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一心にやり遂げたい「信念」とは『恩讐の彼方』(名作から思う事)

2020-04-29 08:16:47 | 人生を「生かす」には
悔いを改め、一度決めた事を一心にやり遂げる力、その悟りは人をも感激させる。 この書にある21年間も一人で「信念」を貫く事は並大抵にできることではない。父の敵討ちの武士も心を打たれた、とある。 志を曲げず一心に決めた行動、感動を産むこの行動を是非今の政治家に訴えたい。
『恩讐の彼方』菊池寛
武家に養子として住み始めた男が、主人の妾に手を出したことで争いとなり刀で主人を殺害、その妾と夜逃げする。やがて生活に困り盗賊を繰り返すことなる。峠に休息所を作りそこで見定めた旅人の懐を見ながら殺害し奪うことを繰り返す。ある時若い夫婦を襲った時、妾から女の簪を忘れたことをとやかく言われ、このままでは自分は一生この妾の下働きだと悟り、その夜から一人旅に出る。その後今まで殺害した人々を懺悔供養する為、僧、法名了海となる。その後、ある村で鎖渡しという難所で毎年多くの死者が出る場所だと聞くと、その場所が自分の供養の場所だと悟り、何と一人で黙々と21年間石壁を堀、削り洞穴を作り、難所を通らずこの洞穴を開通させれば死者が出ることがないと生死をかけ掘り続けた。開通する矢先、そこに元主人の長男が敵討ちとして現れるが、村人からこの洞窟が開通するまで待ってほしいと願うと、日が経つことで了海の一心さに心が歪み、その長男も手伝いすることになる。やがて開通したその時には双方ともこの偉業に対する驚異と感激の心とで、胸がいっぱいになり涙にむせび合った。