佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

サムライ・ニューディールのすすめ

2009-01-27 09:50:52 | 人間行動学
景気の悪いニュースが新聞紙面を飾っています。輸出は当面沈滞するでしょうから、ここは政治家さんに頑張ってもらって、内需を喚起しないといけないでしょう。

アメリカではオバマ大統領がグリーン・ニューディールとかで、環境などの産業を育成させるために大判振る舞いするらしい。

それにしても、世の中の知識人と呼ばれる人たち、官僚、政治家、エコノミストなどは、見通しが悪い。

今頃になって、太陽電池だなどといっています。

私は十年以上前から、2010年になったら誰の目にも太陽電池・太陽光発電が脚光を浴びると唱えてきました。本にも書きましたし、このブログでも再三書いてきたのはご承知のとおりです。

なぜ、そう考えたかといったら、太陽電池は半導体と同じようなものだからです。この主の製品は量産効果がものすごく働くきますからね。

だから、生産量が増えたらコストがどんどん下がって、現在の家庭電力料金に並ぶのはそんなに難しいことではないと思っていました。

ところが、数年前のことですが、桝添さんなんか、テレビで「原子力発電のコストは安いからこれでいくしかない」などと発言していましたね。あれを聞いてガッカリ。見通しがきかないんだなあ。

経産省の人たちも以前は、家に太陽発電システムを取り付けると補助をしてくれた。ところが、二年前だったか、突然補助政策を取りやめてしまいました。そのすぐあとに石油が急騰して、あわてて補助制度を復活させました。

まったく、信念のない人たちです。これは単に経済上の問題ではないのです。安全保障にかかわっている。官僚だったら当然そこは考えるべきなのに、情けないったらありゃしない。

太陽発電のよいところは、クリーンさだけではないのです。安全保障上の問題とからむのです。

紛争の巣窟である中東の政治情勢に左右されずにすむようになるということ。また、ロシアや中国の石油政策にも左右されずにすむようになるということです。

私の発想は、いつも経済だけじゃないんだ。まあ、ようやく私のいっていることが世の中でもわかりつつあるようですから、10年間待っていたかいがありました。

みんなもっと頭がよければ楽なんですがねえ。「何をバカなことをいうんだ」なんてけなされることもなくなるんだが……。

さて、話を内需喚起に戻しますが、識者たちは技術開発だとか、竹中さんのように相変わらず構造改革だとか申しております。

小泉ー竹中の構造改革路線については、私は苦々しく思っている。こんな手法は前世期の遺物だ。改革ではなく、しょせんは効率改善くらいのものだと思っています。

それが証拠に、弱者ほど痛みがひどくて泣いているではないか。自民党の凋落原因のひとつがこれでしょう。

経済効率だけでシステムの改変を考えるとこうなってしまうのだと思いますよ。ヒューマニズム、人間性、私の言葉でいえば人間行動学で考えないといけないと思っています。

人間の能力がもっとも発揮されるのは、いうまでもなく自発的に行動しているときです。これが私の人間行動学の基本にある概念です。

あなただって、上司からあれやれこれやれといわれて、自分の意見が用いられなければ、だんだん仕事がイヤになってやる気がなくなるでしょう。

組織も同じです。いまの日本は中央官庁がすべてを指揮している。お金を中央に一括して集めて地方に配分するわけですから、地方はどれだけ中央からお金をもってこれるかだけしか考えない。そういう仕組みになっているんだから仕方ないんです。

官僚は地方自治体の行動を支配しているだけでなく、自民党政治家のトップすら支配している。

特に財務省ですね。力が大きいのは。金が足りないから消費税を上げろと総理大臣を洗脳する。しかし、行政改革して無駄を省くのは自分の管轄じゃないと知らん顔。

役人に踊らされる首相や財務担当の大臣たちも情けない。

話を地方行政に戻しますが、だいたい中央官僚がまったく土地勘のない北海道に使うようなことは無駄が多くなって当たり前でしょう。

ましてや、中央官僚の組織維持が目的で、もはや必要もないダムを造るなんて。土建屋さんには必要かもしれませんが。

いま問題になっている定額給付金だって、全国一律に配給されるわけでしょう。あの金を福祉対策や雇用対策に使えればと思っている地方公共団体はいっぱいあると思いますよ。

どうしてもここは道州制にして、地方は自分の裁量で必要なところに金をまわして、地方独自で生きていくようにする時代だと思うのです。

地方にとっては自分の頭で考えなければなりませんからたいへんですが、やる気のある人はおおぜいいるでしょうから、いまより地方が、そして日本全体が活性化するのは間違いない。

そもそも、国家予算というのは一般会計と特別会計を合わせれば250兆円になります。道州制にすれば、国が地方に一律にばらまくやり方の愚かさがはっきりわかります。おそらく無駄使いが白日のもとにさらされて、数十兆円単位で削減されると私は推理します。

このぶんがそっくり内需にまわれば、内需が喚起されないわけがない。もちろん、地方は自発性を発揮して、自分にふさわしい経済開発を行います。お仕着せの開発はなくなる。

そうなると、お金の流れ、人の流れ、情報の流れも変わってくる。つまりライフスタイルが変わってくるわけです。

だいたい需要を喚起するいちばんの決め手はライフスタイルの変化だと私は思っています。

ですから、経済的にみても、道州制にはとんでもない経済効果をうむと私は予想しています。

ただ、ここのところは誰もいわないんだな。無駄な税金がなくなり、行政の効率がよくなるとはいいますが、経済効果についてはあまり聞きません。いや、私が知らないだけなのかもしれませんが、それならもっと宣伝すべきです。

自発性の発揮に対する力、効果を信じている人にはすぐわかる話なのですが、そうでない人にはわからないかもしれませんねえ。

いま私がこんなことをいっていても、バカなやつだと思われるだけかもしれません。「日本人は長いものには巻かれろ」という人種なんだ、といったりしてねえ。

太陽発電と同じで、いまから10年くらいたてば、「佐藤のいっていたことは正しかった」といわれるかもしれませんが。しかし、ともかくそっちに動かさないといけないと私は思っている。

というわけで、私はオバマさんの向こうを張り、道州制を中心とする「サムライ・ニューディール」を主張いたします。

なぜ、サムライかというと日本人だからというのと、明治維新の中央集権を改めたいからです。

まさか江戸時代のサムライの時代に戻れというわけではありませんが、廃藩置県の逆をいきたいわけです。そこで「サムライ・ニューディール」と名付けました。



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