熱い鯛焼きはいかがですか~?

2008年07月28日 | 日記・エッセイ・コラム

夜市が続きます。先々週の19日の土曜日は周防大島町久賀(旧久賀町)で、先週の26日の土曜日はさつき園の地元、周防大島町小松(旧大島町)で夜市。今週末の8月2日の土曜日は周防大島町安下庄(旧橘町)で夜市と、今年は3週連続となりました。例年、出店を出しているさつき園。今年は鯛焼きを目玉に参加します。

1ヵ月くらい前から職員は練習に練習を重ね、そのたびに私も何匹か試食させられました。味は園長のひいき目ではなく、美味しく出来ていると思いました。

さて、今年最初の久賀の夜市でのこと。午後6時を過ぎてもまだまだむし暑い中、出店担当の3人の職員が額に汗をにじませて鯛焼きを作っています。心配で様子を見に出かけてきた私もついつい気合が入ってしまい、お客さんの呼び込みを始めました。

「暑い夏に熱い鯛焼きはいかがですかあー」「鯛焼きはいかがですかあー」「熱い鯛焼きはいかがですかあー」と、夜市を楽しみに来た人たちを呼び込みます。

しばらくそうして呼び込みをしていると、ある職員がおもむろに私のそばにやってきて一言、「園長、“熱い鯛焼き”というのはいかがなものでしょうか?言うなら、“美味しい鯛焼き”ではないでしょうか?」

なるほど!暑い夏に熱い鯛焼きをと、暑いと熱いを引っ掛けたつもりだったのですが、そこはやはり職員の言うとおり、“熱い”よりも“美味しい”がいいでしょうね。私は早速「美味しい鯛焼きはいかがでしょうかぁ~」と、セリフを変更した次第です。

その甲斐あって(?)最初にしてはよく売れたと思うほど売り上げがありました。その余勢を駆ったのか、先週の夜市では初回を上回る売り上げがありました。

3連チャンの最後、今週末の安下庄の夜市ではどうでしょうか。職員のやる気に引きずられて、私も3度目の呼び込みに出かけるつもりです。「美味しい鯛焼きはいかがでしょうかぁ~」

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夏の甲子園

2008年07月16日 | 日記・エッセイ・コラム

夏の高校野球の地区予選が全国各地で開かれ始めました。

さつき園には大阪のPL学園の大ファンがいます。その○○さん、「最近はPLは甲子園に出ません。今年はどうでしょうか?」と、私に聞いてきます。「どうかねぇ。PLも桑田・清原の頃は強かったがのぉー」と私。○○さんは少しさみしそうです。

地元の高校を応援していた□□さんは、早くも一回戦で負けてしまったので、さぞ残念がっているかと思えば、意外にニコニコしながら「はあ負けた!」と知らせに来ました。

これからおよそ一ヶ月の間、甲子園での優勝校が決まるまで、○○さんや□□さんによって、毎朝、園長室へ試合結果が報告されることでしょう。

ちなみに、私の母校も早くも一回戦で敗退してしまいました。

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タバコやめたんよ

2008年07月08日 | 日記・エッセイ・コラム

 少し前になりますが、○○さんが「園長さん、タバコやめたんよ」と言いに来ました。「えっ、ほんまかい!」私は思わず、大きな声を上げていました。

 ずいぶん前から○○さんには、「はあータバコやめんさい。健康に悪いし、お金ももったいないじゃろう」と、何かにつけて声をかけていました。そのたびに、○○さんは「いいや、やめん!やめません!」と頑固に言い張っていました。

 私も10年くらい前にタバコをやめました。私の場合は、今日からやめようと思った日からパッとやめました。しかし、世間ではなかなかタバコはやめられないとかで、あの手この手の禁煙対策、禁煙方法があるようです。

 聞くと、○○さんは吸いたくなったらニッケ飴(?)とかをなめることでやめられたのだといいます。それと、同じ利用者の□□さんが入院したことも関係があるようです。ポツリと、「□□さんのように入院したくないけぇーね」と呟きました。

 いやー、それにしてもびっくり!。いやー、驚いた。○○さんの本気度に感心しました。脱帽!です。

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せめて5年先、10年先を考えて

2008年07月05日 | 日記・エッセイ・コラム

 時代は、個人としても、地域社会としても、国としても、世界としても、そして地球規模でみても、安心と喜び、あるいは安心と安全からは程遠い時間と空間の中で生きることを私たちに強いています。どうしてそんな時代になってしまったのでしょうか。

 今や、三代先のことを考えて今を賢明に生きていこうなどという人はいないのかもしれません。私たち人類は、地球を食べつくし、過去を食べつくし、食べるものがなくなって、とうとう未来をも食べつくそうとしています。

 そんな時代にあって、福祉はいったいいつになったら政治と経済に翻弄される宿命から脱却できるのでしょうか。

 今もさつき園の厳しい状況を打開する光明は見えません。果たして、関係者によって叫ばれている障害者自立支援法の抜本的な見直しはどこまで実現するのでしょうか。そして、社会はそれを後押しするでしょうか。

 語る未来が見つからないまま、私たちは保護者の有形無形の支援と地域の暖かい眼差しとを力と頼って、三代先とまではいかないまでも、せめて5年先、10年先を考えて利用者支援に地道に取り組んでいくほかないと、腹をくくらざるを得ないのです。

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固まっちょる!

2008年07月02日 | 日記・エッセイ・コラム

「ありゃ、○○さん、まだおったんかね。早う帰らんとみんなが心配するよ」先日のこと、利用者の終礼が終わって、みんなが送迎便で帰っていった後、園内を回っていると、○○さんが作業室の休憩用のソファーで寝たふりをして横になっていました。職員から「○○さんがへそを曲げて帰ろうとしません」と報告を受けていましたので、わざとそう言って声をかけてみたのです。

しかし、あれこれ気を紛らすような言葉をかけてみても、手で隠した顔の筋肉が緩みはしますが、効果なしです。原因は終礼時に□□さんとちょっとしたトラブルがあったとのことでした。

しばらくすると、○○さんと同じグループホームに住む△△さんがひょっこりやって来ました。あまり帰りが遅いので、心配して来たというのです。

「○○さん、起きんさい。帰ろうやあー」と、何度か声をかけますが、これも効果なし。「○○さんは固まっちょる!」と、園長室まで報告しに来てくれました。

最後は、いよいよ世話人の登場です。連絡を受けた世話人が他の2人の入居者を連れて、にこにこしながらやって来ました。入居者の性格を知り尽くしている世話人です。たった一言、二言、声をかけただけで、○○さんはやおら起き上がったのです。ばつが悪いのか、顔はしかめっ面のままです。

終始にこにこしながら世話人が言います。「みんなが寄ってたかって声をかけても、○○さんはかえって固くなるんよ」

表現は悪いですが、グループホームの世話人は固まった利用者をほぐす名人であります。

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