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“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

集団的自衛権の容認、解釈改憲に59地方議会の意見書

2014年04月07日 12時58分01秒 | 臼蔵の呟き

世論調査でも反対、59自治体が意見書を採択して、政府、国会に提出することの重要性を考える必要があります。自治体はその議会において意見書を議会において議決しているわけであり、意見書をただ提出したとは異なる政治的意味を持っています。

<報道記事>

  札幌市など少なくとも五十九の市町村議会が昨年九月以降、集団的自衛権の行使を認める解釈改憲に反対するか、慎重な対応を求める意見書を可決し、政府や国会に提出したことが分かった。意見書に法的な拘束力はないものの、国民に身近な地方議会で動きがさらに広がれば、解釈改憲に意欲を示す安倍晋三首相にプレッシャーとなる可能性がある。 

 意見書を可決した市町村議会は長野県の二十七市町村が最も多く、北海道から福岡県まで及んでいる。本紙が三月末時点の状況を調べた。意見書が国会に届き始めたのは昨年九月。首相が行使容認派とされる小松一郎氏を内閣法制局長官に起用した直後だ。

 九月二十七日に可決された福岡県太宰府市議会の意見書は「参院選での与党の勝利を背景に、集団的自衛権の行使を憲法解釈の変更によって容認しようという動きが急速に強まっている」と指摘。国民が求めているのは景気回復であり、解釈改憲は「民意との間にねじれがあることを自覚するべきだ」と主張した。

 青森市議会も同じ日に可決された意見書で、改憲せずに行使を認めれば「憲法九条の有名無実化を決定づける」と強調した。

 意見書の三分の二に当たる約四十件は二~三月に可決された。集団的自衛権の行使容認をにらんだ国家安全保障会議(日本版NSC)設置法や特定秘密保護法が成立した後だ。北海道本別(ほんべつ)町議会は、行使容認は「海外で戦争できる国づくりの第一歩」と批判。東京都小金井市議会も「民主政治の前提である立憲主義を否定する」と訴えた。愛知県扶桑(ふそう)町議会は「日本が攻撃されていなくても武力で協力する集団的自衛権の行使容認は、日本を戦争への道に引き込む」と危機感を示した。

 新潟市議会は「国民的議論なしに憲法解釈の変更がなされないよう強く要望する」と要請。自民党所属の議員が加わる複数の保守会派も賛成した。保守会派の議員は「地方議会にもイデオロギーの違いはあるが、おかしいものはおかしいと思い、野党と足並みをそろえた。安倍政権の動きは、市民の常識では認められないという意思表示だ」と話した。

 全国の市町村数(五日現在)は千七百十八。

<地方議会の意見書> 地方自治法99条に基づき、自治体の議会が公益に関する問題への意見を示す手段として、国会や政府に提出する。議員が案を提出し、本会議で可決した後、議長名で提出する。法律上は提出を受けた機関がその意見に従ったり、回答したりする拘束力はない。


民主主義のルールとは

2014年04月07日 10時59分58秒 | 臼蔵の呟き

多くの国が、議会制民主主義を採用しています。この主張でも論じている民主主義は、話し合いをすること。少数者の意見を尊重すること。結果の検証(総括、反省)をすること。

ところが、日本の衆議院選挙制度は、小選挙区制を採用し、少数者を切り捨て、相対順位で一位の政党、候補者のみが当選するという制度です。したがって、多数者尊重との形式すら満たしていません。このような選挙制度によって議席多数を取ったとしても多数決の原理にも合致していません。また、その議席が選挙区、国民の多数意見をくみ上げていることにもなっていません。

安倍、自公政権は、選挙で衆参多数派政権は選挙で信認されたので何でも出来る。と白紙委任状を貰ったかのような政権運営を強行しています。このような選挙結果、政党、政権が一強であるとした政治は正当性を持っているとはいえません。このことを明らかにしてゆくことが必要です。だからこそ、特定秘密保護法反対、原子力発電所再稼動反対、TPP交渉反対などで多く(世論調査での半数を超える反対意見)の国民が主張している声を無視することは民主主義の最低限のルールから見ても許せるものではありません。

また、民主党政権、安倍自民党政権に共通するのは政治課題の総括、検証を意識的に放棄していることです。福島第一原子力発電所事故の事故調査は政府、国会、民間調査と3つの組織、依頼者によって行われました。しかし、その調査に基づく検証、議論は行われず、たなざらしとなっています。消費税率の引き上げによる景気悪化、税収の落ち込みなども過去において二回経験しているのにも関わらず、そのことの検証、検証結果に基づく他の対応策は検討すらされていません。民主党政権、自民党政権ともに同じです。要は、大企業の経済的な要請を政治課題とするのが彼らの政治的使命であり、その要求に反することは全て切り捨てるのが彼らの政権運営の常套手段になっていることを示しています。彼らには国民利益、国民の権利擁護という思考はないことを示しています。

自民党型政治を転換する以外に解決の方法はないことを示しています。

<東京新聞社説>

 「一強多弱」の政治状況です。多数決を用いれば、「一強」は何でも決められます。でも、民主主義には多数派のおごりを覆すダイナミズムもあります。

 三人が昼食に行こうとしています。Aさんは和食がいいと言い、Bさんは洋食、Cさんは中華を望んでいます。決まりません。

 そこで好む順番を考えました。Aさんは和食、洋食、中華の順。Bさんは洋食、中華、和食。Cさんは中華、和食、洋食の順です。好む順番にそれぞれ三点、二点、一点を与えると、和・洋・中、すべて六点の同数になってしまいます。要するに何を食べるのか、決まらないのです。

◆少数意見に意義がある

 これに似た状態を「コンドルセのパラドックス(逆理)」と呼んでいます。コンドルセは十八世紀のフランスの社会学者で、数学者でもありました。哲学者のルソーと同時代を生きた人です。

 昼食をめぐって、民主主義的な投票をしたわけですが、決めることができない…。でも、きっと三人は話し合って、この日の昼食を決めたことでしょう。重要なポイントは、それぞれ異なる好みや意見を持つ人たちが率直に話し合うことでしょう。民主主義のルールとは、まず第一に話し合いといえます。

 国を動かす一つ一つの政策には、当然、政府とは異なる意見を持つ人々がいます。議論の過程で、少数意見を十分に尊重し、くみ上げることが肝心です。

 一九四八年に旧文部省(現文部科学省)が高校生向けに出した教科書『民主主義』には、次のように書かれています。<民主主義を単なる政治のやり方だと思うのは、まちがいである。民主主義の根本はもっと深いところにある。それは、みんなの心のなかにある。すべての人間を個人として尊厳な価値をもつものとして取り扱おうとする心、それが民主主義の根本精神である>

◆「空疎」と排除するな

 少数意見を押し切らず、交流しあうことが大切です。面倒であっても、熟した議論は避けられません。民主主義を多数決だと思い込んでいる人は、再考すべきです。

 現在使われている教科書『現代社会』(教育出版)の中には、二つの基本原理が書かれています。一つは「全メンバーの承認に基づいて社会を結成すべきであること」、もう一つは「社会の運営にあたって、個人をとことん尊重すべきであること」です。民主主義とは、この二つを同時に実現しようとする企てなのです。

 翻って、安倍晋三首相の政権運営はどうでしょう。

昨年暮れには特定秘密保護法を強行可決しました。集団的自衛権をめぐる憲法解釈の変更でも、強引に閣議決定してしまう可能性が濃厚です。そのための首相の私的諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」は、近いうちに報告書をまとめる予定です。でも、このメンバーは首相の「お友達」といわれる人の名前が並んでいます。

 この点について、安倍首相は国会で「空疎な議論をされている方は排除している」と述べました。空疎な議論をする人とは、どんな人でしょう。おそらく反対意見を持つ人のことではないでしょうか。反対派を排除し、賛成派ばかりで構成する会議の結論は見えています。公正さも、議論の深まりも期待できないでしょう。

 反対意見を「空疎」と断じる政治姿勢は民主主義的とは到底、言えません。

 内閣法制局長官も、首相の意に近い人物を据えました。このような手段には、異論をはさませぬ姑息(こそく)さを覚えます。

 確かに民主主義の手続きには、多数決があります。これが第二のルールでしょう。でも、多数決とは「51対49」の場合もありえます。「49」の意見を無視する冷徹な仕組みでもあるわけです。

 しかも、多数派の意思決定が必ずしも正しいとは限りません。世界史を振り返っても、多数の横暴が民衆を苦しめる結果になったケースはいくらでもあります。

 そのとき、持ち出すべきは、第三のルールである検証だと考えます。多数派がなぜ判断を間違えたのか、きちんと検証すべきなのです。すると、少数派だった意見が、今度は多数派を占めるダイナミックな転換を呼ぶはずです。これが民主主義の醍醐味(だいごみ)でしょう。

◆独裁に走らせぬために

 英国の元首相チャーチルは、次のようなウイットに富んだ演説をしたことがあります。

 <民主主義は最悪の政治形態だ。これまでに試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治形態を除けばだが…>

 少数意見の尊重と検証のルールを怠ると、多数派は多数決を乱発し、独裁に走りかねません。

 

 


憲法9条の擁護と右翼的運動

2014年04月07日 07時25分36秒 | 臼蔵の呟き

自民党が、憲法改正手続き変更を国会で強行しようとしています。自民党の呼びかけに、公明党、民主党、みんなの党、維新などが参加しました。自民党は憲法改正の機運を高めるとして、全国各地で自民党改憲草案の説明会を開催するとして、栃木県で第一回説明会を開催することを発表しています。彼らは、現行憲法を敵視し、天皇制の復活、国民主権の否定、9条の否定と日本軍の創設と明文化、戦争できる国家への改変などを憲法として明文化しようとしています。このような自民党改憲草案は、敗戦後の日本社会を根本から改変することを目的としています。

このような自民党の改憲策動に呼応して、ヘイトスピーチが首都圏を中心として問題となっています。彼らに共通するのは、排外主義、歴史の改ざんをする安倍、自民党政権の動きに呼応して活発化していることです。歴史の事実は1つであり、侵略戦争が自存自衛の戦争であったなどと主張しても国際的に認められるはずはありません。しかし、安倍、自民党政権の歴史改ざん、従軍慰安婦問題の国家関与の否定などを通じて、歴史的事実を否定し、いたずらに韓国、中国国民、政府を刺激し、軋轢を作り出しています。このようなことを続けて、日本が東アジア、世界で生きることができるかどうか考えたら分かるはずです。しかし、彼らの行動は、戦後の世界がドイツ、日本の敗戦、侵略として認定を土台とした国際秩序を根底から否定するものであることを理解すべきです。

おろかな安倍、自民党極右政権が引き起こす政治的反動が、押しとどめることができないくらいに大きな流れにならないような批判、憲法擁護の運動を広げることが必要になっています。

<信濃毎日新聞社説>

 ベビーカーに乗った子どもが日の丸の小旗を持っている。その横で着物姿の若い女性が演説を始めた。「アメリカが1週間で作った憲法。日本が二度と歯向かわないよう骨抜きにした。生ごみは捨てましょう」東京・渋谷。20代から40代ぐらいだろうか。着物、ワンピース、スーツ…。服装もまちまちな女性たちが次々にマイクを握る。

 愛国女性のつどい「花時計」の街頭活動である。動画をインターネットで公開している。ホームページによると4年前に設立。会員は約730人。家事や育児の合間を縫って「護国活動」に取り組んでいる、という。批判は憲法24条にも向く。男女平等は家庭に不和をもたらし、核家族化を進めた。一家の長は夫、妻は内助の功を尽くす。24条は日本の文化にそぐわない―。

 大日本帝国憲法下への回帰を促すような主張が続いた。

   <ますらおの妻のかがみ>

 その時代、女性たちの愛国運動は盛り上がった。満州事変勃発の翌1932年、大阪国防婦人会が発足。やがて、かっぽう着がユニフォームの女性約50万人が参集して全国組織になった。

 発足のきっかけは、ある女性の自殺だった。

 井上千代子は岸和田高等女学校を卒業し、井上清一中尉と結婚した。わずか1年後、井上中尉が満州に出征することになった。出発の前日、千代子は自宅で自害した。夫宛ての遺書には「明日の御出征に先立ち嬉(うれ)しくこの世を去ります…御国の御ために思う存分の働きを遊ばして下さい」としたためてあった。井上中尉は「妻の分まで働く」と予定通り出発した。

 事件は美談に仕立てられる。軍が営んだ葬儀には1500人が会葬し、挽歌(ばんか)が詠じられた。

 ますらをの 妻のかゞみと とこしへに ほまれは高く輝きにけり

 「死の餞別(せんべつ)」は夫の後顧の憂いを断った―と称賛され、映画も上映された。作家の沢地久枝さんは「昭和史のおんな」で事件を書き、位置付けた。戦争に傾斜しようとする時代の趨勢(すうせい)を先取りし、女性のあるべき役割を示唆するのに都合のよい、格好の出来事だった―と。

 千代子の妹の夫は戦死した。「上からしっかりやらんといかんぞと尻をたたかれ、最前線に飛び出した」。死の餞別が兵士を死に追いやったのか。井上中尉は中国で民間人虐殺に関わった可能性もある―と沢地さんは指摘する。現代の愛国も時代を映しているのだろうか。とすればこの先を見通すためにも関心を向けたい。

 花時計のメンバーの一人、40代の主婦は共同通信の取材に活動の動機を語っている。

 長男の出産がきっかけという。育児書には「自尊感情を育むことが大切」とある。だが教育もメディアも「日本という国が尊いとの気持ちを抱かせない」。 太平洋戦争は「自衛の戦争だった」と記した本に出合い「息子に正しい歴史認識を教えなければ」と考えた。竹島や尖閣諸島問題は「やられっぱなしでは相手がつけあがる。私たちは子どもたちのために戦っている」という。

 花時計の街頭活動では従軍慰安婦問題も頻繁に取り上げる。

 「従軍慰安婦なんてうそ。(彼女たちは)お金がほしいだけ。日本のために戦った日本人を信じてやれなくてどうするの」 韓国・朝鮮人への敵意むき出しの言葉も口をついて出る。

 在日コリアンが住む東京・新大久保などで在日特権を許さない市民の会(在特会)が呼び掛けて繰り返されたデモ。ヘイトスピーチ(憎悪発言)が問題になったが、ここに参加した会員もいる。

   <魔法使いの弟子>

 安倍晋三首相は「美しい国、日本」「強い日本」を取り戻すと訴えている。 地域社会の崩壊、弱まる家族の絆、揺らぐ雇用…。足場を失った社会で「国家」や「日本人」の価値は力を持つ。引き寄せられた人々が安倍政権を後押しする。

 魔法を修行している弟子が自分の呼び出した魔法のほうきを止められなくなる―。ゲーテの詩「魔法使いの弟子」にある。

 政治家は古今東西、ナショナリズムを動員した。結果、予期した規模を超える運動現象が起き、歯止めが利かなくなった。東京大法学部の塩川伸明教授の「民族とネイション」に詳しい。魔法のほうきは国民が国家にすがるほど、勢いが止まらない。足元の地域をよりどころにし、多様な人とつながる。そこから寛容の知恵を見つけたい。排外主義の虜(とりこ)にだけはなるまい。