「冬来たりなば 春遠からじ」といいますが、私たちの1年に及ぼうとするこの緊張状態はいつまで続くのでしょうか。見えないものとの闘いの日々。私たちは緊張と不安の中にいます。これは終わりの見えない、私たち一人ひとりの試練と言えばと言い過ぎでしょうか。
片や命。片や経済。その天秤のバランスをいったい誰が取れるというのか。
天秤が命に傾けば、今の生活がたちまち危うくなる人があり、経済に傾けばあっという間に命を落とす人があり……。そういったことに当面関わりのない人たちが高みから、あれこれもっともらしい見解を垂れています。しかし、私たちは彼らのどんな言葉にも与することはなりません。
天秤の左右の傾きの結果、図らずも当事者となってしまった人たちが負うほかない現実があります。
果たして、有効なワクチンが手に入れば、天秤の振れに一喜一憂することはなくなるのでしょうか。世界の政治は悩みに悩んで、自国の国民の自覚と行動に訴え、そこに期待をかけています。
そうした緊張状態の中、さつき園でも今日までおよそ1年の間、利用者・保護者・職員みんなで何とか厳しい状況を凌いできました。さつき園は通所事業所ですので、利用者は毎日自宅やグループホームに帰ります。そして、土日や祝日は家族や友だちなどと出かけることがあるかもしれません。そこで誰かと会うかもしれません。どんな場面に遭遇するかは分かりません。
果たして、マスクをして出かけているだろうか。三密は避けているだろうか。帰宅したら石鹸で手洗いしているだろうか。消毒はどうか。換気はどうか。毎日検温はしているだろうか……。休み明けの月曜日に元気な顔を見るまでは気が気ではありません。休み中も緊急連絡があるかと落ち着かないのです。
あと数日で今年は終わりますが、さつき園に通う利用者がどうか笑顔で、やがて訪れるだろう春を迎えられるように、ひたすら願う日々を過ごしたこの1年でした。
気休めに、「冬来たりなば 春遠からじ」と口ずさんではみますが、春の訪れはまだまだ遠い先のことだと、覚悟を決めねばならないようです。
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