先日、「ご本人の思いへのアプローチ ~意思決定支援と医療同意~」をテーマとした研修会に、主催する団体の関係者として出席しました。
意思決定支援:この人は、彼は、彼女は、どう思っているのか?何をどうしたいのか?を理解し、その実現に向かって現実を整える手助けをすること。(古川)
当日参加しての感想は、テーマに関するあるべき方向を示した文言は幾度となく目にしますが、それはいかにも抽象的で、では支援者としては具体的には何をどうすればいいのかが判然とせず、何とも物足りないものでした。以下に、当日配付の講師資料から、「意思決定支援」に関するそれらの文言をご紹介します。
・障害者等の意思決定の支援に配慮するとともに……
・……、常に障害者等の立場に立って効果的に行うように努めなければならない。
・障害者の意思を尊重した質の高いサービスの提供
・可能な限り本人が自ら意思決定できるよう支援すること。
・……、支援を尽くしても本人の意思及び選好の推定が困難な場合には、最後の手段として本人の最善の利益を検討すること。
・(支援チームの)メンバーが他のメンバーの役割を理解し、相互に尊重する姿勢を有する。
・メンバーが会議参加にあたり、入念な準備を行っている。
・事業者は、……利用者の意思決定の支援に配慮するよう努めなければならない。
・……適切な支援内容の検討をしなければならない。
・……、当該利用者の意思及び選好並びに判断能力等について丁寧に把握しなければならない。
・……、適切に利用者への意思決定支援が行われるよう努めなければならない。
などとあり、最後のほうの結論ではないかと思われる個所の文章では、以下のように述べられている。
・……、意思決定支援を進めるうえでは、フォーマル/インフォーマル両者の資源の充実を当時に進めていく必要がある。また、社会資源の充実に向けて、自立支援協議会の活性化が求められる。
今、ここにアンダーラインを引いて示した言葉にはどれも何のことか、私たちは何をすればいいのかが具体的には示されてはいません。
配慮する? 効果的に? 尊重した? 可能な限り? 尽くしても? 最善の利益? 尊重する姿勢? 入念な? 適切な? 丁寧に? 資源の充実を? 活性化? って、それぞれどういうことなのでしょうか?
というように、障害者に関する具体的な意思決定支援の在り方については不明だったのです。ですので、それは今のところ、意思決定支援に関わる支援者個々人の考え、判断、経験則等に依るもの? いえ、ひょっとして極論すれば、支援者それぞれの好みに依るものと言えるのかもしれません。
ここで突然ですが、皆さんに是非、以前のこのブログの『令和4年1月13日(木)付のブログ「実事求是」への共感』をお読みいただければと思います。
私は、誠に僭越で、おこがましいことですが、その『「実事求是」への共感』に、本日の「障害者の意思決定支援」の在り方を考える時のあるヒント、あるいは具体性があるのではないかと思ってみたりもしているのです。
私たちは、障害者の意思の在りよう、その実現について、もっともっと真剣に取組まねばならないと思います。
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