今年も押し詰まってから、わが国の政治の世界では与野党が逆転しました。果たして福祉はどうなるでしょうか。またぞろ制度や法律が変わるのでしょうか。<o:p></o:p>
荒れた時化の海で翻弄される小舟のように、乗っている者は振り落とされぬようにしがみつくのが精いっぱいです。国の方針には沿わねばなりませんが、なかなかしんどいものがあるのも福祉現場の現実です。<o:p></o:p>
私たちはさつき園に通って来る利用者からたくさんのことを学びますが、世間は彼らから何を学ぶのでしょうか。世間の心ない一言や行動に彼らは心深くいたんでいます。時折彼らが暗い表情になるのはそのせいです。ほんとうは弾んだ声や明るい笑顔がお似合いなのに……。<o:p></o:p>
「園長さん、お早う!」<o:p></o:p>
今日も彼らは元気です。<o:p></o:p>
その元気な明るい笑顔と素直さにこそ存在の意味があります。<o:p></o:p>
何かができるからとか、何かができないから、などいった成果や結果を問うようなことで彼らの存在の意味は見えません。<o:p></o:p>
私たちが言葉と行動を尽くして利用者の存在の意味をていねいに世間に伝えることが、温かい血の通った制度や法律をつくる種子になります。<o:p></o:p>
今年もお世話になりました。<o:p></o:p>
来たる年も変わらぬ思いで一歩一歩、歩を進めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。<o:p></o:p>
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