぬはその形ではなく心様にある。形に囚われて道の本義を失ってはならない」と父に勧められた嫁入りは20石立たらずの家、武士といえども農家をする家に嫁いだ。父の言葉は、平和になれば武士だけでは生きてゆけぬ故、農作で苦労する道を選ばさせたのである。だが、夫は九州・キリシタン弾圧で出兵、殉死した。ところが戦慄から逃げたと言う噂も飛び合い3年の間、恩賞もなく苦労に苦労を重ね待ち続け、漸く軍鑑に殉死として明記され位牌もようやく日の目を見ることになった。家を守る妻としての役をしっかり務めた。
・「障子」 水戸藩藤田東湖の妹が家計を助けるため嫁を諦め女の塾を開いた。そこで障子の下に穴を開ける細工を仕掛けた。その意味は2つ。1つは塾に通う生徒のお行儀を見ること(あまり厳しすぎるのも肩が凝る。何事も過ぎてはいけない、程々が大切)、もう一つは自分自身への戒め(心に隙間を作ってしまわないように)
・「阿漕の浦」津の藩主の留守番役をすることになった妻と子供二人、城内の留守は総勢50名足らず。石田三成等の西軍に着くべきかと東軍かと言う選択される時期に藩主、夫は会津征伐として徳川家康と出兵している時期。 妻の父は西軍として動き始め何度となく妻(娘)と孫を引き寄せるべく説得したが、拒否し、あくまで留守役としての務めを強いられた。周りは既に西軍の3万の軍勢が寄せてくる時期に夫が帰還。だが多勢に無勢で最後は和睦し高野山に追放される。