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“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

日米首脳会談への評価

2014年04月25日 12時59分01秒 | 臼蔵の呟き

アメリカが世界の警察官の役割を担えないこと。国力の疲弊がその軍事力増強を許せなくしていることは誰もが理解することです。しかし、ずば抜けた軍事費に基づいた軍事力は他国を威圧していることも確かな事実です。

しかし、アメリカの政治経済、軍事力に依拠しようとする政治家、政党にとっては危機感を募らす事態です。自民党政権はだからこそ、集団的自衛権容認が必要だと唱えています。同時に、役割の一部を日本が、自衛隊が担うのだ。とする安倍、自民党政権の弱点は、時代の流れが見えていないこと。理解しようとしていないこと。一見勇ましいことを言うのが、他国との関係で、有利なのだと錯覚している点にあります。

戦争によって国土の割譲を迫ることなどは、21世紀において例外であり、国連を中心とした世界秩序との関係でも多数派、容認されることなどもありません。平和を守り、安定させるために、政治経済関係を相互に理解し、促進できる構造、仕組みの創造こそが主流になっていること。そのために、アメリカが、日本がどのような役割を担い、果たすのかが問われているのではないかと思います。

<北海道新聞社説>日米首脳会談 「力に力」では解決しない。

 安倍晋三首相とオバマ米大統領がきのう会談し、日米の関係強化を目指すことで一致した。両首脳は沖縄県の尖閣諸島に関し、日米安全保障条約に基づく米国の防衛義務を確認した。大統領は日本の集団的自衛権の行使容認に支持を表明した。環太平洋連携協定(TPP)をめぐっては協議を継続し、早期妥結を目指すことで合意した。

 中国の台頭をにらみ、日米が協力してアジア太平洋の秩序をつくる意思を示したと言える。だが根底にあるのは、力には力で対抗する発想だ。目の前にある問題への当面の対策を示したにすぎない。

 必要なのは平和と安定に向けた長期的なビジョンだ。日米関係を複雑な国際関係の中にどう位置づけていくのか。大局的な視点が求められる。

■危機回避の策見えぬ

 海洋進出を強める中国は、領土や主権に関わる「核心的利益」を追求し、軍事費の伸びも著しい。北朝鮮は核・ミサイル開発の手を緩めようとしない。日米連携の重要性は否定できない。

 だが日米の合意内容は、軍事攻撃をあらかじめ想定し、軍事で対抗するものだ。さらなる緊張を招きかねない。そのとき、まず危険にさらされるのは日本国民だ。

 危機回避の具体的構想がないまま、強い態度で相手を刺激するのは場当たり的で無責任だ。

 日米は中国に対し国際社会に責任ある態度で参画するよう促してきた。北朝鮮には国連や6カ国協議を通じて核・ミサイル計画放棄を求めてきた。その外交努力を結実させる方策が見えない。米国は中国と個別に「新しい大国関係」を模索する。軍拡を警戒しつつ、巨大市場への関心は強い。日本をアジア太平洋の「礎石」と重視する一方で、自らの国益に従って行動する意図が見える。

 一方で日中関係は冷え切っている。首相の靖国神社参拝や歴史認識の影響が大きい。米国を後ろ盾にして力で対抗する前に、二国間関係を改善し、対話できる体制を整えるのが先ではないのか。

■TPPは国益死守を

 首相は大統領に「積極的平和主義」を説明し、地域の平和と繁栄に貢献する考えを強調した。

 尖閣防衛に大統領の言質を得たことは首相の狙い通りである。日米防衛協力の重要性を印象づけ、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更に進む構えだ。

 集団的自衛権の行使は必要最小限度の自衛権の範囲を超えるという長年の政府解釈を覆し、憲法の平和主義を根本から揺るがす。米軍と一体化して自衛隊の活動を世界に広げることにつながる。

 首相の視線の先には9条を含む改憲がある。世論調査でも半数以上が反対している政治テーマを、「同盟強化」をテコに推進しようとする態度は許されない。

 日米関係を内政に利用する姿勢は大統領も同じだ。TPPがもたらす輸出や雇用への好影響を国内向けに強調する。対決続きの議会をなだめ、自らの2期目の実績づくりを狙う態度が見て取れる。

 TPPにはアジア太平洋地域の貿易や投資のルールを打ち立て、中国をけん制する狙いがある。そのために農業をはじめとする日本の産業が壊滅的打撃を受けるのでは本末転倒だ。

 衆参両院の委員会は重要5農産物の関税維持を決議した。聖域を死守し、国益に資するのが筋だ。米国の安全保障協力を得るために譲歩することは認められない。

■価値観広げる構想を

 米国は大義なきイラク戦争に各国を巻き込み、リーマン・ショックで世界経済を混乱させた。その反省もなく、今度は「リバランス(再均衡)」でアジアの繁栄に手を伸ばす。身勝手が過ぎないか

 日本は「同盟」の名の下に負担を強いられた。沖縄はその代表格だ。米軍普天間飛行場の辺野古移設は負担軽減につながらない。県外、国外への移設が、本来は首脳間で話し合うべき問題だった。

 「世界の警察官」の座を降りた米国は同盟国への依存を強める。アジア回帰を掲げる一方で、ウクライナやシリアなどをめぐる問題で欧州、中東への関与を続けざるを得ない。力の衰えは隠せない。

 日米連携が機能するために、民主主義、人権、法の支配などの価値観を共有する国際秩序は必要だ。その中に中国や北朝鮮を組み入れて軟着陸させる構想が大事だ。

 首相はこれ以上中国、韓国との関係を悪化させてはならない。

 靖国神社参拝には米国も失望を表明した。日中の争いに巻き込まれることを懸念する世論が背景にある。任期中は参拝しないことを内外に表明する必要があろう。

 首相が胸を張るほど日米関係は良好とは言えない。信頼関係を築くには、近隣国との関係改善を行動で示さなければならない。


TPP交渉からは撤退を

2014年04月25日 10時49分57秒 | 臼蔵の呟き

アメリカの国益を優先する。アメリカの経済を再生したいとするアメリカ政権、経済界の思いはアメリカとしては当然のことです。しかし、その彼らの戦略を貿易相手国がそのまま受け入れることは別の問題です。

今回の首脳会談で、合意、決着がつかないことは正しいし、つくはずもないことはあきらかです。安倍、自民党が公約した聖域なきTPP交渉にも反する関税引き下げ交渉は、自国の一次産業、医療制度、その他の構造を抜本的に変更、改悪し、日本社会をアメリカ社会と同質化させるものです。そのようなことを安倍、自民党政権がなんの権限を持って行うか。その正当性が問われているのだと考えます。

<北海道新聞>北海道農業を守れるか。生産者の危機感

 大詰めの協議が続く環太平洋連携協定(TPP)。牛肉・豚肉、乳製品など重要5農産物の関税の扱い次第で、専業農家の多い北海道が最も大きな打撃を受けかねないだけに、道内の生産者は不安を募らせている。

 「北海道農業を守るには、重要5農産物の関税を守るのが基本だが、(交渉が)どのように進むか不明確。非常に危機感を感じている」。JA北海道中央会の飛田稔章会長は24日夕、札幌市内で記者団に対し、秘密裏に進む交渉に不快感を示した。

 十勝管内芽室町でホルスタイン種と交雑種計約4千頭を肉用に飼育している農業生産法人・大野ファーム社長の大野泰裕さん(49)は、牛肉の関税引き下げが焦点の一つになっているとの報道について「交渉のやり方が、牛肉を差し出す代わりに他の品目を守るという感じだ」と憤る。自給飼料として牧草を作付けしたり、牛が事故死しないよう目配りしたりと経営効率化の取り組みは、TPP交渉に関係なくやってきているが、「既に限界にきている」。

 牛舎の建て替えも考えている釧路市音別町の酪農業、瀬戸賢成さん(37)も、先行きが見えないTPP交渉に「どの程度の投資をすればよいのか、計画を立てるのが難しい」と複雑な思いをにじませる。<北海道新聞>

TPP大筋合意見送り、打開の道筋は確認

 環太平洋連携協定(TPP)をめぐる日米の2国間協議について、甘利明TPP担当相は25日朝、内閣府本府で記者会見し、「進捗(しんちょく)はあるが、大筋合意ではない」と述べ、オバマ大統領の来日に合わせた大筋合意を両国が見送ったことを明らかにした。牛肉・豚肉や乳製品など農産物重要5項目や自動車貿易問題をめぐる日米の隔たりは依然大きく、今後も協議を続けることとした。

 甘利担当相は日米協議の成果として、「重要な懸案について(打開への)道筋を確認した」と述べた。同時に農産物5項目と自動車貿易について「一つとして完全にセットできていない」と指摘した。 


日米首脳会談

2014年04月25日 08時56分14秒 | 臼蔵の呟き

日米首脳会談が終了しました。自国の領土を他国との安全保障条約によらなければ、守ることができないとする安倍、自民党政権の堕落振りが際立ちました。また、一部マスコミは尖閣列島に安全保障条約が適用されるとの大統領の発言は成果であったと「ちょうちん持ち」見解の宣伝に一役買う状況です。

今回の日米首脳会談はアメリカの思惑と安倍、自民党政権とはそもそもすれ違っていたのだと思います。当然と言えば、当然のことです。

アメリカの軍事力に頼り、外交、防衛上の立場を有利にしようとする政治姿勢は世界の政治的潮流から言えば、時代遅れになりつつあります。紛争は話し合いを通じて解決する。今回のオバマ大統領の記者会見でも彼は、その点に触れて見解を述べていました。

歴史改ざん、侵略戦争ではない。靖国参拝は正しいとする軍国主義、排外主義の歴史観が外交上、世界の政治において主流となることはありません。そのことをある意味で証明した日米会談であったともいえます。

<東京新聞社説>

日米首脳会談でオバマ大統領は、沖縄県の尖閣諸島を日米安全保障条約第五条の適用対象だと明言した。中国の海洋進出をけん制する狙いだろうが、対中関係は信頼醸成にこそ、力点を置くべきだ。

 大統領は首脳会談後の記者会見で「日本の施政下にある領土、尖閣も含めて安保条約第五条の適用対象となる」と述べた。尖閣が条約適用の対象だと明言した米大統領はオバマ氏が初めてだという。

 同条約第五条は「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃」に「共通の危険に対処するように行動する」ことを定める。

 尖閣諸島は日本が有効に支配しており、侵攻時に米軍が出動するのは条約上の義務だ。オバマ氏の発言は、当然の内容である。

 にもかかわらず、歴代の米大統領は安保条約の適用対象だと明言することを避けてきた。

 領有権をめぐる二国間対立には関与しないという米国の外交政策に加え、経済などで相互依存関係を強める中国との間で無用な摩擦を起こしたくなかったのだろう。

 オバマ氏はシリアやウクライナ問題で、外交姿勢が弱腰と批判されている。東シナ海や南シナ海での中国による「力による現状変更の試み」はこれ以上許さないと、尖閣問題では強い姿勢を示す必要があると判断したようだ。

 環太平洋連携協定(TPP)交渉で日本の譲歩を引き出すため、安全保障政策を重視する安倍晋三首相に配慮したのかもしれない。

 ただ中国は、尖閣対象発言への反発を強めている。日本と極東地域の平和と安全を守るための安保条約が逆に、地域の緊張を高めることになっては本末転倒だ。

 大統領は尖閣対象発言の一方、首相との会談で「事態がエスカレートし続けるのは正しくない。日中は信頼醸成措置をとるべきだ」との立場を鮮明にした。

 当然のことをあえて確認して中国の反発を招くよりも、どうやって信頼関係を築くのかに知恵を絞った方が建設的だ。

 首相は会談で「集団的自衛権の行使」の容認に向けた検討状況を説明し、大統領は「歓迎し、支持する」と述べたという。

 集団的自衛権の問題は国論を二分する大問題である。米大統領の支持という「外圧」を、憲法改正手続きを無視した「解釈改憲」の正当化に悪用してはならない。

 

日米TPP交渉が異例の決裂=米、中間選挙控え「共同声明」“人質”に強硬姿勢貫く―日本も大誤算

<レコードチャイナ>

25日、環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐる日米交渉は、安倍晋三首相とオバマ米大統領による日米首脳会談とその後の閣僚折衝でも決着がつかず、合意先送りという異例の結末となった。

2014年4月25日、環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐる日米交渉は、安倍晋三首相とオバマ米大統領による日米首脳会談とその後の閣僚折衝でも決着がつかず、合意先送りという異例の結末となった。

その最大の要因はコメ、牛肉、豚肉、砂糖、自動車などをめぐる日米間の主張の隔たりが大きい中で、11月に中間選挙を控える米オバマ政権が強硬姿勢を貫いたためだ。さらに同政権が「大統領貿易促進権限(TPA)」の復活に失敗、対日交渉で妥協すれば議会に否決されてしまう懸念があることも大きかった。日本側も国内の農業団体や自動車業界の反対も大きく、大きく妥協できなかった。

TPPをめぐる交渉で、米国は日本に対し、コメ、牛肉、豚肉、砂糖などの徹底的な市場開放を要求、日本は米国に対し、自動車関税(乗用車2.5%、トラック25%)などの撤廃を求めた。オバマ大統領は24日の記者会見で、「農産品と自動車の市場開放度が制限されている。解決されないといけない。大胆な措置で包括的な合意に達せられると信じている」と強調した。

米オバマ政権は、大統領に強い通商権限を与える「大統領貿易促進権限(TPA)」の復活を議会に求めたが、賛同を得られなかった。このためオバマ政権は大詰めの段階で対日TPP協議が進展させられない。TPAを持たない中で、議会の承認がないまま交渉を詰めてTPPを締結した場合、議会に否決されるリスクが大きいからだ。

TPAは、米国が他国と結んだ通商協定について大統領が議会に修正を許さず、批准に賛成か反対かだけを問える権限。政府が通商交渉を進めやすくなるため「追い越し車線」とも呼ばれるが、相対的に影響力が下がることを嫌った議会の反発により2007年に失効した。

貿易交渉で妥協する権限がなければ、交渉の進展は難しい。ホワイトハウスと議会民主党、共和党は中間選挙を優先し、日本側の全面的な譲歩がなければ、選挙前には議論が割れる難題は回避したいのが実情だ。

24日の日米首脳会談とその後の交渉で、米側は「このままでは共同声明は出せない」と共同声明を人質にとって大幅譲歩を突き付けてきたという。日本側も複雑な国内事情を抱え、米国の強硬要求を受け入れることはできなかった。米国がこれほどまでに強い姿勢を示すことを読み切れなかったのは大誤算といえる。

米政府筋は「日本が主張を取り下げ全面的な譲歩をしない限り、米国は11月の中間選挙までは動けない。議会の議席構成が変わればTPA復活の道も開ける。2015年がTPP合意のチャンスとなる。大統領選挙が行われる2016年に先送りはできない」と指摘している。(取材・編集SK)