説明を始める前に、次のクイズに答えていただこう。
警察官がマンション荒らしの現場で、「手口」を調べるのはなぜか?
マンション荒らしといっても、夜中に侵入する者もいるし、白昼堂々と押し入る者もいる。また、現金だけを盗む者もいれば、運転免許証や保険証のような身分証明書を狙う者もいる。
けれども、一人ひとりを見れば、彼らはいつも同じようなやり方で侵入し、同じようなものを狙うようである。彼ら . . . 本文を読む
人間行動学のアプローチでは、上司がどういう行動基準や感受性をもっているかを把握することが第一歩になる。
能力のあるワンマン上司の場合であれば、たとえば、情にあついタイプか非常に合理的で利害損失にうるさいタイプかを考える。ちなみに、人間行動学では、この二つはいずれも代表的な行動基準なのである。
情にあついワンマンタイプ(実は江夏投手はこのタイプである)は、懐に飛び込んでくる者をとても大事に . . . 本文を読む
人間行動学のアプローチでは、上司がどういう行動基準や感受性をもっているかを把握することが第一歩になる。
能力のあるワンマン上司の場合であれば、たとえば、情にあついタイプか非常に合理的で利害損失にうるさいタイプかを考える。
ちなみに、人間行動学では、この二つはいずれも代表的な行動基準なのである。
情にあついワンマンタイプ(実は江夏投手はこのタイプである)は、懐に飛び込んでくる者をとても大 . . . 本文を読む
野村さんのケースを取上げた理由は、上司として部下を指導するさい人間行動学的アプローチをとることの必要性を示したかったからである。
この人間行動学的アプローチは、実は部下が上司を扱うときにも使えるのである。つまり、リーダーの行動基準に応じて対応することで、部下がリーダーをうまく使えるようになるのだ。
ところで、世の中一般では、そのあたりをどんなふうにしているのか。よく見られるのは、以下のよう . . . 本文を読む
部下をほめない指導者は大勢いる。部下に自分の権力を見せつけようとするようなリーダーもそうだが、要するに彼らは部下と競争しているのであり、リーダーとしての立場をとれていないのである。
そういうのは自分に実力がないことを自覚しているための気張りであって、ここでは論外である。
ではなぜ、野村さんは選手をほめなかったのだろう。彼はその理由についてこんなことを言っている。
①ヘタにほめると、「なん . . . 本文を読む
指導の壁について考えを巡らせるとき、私はときどき楽天球団の前監督野村克也さんの指導法を思い出す。
元来、野村監督という人は選手をほめるのが好きではないようである。
それでも楽天の監督時代にはこれではいかんということか、指導スタイルをかなり変えたようだが、ヤクルトの監督時代はまずほめたりすることはなく、「寸鉄人を刺す」ぐらいに厳しく言ったらしい。
当時、野村監督は試合後の談話で、選手のこ . . . 本文を読む
リーダーがメンバーを指導するさい、一人ひとりの性格や行動の癖を理解しつつ指導することはたいへん望ましいことである。しかし、これは言うは易しだが、実行するのはなかなか難しい。
もし、あなたの部下が何か失敗して、めげていたとしよう。
あなたは彼を認めることで、なんとか彼の元気を取り戻させたいと考えるかもしれない。
ところがそういうとき、あなたは彼に対してどんな言葉を投げかけたらよいかまったく . . . 本文を読む
これまで述べてきたことは、個人の行動を念頭においたものだが、人間には社会的な活動をしているという側面がある。
そのため、人間行動は、組織から受ける圧力にも影響される。そこで、人間行動を観察するうえでは、その人の「立場」について理解することも必要になる。
ただし、ここでひとつ注意がある。
よく人は「相手の立場にたって考えよ」というが、私にいわせれば、これはやや甘い考え方であり、また、たいへ . . . 本文を読む
実は、行動基準のパターンに関しては、よい理論がすでにあって、それを学ぶことでかなりの程度能力アップが期待できるのだ。それについては後ほど触れる。
もちろん、その理論を学んだとしても、漫然と自分のまわりを眺めていてはたいしたことはできない。やはり、人間を観る眼を鍛えないといけない。
環境によって、あるいは立場によって、人間行動は微妙に変化する。そこで、我々に必要になるのが、常に人間を観察す . . . 本文を読む
お釈迦様は相手の教養程度や性格を考えながら「人を見て法を説くこと」ができたとされる。考えてみれば、このような能力こそ指導力の源泉といえるのではないだろうか。
こうした指導ができるためには、リーダーは一人ひとりの個性を的確に分析、評価できる人間理解力が必要になる。そして、それを指導の現場で活用する応用力が求められる。
そこで、「人を見て法を説くことができるようにする」能力をリーダーがつける . . . 本文を読む