“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

国会の事故調査委員会設置法案と意味

2011年09月30日 14時25分51秒 | 臼蔵の呟き
 前菅内閣が東京電力福島第一原発事故調査委員会を設置し、事故原因を調査しています(はずです)。しかし、その内容は全く公開されず、何をどう調べ、どこに問題があったのかが分からない状態(現時点で)です。国会軽視、国民無視の委員会、姿勢といわざるを得ません。今回の事故で広範囲の地域汚染と地域住民の避難指示、避難で何も罪のない福島県民の生活が破壊されています。その県民に対してこそ謝罪の意味もこめて報告、情報開示すべきと思います。

 今回の国会で国会事故調査委員会設置法案の成立は当然ですし、調査活動が原則公開性で行われる点でも大きな前進と考えます。また、国会が国政調査権を行使し、「黒塗りつぶし資料」の提出などを止めさせることも出来ます。国会が事実調査、国政に関する調査を行い、政治のあり方、法律の制定、改訂に結びつけることが出来ます。

 東京電力のおごり、利益至上主義、安全軽視、市民無視、地震学会の提言無視などを事実調査で分析し明らかにすべきです。また、彼らの事故責任を明らかにして欲しいと思います。(それが今度の事故教訓になることを願って)その過程で経済産業省、資源エネルギー庁、原子力保安院の業界との癒着、原子力委員会、原子力安全委員会の実態(事故回避、安全性の確保責任)を開示して欲しいと思います。それが福島県民、被ばくした方々、風評被害の影響を受けている産業、一次産業などの方々への苦しみ、悔しさ、怒りへの(少しでも)お詫びとなることを念じています。

福島第1原発:審査を原則公開 事故調法案30日成立
 東京電力福島第1原発事故の原因究明に向け、民間有識者でつくる「事故調査委員会」を国会内に設ける法案が30日の参院本会議で可決・成立する。政府も既に「事故調査・検証委員会」(畑村洋太郎委員長)を設置しているが、国政調査権に基づく強制力のある調査と、審査の原則公開で、より信頼性の高い原因究明を目指す。
 委員会は、次期臨時国会中に衆参各10人の国会議員で構成する「両院議院運営委員会合同協議会」とともに発足させる。合同協議会が有識者の委員10人を推薦し、両院議長が任命する。閣僚や政府、電力会社関係者らの参考人招致、資料収集を行い、半年をめどに報告書を取りまとめて公表する。
 国の行政機関、電力会社などが資料請求に応じなかったり、参考人招致を拒まれた場合、委員会は合同協議会に対し、国政調査権に基づいた証人喚問や資料提出も要請できる。
 ただ、政府は6月、菅直人前首相が指名した民間有識者で組織する事故調査・検証委員会を閣議決定で設置済み。そのため民主党は当初、国会への調査委設置について消極的な姿勢を示していた。
 野党側が、国会への調査委設置にこだわったのは「政府内の機関では、行政を検証できない」とみているためだ。国会の調査委を、民主党政権の事故対応批判の場にしたいとの思惑もあった。これに対し民主党は首相や閣僚経験者が連日参考人招致され、「政治ショーに利用される」(民主党幹部)ことを警戒。このため、与野党間で「党派的な立場から、委員会を政治的に利用しない」「参考人の立場、職務に配慮し、調査の頻度などに留意する」と申し合わせた。
 すでに関係者からの意見聴取を進めている政府の調査委との違いは公開性である。27日にあった政府の調査委は非公開だったが、国会の調査委は「公開が基本」とされた。さらに国政調査権の活用で「国会が資料請求に力を貸せる」(民主党幹部)ことも国会の調査委の強みだ。とはいえ、設置目的は政府側とほぼ同じで調査期間も短い。民主党内からは「目的が同じ組織を二つ設置するメリットは少ない」(政務三役経験者)との声も出ており、どこまで独自のメスを入れられるかが課題になる。

泥沼のような除染費用投入

2011年09月30日 09時38分14秒 | 臼蔵の呟き
おはようございます。仙台は薄曇です。気温は比較的高い朝です。秋昆虫の音も聞こえるようになっています。
福島県(以外も含めて)を中心とした除染費用は泥沼のようにかかっています。個人が個人の敷地除染費用などは自己負担して行っているので、これらの費用を合算したらとんでもない費用額になると思います。コンクリートの除染(削り取る)は1㎡3000円くらいが相場とのことです。(除染される会社の見積もり)
東京電力、ゼネコン、重電メーカーはこのような費用に関して、黙して語らずです。彼らのご都合主義と反社会性を如実に示しています。自分たちにとっての利益、利益源だけを確保し、事故処理、費用は「見てみぬ振り」です。御用学者、原子力村の人々も蜜に群がる蟻のような存在です。結局は国民負担となり、汚染され、被ばくし、健康被害を受け、その費用が税金から補填される。--本当に怒り心頭です。



概算要求:除染に1兆数千億円…環境省、4536億円要求
 環境省は29日、東京電力福島第1原発事故による放射性物質の除染や汚染がれきの処理で、少なくとも1兆数千億円の経費がかかるとの見通しを示し、2012年度概算要求に関係費用4536億円を盛り込むことを明らかにした。除染後に発生する汚染土壌や汚染廃棄物の中間貯蔵施設整備費、高濃度汚染地域の対策費用は含まれず、今後さらに数兆円かかる可能性があるという。
 除染と汚染廃棄物処理に関する予算は、他省分を含めて環境省が一括して要求する。来年度分の予算として、除染に3744億円、汚染廃棄物処理に772億円、中間貯蔵施設の調査・検討に20億円を要求する。
 具体的な事業としては、国が直轄で行う除染や汚染土壌の管理、除染実施後の定期的な線量モニタリングに加え、自治体が行う除染活動を支援する。また、中間貯蔵施設については、現地での地形・地質、環境影響に関する調査や汚染廃棄物の容量を減らす技術・手法の検討などを行う。
 除染や廃棄物処理の予算は、来年度要求分以外に、11年度第3次補正予算で2459億円を計上する予定で、さらに12年度中に契約する国庫債務負担行為の13年度負担分として2308億円を確保する。また、政府は11年度第2次補正予算の予備費2200億円を活用することを決めている。

電源開発促進税のこと

2011年09月30日 06時16分16秒 | 蜂助の呟き
 おはようございます。蜂助です。今朝は、原発の是非の話です。

 ヨーロッパでは原発依存をやめようという国が増えています。スイスでも原発の全廃が決定されました。原子力発電所の新規建設禁止と電力の40%をまかなっていた5基の原子力発電所を2034年までに全廃すると決定しました。これは政府方針として出され、国民議会(下院)で承認され、続いて全州議会(上院)でも承認されたものです。

 さらにすばらしいのは、スイス政府のエネルギー相が「原子力は未来のエネルギーモデルではない」とし、エネルギー転換への道は、野心的で困難ではあるが国と経済にとってチャンスでもあるとしています。私の考えにたいへん近い主張でうれしくなりました。

 さて、私の家庭では知らないうちに電源開発促進税という税金を毎月100円以上取られているらしいです。「取られているらしい」とは、自覚が無かったからです。

 電力開発促進税とは、電力消費に比例して課税されている税金で、電力会社は税の部分を電力消費量に比例して電気料金に上乗せしています。税を負担しているのは電力を消費する消費者や企業や電気を使っている団体・自治体などです。2011年度予算では、この電力開発促進税は3460億円で、この税金は原子力発電所のある地元の道県と市町村に支給されているようです。福島県と市町村には2011年度で約146億円が支給されているようです。

 そもそも原子力発電所は「安全」なのだから東京や大阪に作れば良いのですが、本当は「危険」なので人口の少ない「貧しい地方」に建設されてきました。原発事故が起きても、どちらかと言えば損害が少ない「貧しい地方」に作っているのです。そのことを隠蔽するために、賄賂を贈り麻薬中毒患者のようにこの金に依存させるしくみがこの「電力開発促進税」です。

 お金と引き換えに原子力発電所の危険を押し付けるやり方は、もう通用しません。原子力発電所のある地方も、ここからの脱却を目指すべきです。原子力発電所の再稼動によって、このお金で地元の経済を成り立たせようなどという発想は捨てるべきです。原子力発電所からの脱却を目指すための「原発からの独立支援税」なら私は「電力開発促進税」の金額の10倍払っても良いです。とにかく自立しましょう。もう原子力発電所の奴隷になるのはやめましょう。

 

国会の役割と予算委員会議論

2011年09月29日 14時40分59秒 | 臼蔵の呟き
以下は渡辺洋三さんの意見(「日本をどう変えてゆくか」の中の記述)です。
1995年に書かれた記述です。現在の国会運営、予算委員会議論にそのまま当てはまる指摘と提言です。十数年前から変わらず、もっと劣化しているようにさえ見えるのですが。どうでしょうか。


本来の政治改革の重要な課題は、このような官(官僚)優位の議会運営をやめることである。議会が政府(行政)から独立して自ら法案を作る、あるいは、少なくとも官(官僚)が作った法案をコントロールできる立法能力を高めるよう、議会のあり方を根本的に改革する事が急がれる。

議会は演説をする場ではない。長々とした演説はやめること。質疑応答の場でもない。その代わりに筋の通った事実認定と法律論争が時間をかけて論議することが大切である。政府原案だけにもとづいて賛成・反対に終始し、最後は多数決という「数の論理」で押しきるのは、下の下である。これではいつまでたっても「政」の権威は落ち、「官」になめられるだけであろう。


下北半島

2011年09月29日 11時37分51秒 | 臼蔵の呟き
仙台市は薄曇です。

青森県下北半島には超大型原子力発電所、核燃料保管設備が多数立地しています。この地域は周囲が海に囲まれ、住民人口も比較的少ない地域です。(野辺地周辺は人口も多いのですが)。この地域は、青森市からも100kmくらい離れていて、事故があっても県都には被害が簡単には及ばない地域として選定、検討され、該当自治体が受け入れを承諾して建設が進んでいるのだと思います。

森林と農地の中に物々しい警備、フェンスと排煙筒設備、処理工場群が建設されています。道幅の広い道路(避難に備えた)も作られています。周辺には風力発電用の大型風車が何台も設置されています。一大電力供給基地、使用済み核燃料処理基地化しています。原子力発電所が稼動する上で、下北半島は特別の位置、意味を持った地域です。「最終処理地ではない」と政府、該当自治体、各電力会社は言っています。しかし、この地域に使用済み燃料を保管し、最終処分場がない(決まっていない)中で、処理燃料を運び込み、「一時保管」してどうするのでしょうか。ここには非常に大きな「欺瞞」が隠されているのだと思います。

敦賀市長(福井県知事)、佐賀玄海町(佐賀県知事)、北海道泊村(北海道知事)は稼動させたい、稼動させた後の使用済み燃料を下北半島に押し付けていることをどのように感じているのでしょうか?
自分たちは税収、立地補助金をもらい、財政上の受益を受けて、廃棄物の最終責任はない。感じない。こんなことが許されるのでしょうか。
原子力燃料の危険性、原子力エネルギー政策の矛盾、不完全な技術と最終処理が出来ない「未完成技術」を運転、継続することは将来に対して「廃棄物=お荷物」を先送りしているだけではないでしょうか。

福島第1原発:飯舘村 総額3224億円の除染計画公表 東京電力福島第1原発事故で全域が計画的避難区域に指定されている福島県飯舘村は28日、総額3224億円の除染計画を公表した。住環境は約2年、農地は約5年、森林は約20年で終えるとしている。菅野典雄村長が政府の原子力災害現地対策本部の柳沢光美本部長に計画書を提出し、国の予算措置、中間貯蔵施設や最終処分施設の整備方針を速やかに策定するよう要望した。
 内訳は▽宅地等143億円▽農地851億円▽森林368億円▽放射性物質管理費1362億円--など。住宅の追加被ばく線量を年間1ミリシーベルト以下に、農地の土壌中の放射性セシウム濃度を1キロあたり1000ベクレル以下に抑えることを目標にしている。作業で出た放射性廃棄物は村内の国有林にコンクリート製容器に入れて保管。各行政区で除染リーダーを育成する。