佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

人間行動学の基礎34――ノーベル賞受賞決定に益川さん

2008-10-08 10:45:14 | 人間行動学
今朝のニュースで、ノーベル賞をお三方が受賞されたそうです。おめでとうございます。

特に、私は益川さんのコメントに注目しました。以下は長くなりますが、時事通信社 2008年10月8日0時33分 の記事です。


 「(受賞は)大してうれしくない。研究者仲間から『正解だったよ』と言ってもらうのがうれしい」-。京都産業大で記者会見に臨んだ益川敏英さん(68)は「理論屋」らしく、小難しい顔で受賞決定について分析した。

 論文発表から実に35年後の吉報に「人ごと。(受賞の)可能性があるとしたら今年だと思っていた」と話し、「われわれが言ったことが正しいことが分かったのは、2002、03年の実験。あとは社会的お祭り騒ぎだけ」と冷静な口ぶり。

 ただ、共同受賞した小林誠さん(64)と会見中に電話した時は笑みがこぼれた。「おめでとう」と言う小林さんに「ああそうですね」と応じた。

 発表直後の会見では開口一番、「南部先生に取っていただいたことが一番うれしい」と共同受賞者の南部陽一郎さん(87)の名を繰り返した。



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もうひとつ私が益川さんのことで印象に残ったのが、テレビのニュースで見たのですが、手を天井に突き上げて万歳のポーズをしながら、「うれしい(万歳のようなこと)、なんてやりませんよ」と渋い顔で言っていたことです。
 
 万歳をしながら、顔は渋い顔。万歳のポーズをするまでもないことなのに、あえて万歳を渋い顔でしてみせる。妙に子供じみたことをする人だなあ、と思いました。
 

名誉をいやがるのは上下型です。実は毀誉褒貶に非常にうるさい人なのですが、賞をもらったりすることを非常にいやがる。

世間に知られるのをいやがる。ですから何かやろうとするときは「世間の評判にかかわらず○○しよう」と言ったりする。世間の評判を気にしていることを悟られまいとするのです。ここに人間の独特の心理が隠されている。

詳しい説明は拙著『人間行動学の基礎(電子ブック版)』をお読みください。

ところで、上下型には2種類ある。1種と2種がある。

益川さんの場合は、どうも2種のようです。

今朝の新聞各紙に若い頃(27才くらい)の写真が出ていました。湯川秀樹博士(右端)ら4人で並んでいる写真が出ておりましたが、左から二人目が益川さんです。



この写真を見ると、2種の典型です。

首がまっすくで、かつ細い。あごがそげたような三角の顔。そして、恥骨を前に出して後屈している(上半身を後ろに反らしている)。

ところで、益川さんは上の写真を見るとわかるように、お年をとられるにつれて丸くなっておられますね。ですから3種が混じっているのかもしれません。

ただの上下でしたら、受賞はあくまで人ごとのような態度に終始するでしょう。ところが、益川さんはわざわざ「万歳のポーズ」をしながら「つまらんことだ」という顔をしておられる。

この万歳のポーズが上下型には余計だと思うんです。そこに何か、たとえば3種が混じっているのではなかろうか。ちょっと子供っぽい仕草に感じられたのはそのためではないでしょうか。
 
 


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