忘れられない出来事

2017年09月24日 | 日記・エッセイ・コラム

 昨日(23日・土・祝)、米子市で第57回中国地区知的障害関係施設親善球技大会が開催されました。私は役目上、前泊してその大会に出席しました。
 中国5県から各県の代表として、卓球、バドミントン、フライングディスク、ソフトボール、ボウリング、そして今年から正式競技となったボッチャの計6競技でその練習の成果を競うのです。参加選手は全部で183名。引率の職員、家族等を含めると総勢273名です。当初は天候が心配されましたが、薄曇りがちな晴れの天気で、やわらかに風も吹く、スポーツには良いコンディションとなりました。
 山口県からも毎年、山口県知的障害者福祉協会の会員施設や事業所から、県内の予選会で各競技の団体、個人のそれぞれ3位以内の利用者が参加するのですが、残念ながら、今年の出場選手は例年に比べて半分以下の18名でした。ちょっと残念な参加者数です。
 卓球女子個人の部に参加した〇○さん。7月に実施した県内予選会で優勝しての参加です。予選の時は、「私、頑張るよ。優勝したら表彰状またもらえるね」などと明るく元気に話してくれていました。結果は、本人の意気込み通り優勝。「中国大会に出てから頑張るよ!」とうれしそうでした。
 そして、昨日。〇○さんは何と準決勝戦までの3試合を勝ち進んだのです。
 ところが、準決勝を勝った直後、仲間や職員の中に戻って来た時、○○さんは感極まって泣きじゃくってしまいました。
「私初めて、中国大会で2位になった。うれしい! 今まで出来んかったけど銀メダルじゃ!」
 まだ、決勝戦が残っているのに、もううれしくてうれしくて、感情が高ぶってしまって顔じゅう涙なみだです。こちらもグッと胸が詰まって、涙がにじみそうになっていました。
「〇○さん。まだ決勝戦が残っちょるけえのー。泣くのはそれが済んでからじゃー。最後まで頑張りんさいよ!」準決勝に勝って泣く○○さんに、もう私もびっくりでした。
 決勝戦は苦労しながらも2ゲームを先取したのですが、その後3ゲームを立て続けに取られて、残念ながら負けてしまいました。
 参加者全員、ケガも事故もなく無事終了した第57回中国地区知的障害関係施設親善球技大会。
 お役目を終えて、会場の体育館を後にしながら、私は久しぶりにさわやかな気持ちを味わっていました。
 この大会は中国5県の持ち回りで、来年は岡山県の引き受けで平成30年9月24日に開催の予定です。

 全くの余談ですが、一昨日の午後、岡山から乗った伯備線の出雲市行きの特急電車でのこと。うつらうつらしていたら、車掌さんの車内アナウンス……。
「さきほどこの電車は鹿と衝突いたしました。ただ今、運転手による安全確認をいたしておりますので、今しばらくお待ちください。お急ぎのところを誠に申し訳ありません」
 驚いて車窓を見れば、真っ暗の夜の中に特急電車は止まっていました。

 2つの出来事で、忘れられない第57回中国地区知的障害関係施設親善球技大会となりました。


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トンボのいのち

2017年09月12日 | 日記・エッセイ・コラム

 夕方遅く、出張からさつき園に戻って、いつものように決裁書類や回覧書類、留守中の電話のメモや園内の様子の確認をしていたら、園長室にトンボが1匹紛れ込んでいるのに気がつきました。西日を避けたブラインドの隙間から羽音をさせて窓に沿って飛んだりしています。
 そのトンボが園長室の天井辺りを飛ぶ姿や羽音に刺激されたのか、心やさしき園長さんはその時、何とかトンボを外に逃がしてやろうと思ったのでした。
 机の上の書類の決裁や確認などをする間も、トンボは狭い園長室の天井の蛍光灯の辺りをせわしなく行ったり来たりしています。
 やおら立ち上がって、素手でトンボを捕まえようと追うのですが、とてもじゃないけどそんなことで捕まるトンボじゃない。だからといって、うちわで扇いでみてもどうってことはない。トンボが少し懸命に逃げるだけ。
 と、何かの弾みでブラインドに沿って落ちてくるトンボ。慌ててその翅を摘まもうとする私。けれど、慌てる私の指の間をトンボはスルリと抜けていきます。
 このままだと明日の朝には間違いなくトンボは死んでいます。トンボに限らず、そんなことは何回も経験済みです。「だから何としてもこのトンボを外に逃がすぞ」今度は私が必死です。
 そのうち追っかけ回されて疲れたのか、トンボは私の机の真上の天井に留まったままで動きません。うちわで扇いでみても動きません。私も上ばかり向いていたので首が疲れましたが、「今だ!」と思い、頑張って書類をよけて、机の上に上るのです。爪先立って息をひそめて右腕をそっと伸ばします。ちょっとだけ届かない距離です。でも、トンボはどういうわけだかじっとしていますので、「今しかない」と、一か八か(ちょっとオーバー?)私は思い切って腕を伸ばしてトンボの翅を摘まもうとします。
 お見事! トンボは私の右手の親指と人差し指によって摘ままれていました。
 すぐに玄関を出て、夜の中にトンボを放します。(トンボは夜でも目が見えるのか?と不安がよぎりましたが……)
「疲れて戻って来たのに、いったい何してるんだ!?」なんて言ってはいけません。
 以上、ほんの今し方の、数十分間にわたるのん気な園長さんのトンボのいのちの救出劇(?)でした。


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障害理解と障害者理解、そして障害特性について

2017年09月07日 | 日記・エッセイ・コラム

 私たちが思い違いをしてはならないことは、例えどんなにその人の「障害」をよく理解できたとしても、その「人」を理解できたことにはならない、ということです。
 だから、私たちは「障害」を対象とした支援をするのではなく、「障害のある人たち、すなわち障害者」を支援しなくてはなりません。現れる「障害」に目を奪われることなく、障害者、すなわち利用者である「人」を支援するのです。
 「障害特性」という言葉があります。乱暴に言うと、障害の種類や程度によって異なって現れるある特徴的な状態のことです。
 「障害特性」を学んで理解すれば「障害者」と呼ばれている人たちのことを理解したかのように思い違いをしている人たちがいます。そういった人は障害者福祉に携わる人たちの中にもいます。そして、「障害」を「個性だ」などという人もいます。
 しかし、「障害」に囚われていては、「障害者」と呼ばれている人たちの本来の姿は見えないし、もとよりその人の個性も見えないのです。


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