“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

核拡散につながる危険性

2014年04月11日 12時51分10秒 | 臼蔵の呟き

原子力発電所は核兵器開発の製造に必要なものとして考案、建設されたのが始まりです。その意味では原子力発電所で使用された核廃棄物から、プルトニウムを取り出し、核爆弾を作ることが出来ます。原子力発電所をもち、稼動させることで必ず、核兵器製造に結びつく条件確保ができることは常識です。紛争を軍事的手段で解決しない、話し合いで解決すること。このような時代の流れに逆行するような事態が想定されます。

特に、中東はイスラエルとパレスチナ問題、イラクの宗教対立、シリアの内戦など現在も、軍事衝突が常態化している地域です。その地域に核兵器保有国が新たに出現することが如何に危険なことかは考えれば分かることです。その要因を作ったのが日本政府、日本企業だとしたら責任を問われても仕方がありません。平和憲法を持ち、戦争をしない国が核兵器の製造技術を輸出することが倫理的に許されないことはあきらかです。

<毎日新聞社説>

日本がトルコ、アラブ首長国連邦(UAE)とそれぞれ結ぶ原子力協定の承認案が衆院で可決され、今国会での承認が確実になった。協定は平和利用に限定して原子力関連機材や技術を提供するための取り決めで、原発輸出の前提条件になる。

 安倍政権は成長戦略の一環として原発輸出に熱心だ。しかし、重大な事故を起こした日本は、輸出に前のめりになるべきではない。衆院では自民、公明、民主党が賛成し、日本維新の会、みんな、結い、共産、生活、社民の各党は反対した。賛成した党からも欠席、退席者が出た。原発輸出に国民的な理解が広がっていないことの反映といえる。

 ところが安倍晋三首相は原発輸出に積極的で、3月にオランダで開かれた核安全保障サミットでも参加国へのトップセールスに努めた。原発1基の事業費は数千億円に達する。政府は2030年までに世界で最大370基の原発新設を見込む。原発輸出が日本経済を支える柱になり得ると見ているわけだ。しかし重大事故が起きた場合、国内企業が巨額の賠償責任を負わされ、経済の足を引っ張るおそれもある。

 首相は「日本は世界一安全な原発の技術を提供できる」と言い切る。本当にそうであれば、輸出によって世界の原発の安全性向上に貢献できる。原発は、天然ガスや石炭などによる火力発電に比べ二酸化炭素の排出量が少ないため、地球温暖化対策にも寄与できるだろう。

 しかしそれは「安全世界一」の前提があってのことだ。福島の原発事故の原因は3年以上たっても不明な点が残る。「安全神話」に寄りかかった拙速な輸出で地球規模に危険を拡散することがあってはならない。

 安全性は立地先の環境に左右される。その意味でとりわけトルコへの輸出には疑問がある。日本同様の地震多発国で、1999年にイスタンブールを含む北西部で発生したマグニチュード7・4の大地震では約1万7000人が死亡した。安全の確保は容易ではないだろう。

 トルコとの協定は、内容にも大きな問題がある。日本の同意を前提に核兵器への転用にもつながるウラン濃縮や再処理を認める規定が盛り込まれているからだ。国会で岸田文雄外相が「日本が認めることはない」と答弁したが、核拡散につながる懸念は拭えない。トルコに限ってなぜこうした規定を認めたのか、納得のいく説明をすべきだ。

 協定の承認は憲法の規定で衆院が優先するため、参院が否決したとしても認められる。輸出は可能になるが、それを急ぐ前に世界の中で日本が果たすべき役割を含め、議論を深める必要がある。


格差拡大はアジア成長物語の汚点

2014年04月11日 10時58分08秒 | 臼蔵の呟き

新自由主義政治経済を信奉する国家、アメリカ、イギリス、ニュージーランド、日本などが貧富の格差拡大が政治経済問題となっています。新自由主義の思想は、富めるものがより多くのもの(富、利益)を総取りすることを正しいとする思想なので当たり前の結果です。また、彼らは自らの裁量、資金、投機により得られた利益には課税することを拒否し、その利益を最大化することを当然視します。その意味では税制による格差是正、富の再分配を否定する支配層です。1%富裕層がますます富を収奪し、富を一人締めとする。

アジアの中国、韓国、インド、インドネシアなどが人口が多いこと、経済成長の対象地域になっていること、労働力が相対的に安いことなどから、アメリカ、日本、EUなどの先進工業国が生産拠点をアジア新興国に急激、大量に移してきました。それらの国の生産力、輸出金額などが拡大することで経済力が強化されてきました。その結果、当然にもそれらの国家の賃金は上昇し、労働者の所得水準が改善され、生活水準も改善されてきました。このことは一部先進工業国が繁栄し、富を収奪したことから見れば、歓迎すべきことでした。

しかし、その一方で、先進工業国の企業は、多国籍企業であり、新自由主義を行動原理を取っているので、これらの企業支配が強まれば強まるほど、先進工業国で問題となる貧富の格差拡大がそれらの国家、政治に現れる関係となっています。この問題をどう考え、それぞれの国家、政府が、対応するかが問われているのだと思います。

先進工業国で問題となる貧富の格差拡大は、社会の不安定要因を作り出し、社会秩序の破壊に行き着くことはあきらかです。また、このことは国民主権、基本的人権を脅かすところまで政治経済の腐敗が進んでいます。脱税、租税回避、消費税率引き上げなどによる国民収奪、失業率の慢性的高止まり、非正規労働者の爆発的な拡大、地球環境の汚染と破壊などです。このような事実に目を向けて、その原因を改善、解決する政治的な対応が要請されているのだと思います。

<FT>

小平は「一部の人をまず先に豊かにさせよう」と言った。小平は中国について語っていたが、アジア全体について話していてもおかしくなった。

 過去20年間、アジアの大半の地域で見られた急成長は貧富の格差を拡大させた。ある開発担当の役人によると、それが中南米との「大いなる収斂」をもたらしているという。アジア開発銀行(ADB)のヴィノッド・トーマス事務局長によれば、南米や中米の多くでは格差が縮小している一方、アジアでは反対方向に向かっている。ジニ指数で測定したアジアの格差は、1990年代から2000年代にかけて毎年約1%のペースで拡大してきた。

 ADBは新たな報告書で、成長が貧困削減、格差、社会福祉に与えてきた影響を調査している。報告書は、成長の原データは、国の業績を評価するうえで、もはや最重要要素としての役割を果たすべきではないと結論付けた。ADBが「成長の包括的パターン」と呼ぶものによってもたらされる「人間の福祉と生活水準の向上」というより幅広い評価尺度も同様に重要だという。

経済成長のペースに追いつかない平均的な生活水準の向上

 アジア太平洋地域の国内総生産(GDP)は、1990年代には年率9%のペースで拡大し、2000年代には8.2%に減速した。だが、平均生活水準は成長ペースに追いつかなかった。1990年代には、家計消費の伸びはGDPよりはるかに鈍く、わずか5.7%だった。

 その結果、GDPに占める消費の割合は地域の大部分で低下した。一般市民は、理論上は自国が生み出している富の多くを享受する機会を逃した。

 確かに急成長は、1日1.25ドル以下(2005年の購買力平価ベース)で暮らすと定義されている「絶対的貧困層」を劇的に減らした。この絶望的な区分に入る人の数は、1990年代の12億3000万人から2000年代に7億9000万人に減少した。中国だけでも、絶対的貧困層の数は、1990年代の5億2000万人(人口の43%)から2000年代には2億3000万人(同17%)に減少した。

 だが、1日2ドル未満で暮らすと定義されている「中程度の貧困」の減少率の記録は、それほど目覚ましいものではない。この区分に入る人の数は、はるかにゆっくりとしか減少しなかった。言い換えれば、成長の多くは、既に暮らし向きが良い人たちのところに向かい、この人たちが群れをさらに引き離すことを可能にしたということだ。

 アジアの経済発展は、1960年代と1970年代にはかなり均等なものだった。それがこの数十年間で、はるかに均等でなくなった。ベトナムやフィリピン(ほとんど状況が大きく悪化しようがない)などいくつかの国では、過去10年間で格差が小さくなっている。

だが、これらの国は例外だ。中国、インド、インドネシアなど最も多くの人口を持つ国では、格差が急速に拡大している。中国では、都市部で生活する人たちと農村部に縛られている人たちの間の格差がその大きな原因だ。対照的にインドでは、都市生活者の間で格差が急速に広がっている。

 また、アジア諸国は、自国が生み出した成長を十分生かしていないようにも見える。中国、インド、インドネシア、フィリピンなど、アジア諸国の約半分では、教育支出がGDP比4%足らずにとどまり、先進国の平均5.2%を下回っている。ADBは、概して保健の成果が経済パフォーマンスに後れを取っていたことも発見した。

各国政府が得られる教訓

 この調査は部分的に、ADB自身に向けられたものだ。報告書は、ADBが経済成長に重点を置き過ぎ、経済発展の効果を広げることについては十分でなかったと結論付けている。だが、各国政府にとっても暗黙の教訓がある。アジアでは格差が明らかに問題であるということだ。

 ピュー・リサーチ・センターの世論調査では、インド人の82%が格差を重要な問題と見なしていることが示された。タイでは、亡命中の元首相、タクシン・チナワット氏の支持者たちは、所得格差から生まれた社会的不公正感によって動かされてきた。一方、マレーシアの積極的差別の法律などの公正性を保つ試みは、また別の社会的傷口を開いている。

 特にインドでは、エコノミストや政策立案者たちが長年、政府は成長を優先すべきか、それとも成長が花開ける社会的条件を改善することに注力すべきかを議論してきた。はるかに貧しいバングラデシュで健康や識字能力が改善し、女性の権利が拡大していることを示す指標は、成長だけでは人々の生活を変えるのに十分でないことを示す証拠として、インドでよく引き合いに出される。

 もちろん、理想は両方が達成されることだ。可能な限り大きな成長を生み出し、そして、それが確実に最大限多くの人に最大の機会を与えるようにすることだ。これは、しばしば政府が提供するのに最も相応しい立場にある公共財――社会基盤と物的インフラ――を提供することを意味する。また、多くのアジア諸国で欠けているもの、つまり、公正で安定した税基盤を作ることを意味する。

 さらにこれは、最高のコネを持っていたり、最も道徳観念が希薄だったりする人たちに便宜が与えられることがないよう、汚職や縁故資本主義を締め出すということも意味する。

 一定の富を再分配することも意味するかもしれない。もっともこれは注意深く狙いを定める必要があるが。インドやインドネシアなど多くの国で好まれるような包括的な補助金は、貧困層よりも中間層や富裕層の助けになることもよくある。

 もちろん、アジアの急成長は貧困削減に驚くべき効果を発揮してきた。急成長はすべての船を浮揚させた。だが、一部の船はまだ、他の船よりずっと浸水しやすいのだ。


東京電力の地下水くみ上げ

2014年04月11日 06時35分56秒 | 臼蔵の呟き

結局は、地下水を太平洋に放出することを前提とした対策が動き出しました。海は日本だけのものではなく、すべての国に関係する自然環境です。その自然を1つの国の企業、政府が勝手に許可(低レベルだから)して汚染する可能性を野放しにすることが正しいのかどうかを考えるべきです。苦しいから、保管が困難だから放出しかないのだとの主張は東京電力、安倍、自民党政権の居直りでしかありません。

その一方で、世界でもっとも高い技術、安全性がある日本の原子力発電装置の輸出促進―――そのような宣伝をしてーーートルコ、中東諸国への売り込みを図っています。日本の電力会社、安倍、自民党政権、原子力関連産業の倫理観のなさはいかんともしがたいレベルにあります。トルコなどでは国民が建設反対で運動し、日本政府などへの中止要請を行っているとも報道されています。普通の国民が考えれば、当たり前のことです。

事故後3年が経過しました。しかし、冷却水の処理、放射性物質の除去、除染など住民が帰還し、居住する上での環境整備がいまだにまともにできないことは本当に異常なことです。これで世界に誇る技術??よく言えたものです。彼らの傲慢さと、ペテン師なみのデマ、宣伝は必ず、今後見抜かれ、断罪されることになると思います。

札幌市の地域で原発反対署名を集めに回りました。その中で、自民党支持だから署名できないという拒否説明がありました。自民党、公明党、民主党、共産党の支持者であるかどうかは関係なく、事故は地域を放射能で汚染し、非難を余儀なくさせます。福島県浜通りの事故と実体は、依然として、理解できないことなのかと考えさせられました。北海道、札幌は泊原発の北東に位置し、北海道電力泊原発が事故を起こせば、即座に放射能に汚染される地域にあります。自治体を、政府を再稼動反対、廃炉に追い込むためにも、住民が先頭に立って、安心、安全の要求を持ち、自治体、政府に求める運動を起こさない限り、彼らは正反対の行動を取り続けるのでしょう。

<報道記事>

福島第1原発の地下水バイパス計画で、東京電力は9日、地下水のくみ上げを開始したと発表した。福島県原発廃炉安全監視協議会は現地の設備を視察し、地下水が一時貯留タンクに送られるルートなどを確認した。
 作業は午前10時半、原子炉建屋西側の井戸12カ所で始まり、午後4時までに計27トンの地下水をくみ上げた。
 今後、第三者機関が放射性物質を測定し、トリチウム濃度が国の基準値(1リットル当たり6万ベクレル)の40分の1の1500ベクレルを下回れば、5月上旬にも海洋放出を始める。
 バイパス計画は1日400トン発生する高濃度汚染水の減量が目的。東電は原発建屋の地下への流入前に地下水をくみ上げ、発生量を50トン減らせると試算している。
 安全監視協議会の視察には県や周辺自治体の担当者、専門家ら24人が参加。4号機原子炉建屋西側の井戸などを見て回った。東電との質疑では、モニタリングなど安全管理の徹底を求める意見が相次いだ。
 東電担当者は「必ず検査結果を公表してから海に放出する。井戸やタンクは完全密閉で外気の汚染に触れることはない」と強調した。
 終了後、県原子力安全対策課の渡辺仁課長は「水質の測定、安全確保が非常に重要。第三者機関のチェック結果などを厳しく監視していく」と話した。