神奈川県相模原市の知的障害者支援(施設入所支援)施設「津久井やまゆり園」で起きた障害者殺傷事件から3年が経ちました。
先日、7月22日には同市内で追悼式が行われましたが、報道によると、事件を起こした被告はいまだに「不幸をつくる障害者はいらない」「意思疎通のできない障害者はいらない」「世の中の役に立たない障害者はいらない」などと、その主張を続けているとのことです。
人間の存在に関するこのような価値観は、程度の差こそあれ、私たちの意識の深いところにはびこっているのだという思いを、私は払拭出来ずにいます。
しかし、そうした私たちの内に無意識にはびこる価値観は覆されねばなりません。
専門家と呼ばれる人たちがテレビでラジオで新聞で、そしてネットで様々に、例えば、生産性や合理性ばかりを追求する行き過ぎた経済主義を見直す必要を説き、また障害者が受け入れられるように地域の環境作りに重点を置くべきと主張し、健常者と障害者が触れ合う機会を増やし、積み重ねていくことが共生社会の実現に向けた一歩となる……などと発信しています。
けれども、いったい誰がそれらを実現するための実践につなげて行くのでしょうか。
それは、そう主張する専門家と呼ばれる人たちが率先垂範することは勿論、他の誰でもない、私たちこそが、私たちのあとに続く者たちの遥かな未来に向かって、日々の小さな努力を重ねることだと思います。その日々の小さな努力を重ねることが私たちの無意識の奥深くにはびこる、そしてこの社会の裏側にはびこる差別と偏見から、障害者と呼ばれる人たちの命と人生を解放するものと思います。
しかし、果たしてその時、私たちは私たちのあとに続く者たちの遥かな未来に向かって、いったい、何を、どうすればいいのでしょうか。どんな日々の小さな努力をすればいいのでしょうか。
ことはいつでも、「べき論」があちらこちらで蔓延するだけで、それらは私たちの日々の小さな努力という行動にさえ転化することもなく、時間とともに雲散霧消していくばかりです。
社会の差別と偏見から障害者と呼ばれる人たちの命と人生を解放する命題は、こうした「べき論」に煽られたまま、私たちの具体的な行動として転化することもなく、いつしか先送りされているのです。
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