障害者福祉の始まり

2023年10月26日 | 日記・エッセイ・コラム

 書物を読んでいて、ずんと胸に響く言葉に出合いました。

 「無知は偏見を招きます」

 その言葉に出合ったのは、障害者福祉とは全く関係のない内容の書物を読んでいた時のことでしたが、それは長く(?)障害者福祉に携わっている私も思うことでした。

 「無知は偏見を招きます」

 自分の無知を棚に上げて、障害者福祉の在り方について、したり顔で語る人たちをこれまでたくさん見てきました。その多くは意識的にか無意識にか、自分の価値観を押し付けているのではないか、と思うからです。

 およそ60年前。私たちの社会は「社会の役に立たない人間に国のお金は使わない」という価値観でした。その価値観は、今の社会にも根深くあると感じます。

 障害者に対するその無知をなくさぬ限り、根本的な命題である障害者に対する差別と偏見はなくならないのではないか。

 いったい、私たちは私たちが障害者と呼ぶ彼や彼女の何を知っているのでしょうか。

 他人の印象や感想。あるいは専門家と呼ばれている人たちの報告や見解。それらをあたかも自分の実感や見解などとしてはいないだろうか。

 どうか、あなた自身が障害者に直に触れてほしい。言葉をかけてほしい。彼や彼女と名乗り合ってほしい。そして「また会いましょう」と伝えてほしい。

 そういうことから障害者福祉は始まる。いや、そこからしか障害者福祉は始まらないと思うのですが。

 

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73歳になりました

2023年10月18日 | 日記・エッセイ・コラム

  先月、73歳になりました。

 30代、40代の頃にはまったく想像もしなかった年齢です。

 福岡県山門郡(やまとぐん)瀬高町(せたかまち/現 みやま市)で生まれ、山口県玖珂郡(くがぐん)和木村(わきそん/現 和木町 わきまち)で育ち、その後、高校卒業後1年浪人して、東京都世田谷区経堂(きょうどう)、東京都杉並区宮前(みやまえ)、東京都大田区田園調布(でんえんちょうふ)、神奈川県川崎市中原区市ノ坪(いちのつぼ)、神奈川県川崎市中原区木月(きづき)、神奈川県横浜市港北区大倉山(おおくらやま)、山口県岩国市山手町(やまてちょう/現やまてまち)、山口県岩国市今津町(いまづちょう/現 いまづまち)、東京都日野市南平(みなみだいら)、山口県岩国市青木町(おおぎまち)へ、という引っ越しを繰り返してきました。

 卒業、就職、結婚、子どもたちの誕生があり、就職4回、退職4回を経験し、何とか現在に至っています。そのあいだ、早くに父を亡くし、平成に入ってほどなく母を亡くしました。

 引っ越した回数は数えると11回になります。およそ6年半に1回の頻度で引っ越している計算になります。若い時に地方から一旦都会に出て、また地方に戻って来る。しかもそれを2回繰り返すと、このくらいの引っ越し回数になるのでしょうね。よくぞまあーと、我ながら感心します。が、申し訳ないことに、家内や子どもたちには思わぬ苦労をかけてきてしまっているのです。

 そんなこんなで、引っ越し11回の私にはいわゆるふる里といえるような土地や人々を思い浮かべることはできません。

 先日、コロナワクチン7回目を接種してきました。

 病院の待合には私と似たり寄ったりの年代かと思われる高齢の男女が多く、皆さんじっと椅子に座って、診察の順番を呼ばれるのを待っていました。

 私は時折り見回しながら、皆さんの人生の歩みはどうだったんだろうかと、独り、取り留めのない思いを巡らせていたのです。

 

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