職員の力量

2012年08月23日 | 日記・エッセイ・コラム

先週の土曜日。さつき園は利用者の余暇活動として、みんなで下松市のザ・モール周南へ食事とショッピングを楽しみに行ってきました。暑さ対策、それから夏休み中でもあり、きっと混むだろうと予想しての対策を事前にしっかり検討して出かけました。

ところが、予想外のことは起こるものです。4台の車に分乗して行ったのですが、早目に着いた1台ではえらいことになっていたのです。その詳細をお知らせすることはできませんが、私の乗ったマイクロバスがザ・モール周南の駐車場に着いた時には、もうそのえらいことはすっかりと言っていいほど職員によって適切に対処されていました。

「園長、たいへんだったんですよ!」

主任がそう言って、私に報告します。

けれど、報告する言葉には余裕が感じられたので、こちらも安堵しながら聞いていました。しかし、もしもその報告がなかったら、ひょっとして私はそのことに気がつかなかったかもしれないほどに、ことはすっかりきれいに対処されていたのです。報告の内容からも、職員は落ち着いて、しかもテキパキと対応したことが想像されました。利用者にも動揺しているような人は見受けられません。

私たちはその後、利用者に諸注意を促して、事前に決めた班ごとに昼食とショッピングを楽しんできました。

私も利用者4人と楽しく過ごしてきました。いやいや、□□さんがエスカレーターに乗るのを怖がって、乗り口から後ずさりしてオロオロしたのには少しあわてましたが……。

それにしても、こうした予想外の出来事に速やかにしかも適切に対処するためには、その場の職員にそれなりの力量が必要です。加えて、そこでは職員同士のチームワークも要求されます。ですので、その後、何事もなかったように利用者支援に当たる彼らを見ていて、私は感謝するとともに少しうれしくなっていました。

また、後日、△△さんのお母さんによると、うちわの好きな△△さんは、あの日自分で選んで買ったお気に入りのうちわをしっかり手に持って眠りに就いたとのこと。きっと、あの日の何かがよほどうれしかったのでしょう。そしてその話を職員から聞いた私も、△△さんの様子を想像してうれしく思ったことでした。

職員の、あの予想外の出来事への対応が適切だったことが、こうして利用者にあの日の満足をもたらしたのです。

そして私は、その予想外の出来事で図らずも職員の力量が試されたのだと思いました。

職員諸君、お見事でした! 感謝申し上げます! 

これからも頑張るべし!

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人の生き死に

2012年08月20日 | 日記・エッセイ・コラム

ロンドンオリンピックが始まり、夏の甲子園が始まり、そしてロンドンオリンピックが終わり、今、夏の甲子園が面白くなってきました……。

そんな世間の、残暑の厳しい先週の末。7月の半ばに、「おい、9月に同窓会を開くから空けといてくれよ」と突然電話してきた中学・高校時代の同級生が、その電話の1週間後に亡くなっていたことを知らされました。

驚きました。

同窓会でしか会うことのなかった彼なので、卒業後の彼のことはほとんど知りませんし、しかも、すでに同級生の何人かは男女問わず亡くなっており、彼もその中の一人となったということです。が、しかし、彼らの訃報に接した時、私は必ず体の芯が痛くなるのです。

それは彼らは彼らの、私は私の生きる場で、同級生としてまさしく同時代を生きてきたということへの無意識の共感が体の芯にあるからなのかもしれません。

7月の末のある研修会で、マスコミ関係者の『マスコミは障害者については相変わらず美談を取り上げがちです』という自戒のこもった話を聞きました。ある瞬間の障害者への優しさや思いやりだけを切り取って、美談として記事や話題にしているうちは、マスコミは当てにはなりません。

マスコミが、障害者に限らず、亡くなった彼のような市井の人々の生き死にの姿を、腰を据えてしかも美談などに仕立て上げることなく淡々と取り上げるようになれば、世の中はもっと落ち着いて穏やかになると思います。

彼は長年、同窓会の幹事を務めてくれていました。だから、幹事のいない9月の同窓会は取りやめです。

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立秋

2012年08月08日 | 日記・エッセイ・コラム

昨日が立秋の今朝のこと。

いつものように、グループホームの利用者が早くに通所してきます。

「園長さん、お早うございます!」

○○さんが今日も朝のあいさつに園長室にやって来ました。

「お早う! 毎日暑いねー。夜は、よう寝られるかい?」と私。

すると、すかさず○○さん、

「寝れん! 扇風機、かけまくっちょる!」「おー、かけまくっちょるかー」

その突っぱねた言い方に、思わず笑ってしまいました。○○さんも笑っています。

それにしても今年の夏は例年になく暑い夏です。

が、とにもかくにも暦の上とはいえ、もう秋が来ました。お互いに注意しながら、いつまで続くのか、こらからの残暑をみんなで元気にそして無事に乗り切りたいものです。

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