このたび周防大島町社会福祉協議会の苦情解決体制における第三者委員への就任を要請され、お受けしました。そして先日、周防大島町社協主催の第三者委員研修会が開かれましたので出席しました。
ところで研修会の内容はともかく、皆さんはこの「苦情解決」という言い方をどう思われますか。「苦情」というと、なにかそこにけんか腰というか、何かしら非難あるいは批判めいた雰囲気を感じませんか。無意識のうちに、俺、文句言う人、お前、文句を聞く人というような対立の関係にはめ込まれていくように感じます。
しかし、皆さん、これを「苦情解決」と言わずに「サービス向上」といったらどうでしょうか。どんな気持ちになりますか。物事に対して前向きに、もっと頑張ろうという気が湧いてきませんか。そして一緒に解決しましょう、という気になりませんか。全国の福祉施設の中には「苦情解決委員会」と呼ばずに、「サービス向上委員会」と呼んでいる施設もあるのです。苦情解決体制の整備は国が法律で示したのですが、机の上でしか福祉を考えないお役人は、「苦情解決」という言い方がどんなに現場をギスギスさせるかなんてことには考えが及ばないのです。「サービス向上」のための提言、そういう言い方こそ、言うほうと言われるほうのお互いが望むところなのです。
それは、例えば、さつき園に通所してきて朝から大声で興奮気味に話す○○さんに対して「○○さん、朝からうるさいよ。静かにしんさい!」と言うか、「○○さんは朝から元気がいいねぇ!何かえぇことがあったんかな?」と言うかの違いに似ています。ものの言い方をほんの少し前向きに言うように心がけると、みんなに元気が出て、気持ちがほぐれ、明るく楽しくなるのです。そして、それも福祉なのです。