少々疲れて山口市内への出張から帰ると、机の上にクリーニング店のチラシを折って作った袋が置いてあります。葉書大のその袋は上下や重なり部分がきこちなくテープで貼ってあります。よく見ると、チラシの印刷文字の上に○○さんの名前とわかる字が黒のボールペンで上書きされていました。
何日か前、ちょっときつい顔をして園長室にやってきた○○さんにその事情を聴きながら、
「そんなに怒った顔をしちゃあいけんよ。もっとやさしい、笑顔の○○さんにならんにゃー」と言って、「今度、また園長にお手紙書いてよ」とお願いしていたのです。
破かぬように中を開けてみると、期待通り、四角に折られた○○さんからの手紙が入っていました。
『ぬぬぬなぬ ねもぬおぬとたぬ もみなもみとしもみラよぬ』
『もみぬもみぬかりなぬも』
『もみねみもみ みぬみもみぬ もみねぬ もみぬもみ』
キティちゃんの絵柄のメモ用紙にそう読める文字がしっかりと書いてありました。
お願いを聞いてくれて、一生懸命に手紙を書いてくれた○○さん。どんな気持ちで書いたのでしょうか。
こんな時、園長さんはちょっと疲れを忘れるのです。