世の中には分散戦術と集中戦術というものがあります。それぞれ状況に応じて使いこなせればよいのですが、私は一般の人は、基本的に分散戦術は考えない方がよいように思っています。
分散戦術がいちばん叫ばれるのが投資の分野でしょうか。
個人の資産運用においても、専門家からは分散戦術が当然のように唱えられています。
しかし、どうでしょうか。私は懐疑的です。
基本的な資産の分散については私も賛成です。資産を、不動産とキャッシュと投資商品に分ける三分割は正しいでしょう。
簡単に首が切られる時代には、家は持っていたいものです。家があり借金がなければ、しばらくもちこたえられますから。
ただ、これ資産運用の果実を土地家屋に振り分けたということであって、投資方針というわけではないのではないでしょうか。
それに不動産に投資しても、これからは従来のようにリターンが得られるかどうかわかりませんからね。
話を資産運用に限定しましょう。
分散戦術の例として、運用資産を外国為替、国内投資商品(主に国内株)、金、それにキャッシュに分けろ、というのはよく聞かれるアドバイスではないでしょうか。
これは大金持ちに対する(まずい)アドバイスでしかないと思いますね。
そもそも、分散できるほど金がある個人投資家は少ないでしょう。これが第一の理由。
第二は、素人には資産運用を研究する時間がそんなにない、ということです。資産運用に成功するためにはやはり研究というか勉強が必要です。
しかし、一般のサラリーマンが為替や国内株などを全部勉強しようとするのは無謀です。あまりにも範囲が広すぎます。
それで、研究不足で分散投資をするとどうなるか。
これが第三の理由ですが、「よくわからないものに分散しても、それはリスクを分散したことにならない」のです。これが私がいちばんいいたいことです。
これは私の電子ブック『人間行動学の基礎』や『人間行動学シリーズ1』で紹介している「探検家スコット」のケースそのものなのです。
スコットは、南極探検の運送手段として、犬ぞり、雪上車、馬をもっていきました。しかし、実際には、どれがベストか自信が持てなかったため、全部もっていき、どれも中途半端になったのです。
そもそも外国為替を行う素人など、私には無謀としか思えません。まあ、これは私の個人的感想ですから、そう思わない人もいるでしょう。それはそれでいいと思います。
ただ、なぜ私がそう思うかというと、為替市場の最大の参加者は各国政府だからです。通常は、政府が相場を維持しようと思えばそうなってしまう。
政府に対して相場をはるなんぞは、とても勝ち目がないように私には思えてしまう。しかも、政府といっても、やや間抜けな日本政府だけでなく、老獪なアメリカや欧州などの政府の顔色もうかがわないといけない。だから、私は為替には手をだしません。
個人投資家にとっていちばん簡単なのは国内株式だと思います。景気のよいときは上がりますし、だめなときは下がる。それだけですからね。単純ですよ。
しかも、銘柄を分散してもあまり意味がない。景気がよければだいたいどんな株でも上がるんです。
話を分散戦術に戻しますが、私の知る限りもっともこの戦術をうまくつかっていたのは、弥生人です。
彼らの田んぼを調べると、いろいろな雑穀がまかれていた。これは、冷害がきても強い品種とか、ある種の病気に強い品種とか、いろいろ混ぜて育てていたということです。
この分散戦術が妥当なのは、どのようなリスク(天災や病気など)が起こりうるかを知っていて、それにふさわしい雑穀を用意しているからです。
よくわからない為替や株式をでたらめに買いまくり、それについて「分散して買ったんだ」ともっともらしく威張るような図々しさを、謙虚な弥生人はもちあわせておりませんでした。
分散戦術がいちばん叫ばれるのが投資の分野でしょうか。
個人の資産運用においても、専門家からは分散戦術が当然のように唱えられています。
しかし、どうでしょうか。私は懐疑的です。
基本的な資産の分散については私も賛成です。資産を、不動産とキャッシュと投資商品に分ける三分割は正しいでしょう。
簡単に首が切られる時代には、家は持っていたいものです。家があり借金がなければ、しばらくもちこたえられますから。
ただ、これ資産運用の果実を土地家屋に振り分けたということであって、投資方針というわけではないのではないでしょうか。
それに不動産に投資しても、これからは従来のようにリターンが得られるかどうかわかりませんからね。
話を資産運用に限定しましょう。
分散戦術の例として、運用資産を外国為替、国内投資商品(主に国内株)、金、それにキャッシュに分けろ、というのはよく聞かれるアドバイスではないでしょうか。
これは大金持ちに対する(まずい)アドバイスでしかないと思いますね。
そもそも、分散できるほど金がある個人投資家は少ないでしょう。これが第一の理由。
第二は、素人には資産運用を研究する時間がそんなにない、ということです。資産運用に成功するためにはやはり研究というか勉強が必要です。
しかし、一般のサラリーマンが為替や国内株などを全部勉強しようとするのは無謀です。あまりにも範囲が広すぎます。
それで、研究不足で分散投資をするとどうなるか。
これが第三の理由ですが、「よくわからないものに分散しても、それはリスクを分散したことにならない」のです。これが私がいちばんいいたいことです。
これは私の電子ブック『人間行動学の基礎』や『人間行動学シリーズ1』で紹介している「探検家スコット」のケースそのものなのです。
スコットは、南極探検の運送手段として、犬ぞり、雪上車、馬をもっていきました。しかし、実際には、どれがベストか自信が持てなかったため、全部もっていき、どれも中途半端になったのです。
そもそも外国為替を行う素人など、私には無謀としか思えません。まあ、これは私の個人的感想ですから、そう思わない人もいるでしょう。それはそれでいいと思います。
ただ、なぜ私がそう思うかというと、為替市場の最大の参加者は各国政府だからです。通常は、政府が相場を維持しようと思えばそうなってしまう。
政府に対して相場をはるなんぞは、とても勝ち目がないように私には思えてしまう。しかも、政府といっても、やや間抜けな日本政府だけでなく、老獪なアメリカや欧州などの政府の顔色もうかがわないといけない。だから、私は為替には手をだしません。
個人投資家にとっていちばん簡単なのは国内株式だと思います。景気のよいときは上がりますし、だめなときは下がる。それだけですからね。単純ですよ。
しかも、銘柄を分散してもあまり意味がない。景気がよければだいたいどんな株でも上がるんです。
話を分散戦術に戻しますが、私の知る限りもっともこの戦術をうまくつかっていたのは、弥生人です。
彼らの田んぼを調べると、いろいろな雑穀がまかれていた。これは、冷害がきても強い品種とか、ある種の病気に強い品種とか、いろいろ混ぜて育てていたということです。
この分散戦術が妥当なのは、どのようなリスク(天災や病気など)が起こりうるかを知っていて、それにふさわしい雑穀を用意しているからです。
よくわからない為替や株式をでたらめに買いまくり、それについて「分散して買ったんだ」ともっともらしく威張るような図々しさを、謙虚な弥生人はもちあわせておりませんでした。