先々週参加したある大会でのことです。
休憩時間にロビーにいたら、久しぶりに会ったある施設職員に「園長、お久しぶりです!」と、いきなり笑顔とともに話しかけられました。
話が進むと、その人は「あの頃、私は天狗になっていました」と、真剣なまなざしで語り始めます。
「でも今は、毎日を利用者さんと一緒に楽しく過ごしています。同じ施設の中にいても、以前はちっとも気がつかなかったけど、利用者さんの支援をさせていただくことがこんなにも楽しく、自分を充実させてくれるなんてありがたいです!!」
数年前のあの頃、その人は自身で語るように『天狗』になっていたのでしょう。そのことは、その人のその頃の言動を思い出すと、私にも思い当たる節があります。しかしそんな自分を何かのきっかけでか深く反省しただろうその人は、私に向かって、まさに瞳を輝かせて生き生きと今の自分を語ります。
いったいその人に何があったのか。何がきっかけで『天狗』になっていることに気がついたのか。その人に、自らが『天狗』になっていることを気づかせてくれたものは何だったのか。
残念ながらそれらを話題にするには、ロビーでの立ち話ではあまりに周りはざわついているし、時間も限られていました。
「じゃあ、また。何かあったらいつでもさつき園に電話ちょうだい」と、握手をして別れました。
果たして、人の転機は、いつ、どのようにしてその人に訪れるのか。思いがけない、うれしい出会いの中で考えます。