箸と鉛筆、その持ち方から思うこと

2023年03月16日 | 日記・エッセイ・コラム

 戦後5年経った昭和25年に生まれた身としては、自分のことはさておき(!)、幼稚園児から高齢者と呼ばれる年配者に至るまでの、日本人の箸と鉛筆の持ち方がかなり前からえらく気になっています。例えば様々なテレビ番組で、時に現代日本人の気になる箸や鉛筆の持ち方を目にすると、見るたびに毎回惨憺(さんたん)たる思いになるのです。

 子どもたちの中には、極端に言えばじゃんけんのグ―の握りをして握った箸の先を、その握った手の小指と手の平の間から出して、つがれたご飯を箸で掻き出すようにして食べている子がいます。もうそうなるとご飯を食べているとはとても思えない。それはまるで餌を食べているかのようです。

 幼稚園児や小学生から高校生大学生に至るまで、いや大の大人までが親指と人差し指と中指と薬指の4本の指を使った箸使いが上手にできないのです。いや、確かな数字は分かりませんが、漠然とそういう人たちが増えてきているように思います。

 それは鉛筆の場合も同じなのです。鉛筆もグーで握って鉛筆を操作して文字を書き、図形などを描いてます。だから、箸も鉛筆も斜めに傾かないで、握った手の中で縦になって動かされています。

 それは決して美しい形、と私は言わないのです。

 言葉は見よう見まね、聞きよう聞きまね(?)で覚えるのでしょうが、箸や鉛筆の持ち方は見よう見まねでは覚えられないのではないでしょうか。誰かが心配しながら、しばらく根気よく教えるほかないように思えます。

 親もそして幼稚園や学校でも、そんなことは二の次になっているご時世なのでしょうか。私も子ども時代にきちんと箸と鉛筆の持ち方について教えてもらったという記憶はありません。でも、グーで持つ持ち方はしないので、おそらく親とか先生とか、誰かが教えてくれたのだと思います。

 私にすれば、こうした箸や鉛筆の“グー握り現象”は「無残だ」と言うほかはありません。少しお道化て、「今のあなたの箸の握り方で果たして小豆や大豆をうまく摘まむことができますか」と言いたくなります。いろいろ言い分はあるでしょうが、日本人の文化としての箸の持ち方、鉛筆の持ち方が危うくなってきているのだろうと思います。

 様式美を、形式美を、などとオーバーなことは言いませんが、「食べられればいい」「書ければいい」というような結果オーライではあまりに寂しく哀しい……。

 人は勝手に育つのではありません。人は人が育てるのです。

 社会に出て、重症心身障害児者や知的障害児者の福祉に携わって知った、障害者と呼ばれる、いや私たちが障害者と呼ぶ、そうした人たちの人生を思うと、その思いはいっそう強く深くこの胸に広がるのです。

 

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自費出版2冊目

2023年03月06日 | 日記・エッセイ・コラム

 突然ですが、私、自費出版2冊目の『はい。園長さんはいつもにこにこしてますよ。』を今月13日(月)に発売・発行します。

〔ご挨拶〕

早春の候 皆様 いかがお過ごしでしょうか。

 突然ですが、平成27年(2015年)3月に発行いたしました単行本『園長さん いつもにこにこしてますか』の続編として、来週3月13日(月)に自費出版2冊目の『はい。園長さんはいつもにこにこしてますよ。』を発行・発売いたします。(発行:パレード  発売:星雲社)

この続編には1冊目以降の平成26年(2014年)7月から令和4年(2022年)7月までの間に315編を数えたブログの中から、173編(内1編は平成19年(2007年)4月10日付)を掲載いたしております。また、「私が学んだ知的障害者と呼ばれている人たちのこと」をテーマとした「仮想講話」も併せて掲載いたしました。

 私は2年前(令和3年/2021年)の3月31日に障害者福祉の現場を退職いたしておりますが、依然として障害者福祉は私の課題の1つとして胸の奥にあります。

 このたびの2冊目の出版が1冊目と同様に、長年の皆様からのご厚情へのわずかなりとも御礼になればと願っております。

 ご多用の日々の中、誠に恐縮ですが、通販のamazon(アマゾン)でも取り扱っておりますので、お買い求めいただき、お読みいただければうれしい限りです。またその折には、お読みいただいたご意見、ご感想等をお寄せくださればなおさらです。それが私の勉強になり、元気にもなります。

 季節の変わり目にて、どうぞみなさま、健康にご留意されますように。

 ありがとうございました。

 

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