のどに魚の小骨が刺さった

2009年08月27日 | 日記・エッセイ・コラム

会議に出るために、いつものように車で山口市に出張した。ところが、不覚にも途中で食べた昼食の弁当のおかずの魚の小骨がのどに刺さってしまった。ご飯を丸のみしてみたが取れない。指を突っ込んで取ろうとしたが無理。声を出すと痛み、首を右に曲げると痛み、つばを飲み込むと痛む。涙が出てくる。まいった!

とにかく車を走らせて会場に向かう。さつき園の関係する団体の事務局に病院を調べてもらった。悪いことに今日は木曜日。大概の病院は午後は休診だ。「ここなら」と紹介してもらった○○病院に行くと、何とそこも休診だった。やむなく、そのまま会議に臨んだ。発言すると痛い。お茶を飲んで何とかしようとしたが、効果なし。

話は、午後1時過ぎに入ったその○○病院でのこと。「申し訳ありません。本日の受け付けは終了いたしました。しかも当病院は本日は午後も休診です」と受付の女性。「えー、まいったなあー」と私。しかしその受付の女性は「少しお待ちください」と、すぐに背後の書棚にあるクリアブックを引き寄せて、調べ始めた。『耳鼻咽喉科』と背表紙に書いてある。その中のページをめくって、「この近辺で、本日午後診察をしている耳鼻咽喉科の病院はこの△△病院1か所だけです。それもあいにく午後の診察は3時からです」そう言って、その△△病院の場所や診察時間が印刷されたA4版の資料1枚を渡してくれた。彼女の手元のクリアブックのそのページを見ると、その同じ資料は何枚かコピーされてビニール様の袋の中に納められていた。

ふつうなら、元資料だけがファイルされていて、必要な時にそれをコピーして受付で配るところだろう。それがすでに何枚かがコピーされており、すぐに必要な人に渡せるようになっているのだ。その姿勢、心がけ、準備の良さに私は内心驚いた。受付を利用する人たちへの配慮が利いている。

午後4時前、会議が終了した。県庁への用を済ませ、すぐに△△病院へ向かったのは言うまでもない。「のどの奥の方だとここでは無理ですよ」と脅かされた。が、その若い院長先生が刺さっていた1㎝ほどの骨を取って見せてくれたときは、彼が神様に見えたことだった!?

利用する人への配慮を利かせること、それはセンスと想像力と修練の結果だ。1㎝ほどの魚の小骨1本がいろいろな体験をさせてくれた1日だった。

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ガンダム お台場に立つ!

2009年08月25日 | 日記・エッセイ・コラム

アニメ『機動戦士ガンダム』がテレビ放映されてから30周年。それを記念して、アニメそのままの1/1のガンダム(全高18メートル)が東京お台場にそびえ立っているそうだ。

夏の甲子園も終わり、子どもたちは夏休みも終盤。大人たちは衆議院選挙戦の真っただ中。そして私たちには今年の夏は例年にない自然災害、それも局地的な大雨がこたえた。被災された方々の傷はいつになったら癒えるのか。傷ついた心身を鼓舞して、復活を期す人たち。そこへ追い打ちをかける新型インフルエンザ。

そうした過呼吸気味の現実から見上げるガンダムの立ち姿は、一瞬、身に染みついてしまっている焦燥感や徒労感を忘れさせるような気がするが、どうだろうか。

それにしても、はてさて、障害者自立支援法の行く末は、福祉の未来はどうなるのか。

さっそうと立つガンダムがなんとも恨めしいものだ。

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礼儀、たとえばあいさつ言葉

2009年08月18日 | 日記・エッセイ・コラム

お盆の休みが終わり、昨日からまたさつき園の日常が戻って来ました。

今朝もいつものように送迎車から降りた利用者の何人かは、事務室や厨房や園長室に顔を出してくれます。

「園長さん、お早うございます」「はい、お早うございます、○○さん」

「今日も暑いねぇ」「おー、朝晩は少し涼しくなったけど昼間はまだまだ暑いねー。でも今日も作業を頑張ってよ」

「はい、頑張ります!!今日もよろしくお願いします!」「はい、こちらこそよろしく」

変わらぬ朝のあいさつです。他愛もないと言えばそうかもしれません。しかし、知的障害者だからあいさつや礼儀などを疎かにしてもいい、ということにはならないと思います。

例えば、あいさつ言葉。「お早うございます」「ありがとう」「さようなら」「はい」「ごめんなさい」などの言葉が生活していく上でどんなに大切な言葉かを、本人が分かろうが分かるまいが、言えようが言えまいが、親が、あるいはそばにいる人たちが、本人が小さい頃から日常的にごく自然に口にし、聞かせることが大切です。それが知らず知らずのうちに本人にあいさつ言葉のもつ意味を感じさせていくのです。このことに障害の有る無しは関係ありません。

だから、私は利用者の前では「お早うございます」「こんにちは」「ありがとう」「はい」「ごめんなさい」といった言葉をいつも意識して口にします。日頃から私たちが利用者に対して意識して使っていると利用者が真似をしてくれます。その真似がいつの間にか○○さんや□□さんや△△さんの身につくといいがなあ、と思っているのです。そうすると彼らの周りの雰囲気や人間関係がまた一回りふくらんでそして和むのです。

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新任教頭先生の社会体験研修

2009年08月03日 | 日記・エッセイ・コラム

現在、夏休みを利用して、山口県内の高等学校ではこの春の新任教頭先生の「社会体験研修」が様々な企業や施設・団体で行われています。その中で、さつき園を研修先に選んでいただいたK教頭先生の通算5日間の研修が本日、無事終了しました。5日間、折々にK教頭先生とお話しさせていいただく中で、福祉と教育は共通点が多いなあと、今更ながら感じさせられました。一緒に考えるべきことがたくさんあるものと思いました。そしてそれはこれからの私たちの社会にとって大事なことだとも思いました。

それにしても、こんなさつき園で研修をされたK教頭先生にとって、この度の研修は果たして実のあるものとなったのかどうか。園長としてははなはだ心もとなく、申し訳ない思いがしております。ただ、利用者との時間をたくさん持っていただいたことに感謝するばかりです。そして、勝手ながら知的障害者の福祉に関心を寄せてくださる仲間が一人増えるといいなあと、心密かに願っている次第です。

たいへんお世話になりました。またお越し下さい。利用者が待っております。

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