ものの言い方

2007年02月23日 | 日記・エッセイ・コラム

 このたび周防大島町社会福祉協議会の苦情解決体制における第三者委員への就任を要請され、お受けしました。そして先日、周防大島町社協主催の第三者委員研修会が開かれましたので出席しました。  

ところで研修会の内容はともかく、皆さんはこの「苦情解決」という言い方をどう思われますか。「苦情」というと、なにかそこにけんか腰というか、何かしら非難あるいは批判めいた雰囲気を感じませんか。無意識のうちに、俺、文句言う人、お前、文句を聞く人というような対立の関係にはめ込まれていくように感じます。

しかし、皆さん、これを「苦情解決」と言わずに「サービス向上」といったらどうでしょうか。どんな気持ちになりますか。物事に対して前向きに、もっと頑張ろうという気が湧いてきませんか。そして一緒に解決しましょう、という気になりませんか。全国の福祉施設の中には「苦情解決委員会」と呼ばずに、「サービス向上委員会」と呼んでいる施設もあるのです。苦情解決体制の整備は国が法律で示したのですが、机の上でしか福祉を考えないお役人は、「苦情解決」という言い方がどんなに現場をギスギスさせるかなんてことには考えが及ばないのです。「サービス向上」のための提言、そういう言い方こそ、言うほうと言われるほうのお互いが望むところなのです。

それは、例えば、さつき園に通所してきて朝から大声で興奮気味に話す○○さんに対して「○○さん、朝からうるさいよ。静かにしんさい!」と言うか、「○○さんは朝から元気がいいねぇ!何かえぇことがあったんかな?」と言うかの違いに似ています。ものの言い方をほんの少し前向きに言うように心がけると、みんなに元気が出て、気持ちがほぐれ、明るく楽しくなるのです。そして、それも福祉なのです。

 

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顔写真その2

2007年02月21日 | 日記・エッセイ・コラム

園長室」の私の顔写真を替えてみました。左はしが私です。この日はたまたま利用者と一緒に椎茸の原木に菌打ちをしました。頭髪もさびしく、またどう見てもここに載せるような顔ではないので、できるだけ顔のよく分からない写真にしました。でも、これではみなさん承知していただけないでしょうね。いずれまた考えますので、今日のところはこれでご勘弁下さい。

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顔写真その1

2007年02月20日 | 日記・エッセイ・コラム

 この「園長室」の私の写真。お気づきでしょうか、これは一昨年の「さつき園ふれあい祭り」の時のものです。以前、ここに掲載していた写真です。先日、それをご存知の方から「園長、写真を新しくしてくださいよ」とご忠告がありました。ごもっとも!1年半も前の写真を載っけていてはいけませんね。早速、取り替えるべく、現在、写真を探しております。いましばらくご辛抱?下さい。いやいや、ほんとは顔写真なんか載せないほうがいいのかもしれませんが。まぁ、載せるのもご愛嬌ということでお許し下さい。

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東京マラソン雑感

2007年02月20日 | 日記・エッセイ・コラム

 一昨日、東京マラソンのテレビ中継を見ました。テレビ各局を始めとして様々な形で報道されていましたので、ご存知の方も多いことでしょう。都庁前をスタートし、歌舞伎町・皇居・日比谷公園・東京タワー・JR品川駅・銀座・浅草雷門・佃大橋、そしてゴールが臨海副都心ビッグサイト……とまるで、都内を巡るはとバス観光のようなコース設定のマラソンでした。当日はあいにくの雨ではありましたが、日頃は大量のクルマが行き交う道路を3万人を超す人たちが楽しそうに走り、あるいは歩きます。その様子に私は思わず見入ってしまっていました。

 しかし、大都会東京の幹線道路を何時間も通行止めにして、しかも莫大な人と物を動員してまで行うこの東京マラソン。何故そこまでして開催するのでしょうか。

 それを考える時、「その経済効果は?あるいは経済損失は?」などと野暮なことを言ってはいけません。そんなことを考えるくらいならやらないほうがいい。では、何のために開催したのか。

 日頃はクルマの洪水といわれるほどのおびただしい数のクルマによって我が物顔に占領されてしまっている大都会の道路。それはあたかも人間を締め出しているかのようなです。そんな道路を「これは私たちの道路だ!私たちが造った、私たちのための道路だ!」と、クルマに占拠された道路を一瞬、人間が取り戻すためのセレモニーだったのかもしれません。オーバーに言えば、つかの間、都市を私たち人間の手に取り戻そうとしたのです。そう考えると、参加した人たちの笑顔の意味が分かるような気がしませんか。そしてその笑顔こそが答えではないでしょうか。

来年第2回目が開催されるならあなたも参加してみてください。そしてそのときどう感じたかを教えてください。残念ながら、私は長距離走は苦手なのです。

 

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記念すべき日

2007年02月14日 | インポート

 職員の知り合いの方の伝手で、昨日の午後、さつき園の作業室を会場にしてピアノとバイオリンとフルートの演奏を聴きました。午前中が保護者会だったので保護者も一緒に聴きました。春の曲を何曲か交えて、アンコール曲まで含めるとクラシック、唱歌など全部で8曲の演奏でした。

 さつき園のピアノはずっと以前のいただき物です。たまに利用者が休憩時間などに弾いたりしていますが、本格的な演奏は今回が初めてでした。演奏会をお願いした時「ピアノがさつき園にあればそれを使いましょう」とおっしゃられ、「えーっ!?」と不安になったのですが、調律も何もしないまま、当日を迎えてしまいました。

 ところがところが、間近で聴くピアノ、バイオリン、フルートの迫力のあること。高い作業室の天井に響くこと響くこと。利用者もそれを感じたのでしょう、演奏が終わった時の利用者の拍手の激しさにはこちらのほうが驚きました。

 園長室に戻って、ピアニストの方に「ピアノは長い間調律をしていませんでしたので、たいへんでしたでしょう」と謝りますと、「いえ、私よりもバイオリンやフルートのほうが音が取りにくくて、たいへんだったと思いますよ」と言われました。バイオリンとフルートの奏者の方々も「そうなんですよ」といった表情をされていました。

音楽はハーモニーが大事なんですね。1つの不具合は、ただそれだけの問題では終わらないわけです。

建てられて20年経ったさつき園の作業室で、初めて本物のピアノとバイオリンとフルートが奏でられた昨日は、さつき園にとって記念すべき日になりました。

 

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「セーフティドライブ」

2007年02月09日 | インポート

 さつき園は毎日4方向に利用者の送迎便を運行しています。そして職員の大半は自家用車で通勤しています。ことほど左様に私たちの生活に自動車は欠かせない道具になっています。

 毎年、県警内の「セーフティドライブ・チャレンジ150実行委員会」は“交通マナーアップやまぐち”のキャンペーンの一環として、県内の各企業、事業所を対象に150日間の無事故・無違反コンテスト実施しています。今年度も昨年の7月4日から11月30日の150日間で実施されました。さつき園も職員の安全運転推進のため、そして交通マナー・運転マナーの意識付けのために例年参加しています。

 1チーム5人です。さつき園は今年も3チームを作って参加、チャレンジしました。

昨日、その結果が届きました。情けないことに3チームのうち、5人全員が150日間の無事故・無違反を達成したのは1チームだけでした。他の2チームは期間中に、だれかがどこかで違反をしたのです。参加した各人に結果の証明書を配ると、「実は……」と申し訳なさそうに違反の内容を話し始める職員がいます。一時停止違反やスピード違反など、「これくらいは……」と思っても事故はいつどこで起こるかわかりません。終礼で「くれぐれも安全運転を心がけるように!」と念を押したのは言うまでもありません。

 

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ある施設長さんの話

2007年02月07日 | インポート

 「それまでは職員でやっていた施設内の掃除を、忙しくなってきたので掃除をする人を雇ってやってもらうようになったら、途端に職員は廊下に落ちているゴミも拾わなくなってしまったんです。掃除は私たちの仕事じゃない、ということなんでしょうかねぇ」

 ある施設長さんにお目にかかっときのことです。ご相談する用が済んで、あれこれお話しをしているとそんな話しをされました。

 私は、「なるほど~」と相づちを打って、苦笑いするほかありませんでした。

 似たような話しをよく耳にします。

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教育と福祉、そして自然

2007年02月06日 | インポート

 私があれこれいう立場にはないのですが、日本の学校教育の世界が荒れています。親が……、地域が……、教育委員会が……、学校が……と連日、新聞、テレビ、ラジオなどで報道され、様々な人によって様々に論評されています。

それはそれで妥当な見解や分析なのかもしれません。が、敢えて述べるならば、私には、私たちが大人も子供も人工物に囲まれる生活に麻痺して、ボタンひとつで望む生活あるいは人生を手にすることが出来ると自惚れて、自然を畏れなくなってきているからだと思われるのですが、いかがでしょうか。例えば、私たちは簡単にハエや蚊を殺しますが、私たち人間にハエや蚊を作ることなど出来ないのです。

体罰をどう定義しようと、自然を畏れる感性を学齢期に達する頃から教え込めないとしたら、その後の学校教育は不毛のままではないでしょうか。

そして福祉は、自然を受け容れるところから始まるのです。

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コーヒータイム

2007年02月03日 | 日記・エッセイ・コラム

 土曜通所日の今日は節分です。立春を明日に控えているとはいうものの、2,3日前から寒い日が続いています。春は名のみの……であります。

 午後の作業の休憩時間、あまり寒いので、いつものお茶ではなくあったかいコーヒーなどを栄養士が利用者に用意してくれました。作業を一段落させて利用者が食堂に集まってきます。園長室の前を通りがけに「園長さん、コーヒー飲まんの?」と誘ってくれます。ちょうど込み入った手紙文を書いている途中だったので、「うん、ありがとう。これが出来たら行くよ」と応えました。

 そのうち休憩時間も終わって、利用者は作業に戻りました。あとで栄養士が言うには「『もう休憩時間は終わり。さあ、作業に行こう』とみんなで声を掛け合って、作業に戻って行かれました」とのこと。寒い日の午後の、温かいコーヒータイムでのうれしい出来事でした。

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実習生

2007年02月02日 | 日記・エッセイ・コラム

 今日で3学期の2週間にわたる二つの養護学校からの実習が終了しました。今回は延べ6人を受け入れました。

さつき園は毎年、養護学校からの実習生を受け入れます。養護学校では高等部になると卒後の進路を考えて、施設や事業所などへのいわゆる校外「実習」体験が始まります。さつき園はこうした養護学校の実習生に限らず、大学や専門学校、高校や中学校からの実習生や体験学習・職場体験などを積極的に受け入れています。もちろんボランティアも大歓迎です。

 理由は簡単です。多くの人にさつき園を知ってもらい、利用者を知ってもらい、知的障害者を知ってもらいたいからです。さつき園の利用者と過ごした何時間か何日か。それは短い時間かもしれないけれど、その体験は当の本人が意識するしないに関わらず、いつかどこかで必ず芽を出す、と信じているからです。そして、誤解を恐れずに言えば、心のしなやかな多くの中高生諸君にさつき園に来てほしいと思うのです。若い、しなやかな感性で、障害者と呼ばれる人たちがいるのがごく自然の人間社会なのだと感じてほしいと思うからです。「そういう若者が大人になると、社会も少しは変わってくるかなぁ」なんて思ってみたりするのです。

 

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雪予報

2007年02月01日 | 日記・エッセイ・コラム

 雪の予報が出ると、利用者の中には落ち着かない人が出てきます。その落ち着かない利用者のあおりを受けて、また落ち着かない人が出てきます。今日はそんな一日でした。 

 「あした雪降るかねぇ」と○○さん。「雪降ったら送迎便は大丈夫ですか?」「降ったらさつき園はお休みですか?」と△△さん。お昼休みの会話です。明日はこの分だとさつき園も雪かもしれない状況が予想されます。雪で休園になるかならないかは利用者ならずとも大きな問題です。

 でも、中には年に何回かしかない雪の予報を何となく楽しんでいる利用者もいるようです。「あした、雪積もるかね。積もったら、さつき園休みじゃね。そしたら、作業もせんでもええね」と、ニコニコしながら話す□□さん。憎めません。

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