『おいでませ!山口国体』に続き、24日、『おいでませ!山口大会』(全国障害者スポーツ大会)が無事閉幕しました。
その山口大会ではキララ博記念公園内の会場でフライングディスク競技が行われました。私はそのディスタンス(いかに遠くまでディスクを飛ばすかを競う種目)の表彰式でのメダル授与の役を仰せつかった一人でした。
広い芝生のグラウンドで、全国各地からの参加選手が47組に分かれて(1組6人~8人)競技が行われます。身体障害、知的障害など多くの障害者が日頃の練習の成果を競います。
各組ごとに競技結果が集計されて、その組ごとに金・銀・銅が決まります。表彰式では3位までの記録がアナウンスされたあと、それぞれの選手の首にメダルをかけ、健闘をたたえ、記念品を渡すのです。
そのあと、各組ごとに金メダル選手へのインタビューが行われました。
何組目かの表彰式が終わった後、その組の金メダリストへのインタビューの時のことです。
「金メダルおめでとうございます。新記録が出ました。今のお気持ちをお聞かせ下さい」という質問に、金メダルを首にかけたその彼はこう答えたのです。
「山口の風に感謝します!」
その場にいて、その言葉を聞いた私たちは、皆一斉に「おー」と歓声を上げ、思わず大きな拍手を送っていました。
そこには、今回の全国障害者スポーツ大会の開催県である山口県へのお礼の気持ちがこもり、そして風という自然に対する畏敬の念を示し、金メダルを取っても自分の力を誇示せず、常に謙虚さを忘れないその人の姿勢が見事に表現されていると思えたのです。しかも、屋外で行われるフライングディスクという競技は風を巧みに利用することも大事な技術の一つです。そういうこともあって、これはフライングディスク競技ならではの感想でもあります。見事な言葉でした。
今、私を含めて私の周りに、今の自分の置かれた立場をしっかり踏まえて、これほどの自然認識と自己表現とができる人がいるでしょうか。常に周囲に感謝し、自然への畏敬の念をもち、自己を顕示することよりも謙虚にある精神。
「山口の風に感謝します!」
この一言で、私には忘れられない瞬間、忘れられない大会となりました。