佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

組織行動学1――奇妙な伝動戦略

2008-10-10 09:36:23 | 組織行動学
今国会は冒頭からへんなことが起きています。

代表質問では、麻生総理が民主党を目の敵にした質問をしました。異例のことのようです。

これに対して民主党の小沢さんは、その質問にはストレートに答えず、政策を中心に述べています。

どっちが総理の話かと首を傾げた人も多かった。

さて、またいま奇妙なことが起きています。

民主党はさっさとインド洋の給油法案を採決しようとしています。自民党の方がもっと審議しようや、といっているようです。

去年の態度とは両党とも正反対です。

ふつうなら野党の方が対立軸を設けてそれを責めようとする。それに対して、与党の方はそれを「適当に?」いなしてさっさと法案を通そうとする。

それがまったく逆なんですから、不思議です。

「対立軸を責めない」というのは私の『伝動戦略』の骨子です。特に自分が苦手とする対立軸については徹底的に無視するというのが、伝動戦略です。

そして、別のもっと有効な面、しかもそれは意外な面から責める、というのが伝動戦略です。

この戦略はいろいろな歴史事例を観察して考えたもので、有力な戦略、応用範囲の広い戦略だと私は思っています。興味のある人は私の本を読んでみてください。

ただ、いまこの本はアマゾンでは3週間くらいかかるようです。ヤフーとかセブンイレブンならもっと早そうです。こちらは東販系なのかどうかしりませんが、東販のe-honでも数日で入手できます。これに対して日販系のオンライン書店は時間がかかるようです。

話は今国会に戻りますが、民主党は防衛問題というかテロ法案というか、こういうものは話題にしないようにしているらしい。つまり、これをあえて対立軸にしないように避けているように見えるのです。

この面は麻生さんの得意分野のようですから、あえてそういうところでは戦わないという方針のようです。

麻生さんという方は、争点があると力を発揮できる人だと私は思っています。(この点については、新刊(電子ブック版)『人間行動学の基礎』をお読みいただけばよくおわかりいただけるでしょう)。

ですから、その争点をつぶしていく。受けつぶし戦略とでもいうのでしょうか、小沢戦略というのは。かつての大山将棋のようなことをなさろうとしているのでしょうかね。これは私の邪推かもしれませんが。

どちらが主導権をとって、自分の得意分野に引きずり込めるか、そういう駆け引きをいま両党は行っているのでしょう。


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