未熟者

2008年12月25日 | 日記・エッセイ・コラム

ビンや缶や箱のふたをしっかりと閉める。ドアは静かに開け閉めする。トイレのスリッパはきちんと揃えて脱ぐ。あいさつ言葉は相手の目を見て言う。ゴミはできるだけ嵩(かさ)を小さくして、ゴミ箱へ捨てる。道具はていねいに使う。使った道具や備品は元の場所へ戻す。受話器はていねいに置く。物を壊したら直す。せきやくしゃみをするときは手のひらで口元を覆う、新聞はきちんとたたむ、……などなど。

これらはすべて他人を意識することから生まれる動作です。他人を意識せずに動作しているうちは、つまり自分の動作が客観的に見えていないうちは、社会人として未熟者と言われても仕方ありません。

私たちは日常のこんな些細な動作をいくつもいくつも積み重ねる中で、社会の中で他人との信頼関係を作り上げていきます。働くとは他人のために己の心身を活動させることです。

さつき園の利用者は、朝通所して来ると、ちゃんと私たちの顔を見て目を見て、大きな声で「お早う!」「お早うございます!」と言います。それを聞くと、いかに未熟者の園長でも『今日も頑張ろう!』と思うのです。利用者に働かせてもらっています。利用者に働く意味を教わっています。

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