@映画 『市民ケーン』Citizen Kane 1941
この1941年の映画は、 'Best Picture'を含む9つのオスカー賞を受賞、アメリカ映画協会史上最高の100本の映画のリストに入る映画の一つとなっている。Orson Wellesの傑作(American Film InstituteのBest American Movies)である。William Randolph Hearstの生涯、「バラのつぼみ」という言葉を残して亡くなった新聞王Kaneの生涯を、記者が取材した関係者の証言から回想形式に描かれた映画。 新聞、ラジオ局、雑誌、ニュースサービスの帝国を創り上げたKaneは「バラのつぼみ」を取り戻そうと自分のより良い人生を探し続けた。「 バラのつぼみ」(Kaneの子供の頃のソリ)とは安全、希望、そして子供時代の無邪気さの象徴であった。**運に恵まれ膨大な財産を生む、権力者の娘と結婚、政治家に立候補。だが、運はある女性オペラシンガーとの出逢いから低迷していく。それは彼の出世を恨んだ人物がスキャンダルを暴き、最初の妻と子供を残して離婚、政治家になることを辞めさせた。そしてオペラシンガーと結婚、何不自由なく贅沢三昧の生活を提供するが心の中に「バラのつぼみ」がない事を知る。 事業に成功したが、「金」で満足できない何かを最後まで探しきれなかった、人生に失敗した男の物語。現実、先日の元官僚息子殺害事件、父の仕事は成功、だが子育ては失敗とよく似ている感もする。