君とともに生き、君とともに逝くのならば、僕は君の為に生きよう。

真城灯火の小説ブログです。
二次小説とオリジナル小説の置き場となっています。
同人に傾いているので入室注意★

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☆入室ありがとうございます☆ PN:真城灯火です。 『小説家になろう』で書いています。「なろう」で書いている小説も転載させていますが、ここはアニメ「地球へ…」の二次小説置き場です。本編の『君がいる幸せ』は終了しています。今は続編の『限りある永遠』を連載中です☆まずは、カテゴリーの「はじめに」と「目次」「年表」で(設定やR指定について等…)ご確認の上、お進み下さい。 ブログタイトルですが、これの「君」は自分自身、心の事で、「僕」は自分の身体の事です。 自分の心がそうであるなら、自分はそれに従う覚悟を意味しています。 だから、ジョミーや誰かが一方的に誰かに…って意味ではありません。(小説停滞中) 2021年に、他にあるブログを統合させたので、日常の駄文とゲームの話が混ざった状態になっています。

『君がいる幸せ』 Artemisia編 番外 「夢の続き 雪月花」(前編)

2012-09-05 02:35:20 | 『君がいる幸せ』Artemisia編 夢の在り処
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。

   『君がいる幸せ』 Artemisia編 番外「夢の続き 雪月花」(前編)

※話に絡んでいない。全くの番外です;
 先日、ブルームーンだなぁ~と思っていたら…なんか、急に書きたくなって…
 閑話として挟むような内容でもなく、挟む場所もなく、
 六話「真実」から展開が変わるのでここで入れてみました。
 はい。
 恋愛要素が全然ないので、恋ばなが書きたくなっただけです;
 でも、どうも思っていたより長くなりそうな感じになってきました。
 ステーションで一章。
 次回の七話「襲撃」以降は戦闘シーンになるから、
 少し時間を下さい。
 その間、この番外の閑話を楽しんで頂ければ幸いです。

 深く考えないで一気に書いたので本筋と違うかも。。汗
 あ、書き忘れましたが、ギャグ風味のちょいBLです。
 それでは、どうぞ。


  「夢の続き 雪月花」(前編)
※時間軸 本編『君がいる幸せ』 惑星メサイア襲撃事件後

 白く淡い意識体、それは、人の思いの残り火
 僕はそんな存在だった…
 でも、それでも、まだ…側に居たいと…思う。

「で?だからって、何故、俺の所に来る?」
 僕の目の前には不機嫌を通り越して怒っている男がいた。
 彼の名は、キース・アニアン。
 僕を殺した男だ。
 僕は、またこの男に殺されるのか?

「大した事じゃない。ジョミーがブルーにキスしただけだ」
「はぁ?あのクローンにか?だからどうだと言うんだ」
「気にならない?」
「ならないな…お前が戻れないと言うのなら、どこでも空いてる部屋を使え」
 と出ていってしまった。
 実体の無い僕に部屋なんて必要はない。
 あいつが言いたいのは、どこかに閉じ込めたいが無理なら、好きにしろと言う事だろうな。
 別に来たくて来たんじゃない…。
 他に行く所が無くて、出たらここだっただけだ…。
 ジョミーはイグドラシルで彼を助けた。
 その意味を、その結果を知りたくて人類と生きる道を選んだ。
 いつしかそれが興味から変化して、自分という存在を理解出来る相手は彼だけだと思うようになった。
 そして、今は、彼を好きだと認識した。
 だから、クローンの僕にキスをした…。
 それで、僕は逃げ出した。
 ジョミー。
 君の心をこんな風に引っ張り出したら…君は僕とキースのどちらを追うのだろうか。

  数日後
「ブルー」
「ソルジャー・ブルー!」
 僕がいる部屋のドアを怒鳴りながらノックしているのは、僕の宿敵で恋敵のキース。
「開けた」
 そう返事をするとキースが部屋に飛び込んで来た。
「五月蝿いな」
「お前、実体じゃないくせに、そうやって放電するのは止めろ!」
「は?」
「だから、もう一時間近くここから変な電気が流れっぱなしなんだ。止めろ」
 そういえば、何かがスパークしている。
「あ、あれ?」
 実体が無い僕の力は現実にはそんな影響は出ないはず…。
「電気でも作って暮らすつもりか?」
「え…君でも、そんな冗談を言うんだな」
「幽霊なら幽霊らしくしていろ」
「は、わかったよ。了解…」
 薄く笑いながら答えて、ひらひらと手を振ってキースを見送った。
 ドアから出てゆこうとしたキースが言った。
「お前、身体が欲しいのか?」
 ドアが閉まった。
 そこをすり抜けて僕はキースについていった。
 ノアの官邸を地下に向かって降りてゆくエレベーター。
「俺はお前のような意識の塊を見たのは、シロエが初めてだった。次は、お前が俺の前に現れた。二人共、ジョミーの力であいつの身体を使って実体化したな」
「彼が僕らを救おうと思うからだ…」
「お前はあいつの前に現れた事がないのか?」
「…見せたくないんだ」
「……」
 どうして見せたくないと思うのかが、少しだけ解るような気がするキースだった。
「だが…」
「?」
「ジョミーを呼んだ。連れて帰ってもらう」
「そんな事だろうと思った」
 諦めたようなブルーを見て、もう今更だが、本当は何があって出て来たのかを突き止めないとジョミーに会わせられないような気がしたキースはジョミーが待つ部屋の前でブルーに聞いた。
「何があって出て来た?何故、姿が見せられないんだ?」
「…この中に…キース。君にはわかると思う…。僕はもう一人のジョミーの所へ現れる程の悪では無いって事だ」
 そう言うとブルーはキースの体とドアをすり抜けて中に入って行った。
 ブルーが通った時にある種の冷たさを感じてキースは後悔した。
 ジョミーに会わせてはいけない。
「オイ!待て!」
 キースはドアを開けた。
「だから、僕が何をしたって言うんだ」
 ジョミーが叫ぶ。
「君は何もしていない」
「ブルーなんでしょ?どうして…こんな…なんで…嫌だ…入ってこないで」
「ジョミー!」
 青い光と青い光がスパークして一瞬世界が見えなくなった。
「ジョミー!無事か?」
 目を開けた先には、白いブルーとジョミーが二人いた。
「二人?」
 さっきまではブルーの姿が見えていなかったジョミーがブルーを睨んでいた。二人で。

「だから、ブルーが僕の意識と交代しようとするから、こんな事になっちゃったんだ」
「…まさか…分裂するとは…」
 とブルーが驚いていた。
「人を細胞分裂したみたいに言わないでくれる」
「分裂じゃないのか?」
「僕は貴方の力に引っ張られた。だけど、抗った。その結果こうなった。ブルー。僕は惑星スメールでカナリアの攻撃を受けて分かれているんだ。その二つって事」
「ジョミー、じゃあ、二人は同じなのかい?」
「そう。だけ…ど…なに…」
「あれは、どう説明するんだ?」
 ブルーが指さす先には、もつれ合うようにキスするキースとジョミーがいた。
「うわぁ!?」
 駆け寄ったジョミーがキースを引き離した。
「ど、どういう事?」
「なんで大人しくキスされてんだ。キース。まさか、魅惑?」
 何?何で?と振り返ると、。
 引き剥がしたジョミーが今度は意識体のブルーとキスしていた。
「ブルーまで、呑まれないでよ!」
 と、今度はジョミーを掴んで引き剥がした。
 触った手から何かが流れ込んでくる。
「…!」
 「キース。こいつを閉じ込めて!」
 ジョミーが叫んだ。

 対ミュウ用に作られた格子の付いた部屋へ一人のジョミーを閉じ込めた。
「しかし、ブルー。どうして今まで僕の前に現れてくれなかったのですか?」
「出られないよ。僕にもプライドがある」
「冷たいな…僕が一番会いたいと思ってるのに…」
「そうだね」
「それで、どうしてさっき僕と入れ替わろうとしたの?」
「君が受け入れるか、意識が無い時でないと僕は君に入れない。僕はジョミーの本心が知りたかったんだ」
「僕に入ればわかるの?」
「…君が思いの塊になれば、言うと思って」
 歯切れが悪く言いよどむブルーを救ったのはキースだった。
「ジョミー。もういいだろう。そろそろ、あっちのをお前に戻した方がいいんじゃないか?」
 と、キースが言った。
「あっちのジョミーはまだ、一緒になりたくないらしいよ…」

 そうジョミーが言った瞬間。
 世界が一変した。
 力が抑え込まれる重さがある。
 格子がある部屋の中だ。
 入れ替わった!?
 さっきまで僕が居た場所にもう一人の僕がいる。

 目の前には何年も何年も求め続けたブルーがいる。
 そして、好きだと自覚したばかりのキースがいる。
 僕が彼らに何か話していた。
 ダメだ!
「やめろーーーーーー!」

 時間よ。止まって。
 僕を戻して…。
 僕がいけないんだ。
 わかっている。



     つづく






『君がいる幸せ』 Artemisia編 一章「夢の在り処」 六話「真実」

2012-09-04 01:38:36 | 『君がいる幸せ』Artemisia編 夢の在り処
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
<人物>
ジョミー キースの警護をしていたが今は教育ステーションに在学中 ジュピターは宇宙の軍を動かせる権限を持っている
キース・アニアン ノアの首相 人類の評議会議長を兼任
ソルジャーズ 人類が作ったブルージョミーのクローン(タイプブルー)
シド ミュウの優秀なパイロット 今はジョミーの専属。

   『君がいる幸せ』 Artemisia編 一章「夢の在り処」 六話「真実」
※前回はセクハラ+パワハラ発言をしていますね^^;
 今回もちょっとそんな感じが…。

 僕らはジムへと戻った。
 そのまま午後は授業に出なかった。
 ジムの端末を使い、ジムの予定と一緒に簡単な説明を書いたメールをミアに送ったジョミー。
 その間ずっと後ろから僕らを見つめる少年がいた。
 彼は同じ一年で同じクラスだった。
 僕が作業を終えたのを見て彼はこう言った。
「ジョミー。側で見ると、柔らかそうできれいな髪ですね」
「そう?君の髪の方がキレイだと思うんだけど」
 僕が振り返った先には、薄く淡い色合いの金髪の少年が微笑んでいた。
「僕の髪はとても弱くて…すぐ切れてしまって…」
「伸ばしたいの?」
「あと少し伸ばせたらと…」
 少年の髪はとても短髪だった。
 それはそれで少年の髪の明るさを消すものでは無かったし、とても似合っていた。
「短いのが、とても似合っていると思うよ」
 と思ったままの感想を言うと少年は顔を赤らめて俯いてしまった。
 僕は彼をキリアンたちの所へ連れて行く事にした。
「……」
 そんな少年の髪を見て、僕は記憶を巡らせていた。
 ある女性の顔と、その兄の顔が浮かんだ。
 僕は少年の顔を横から覗くように見ながら話しかけた。
「僕の髪はね。これ以上伸ばすとくるくるになってしまうんだ。あちこち跳ねて大変なんだよ」と言って僕らは笑った。
 少年の名は、エイドリアン。
 クラスではエディと呼ばれていた。
 彼とキリアンとマックスは同じ地方都市の出身だった。
 三人はここに来てからの知り合いだったが、やはり話は合うようだった。
「僕は、本当の両親を知らないけど、君たちはどうなの?」
 会話の頃合いを見てジョミーが質問をした。
「俺は知らない。養父母なら居るけど」
 キリアンが答えた。
「僕は居る。だけど、育てられてはいない。養子で育った」
 とマックス。
「僕は、母親がいる。ずっと二人で暮らしてた」
 とエディ。
「へぇぇ、エディは本当の母親なの?」
 僕は彼を珍しそうに称えると母親の映像を見せてくれた。
「キレイな人だね。良く似ている」
 確定か…。
 彼の髪は母親譲りだ…。
 父親が誰であるのかを彼は知っているのだろうか?
 そして、彼は伯父を知っているのだろうか?
 それと、良く見ると上級生のブロックよりこのブロックの方が軍の人間が入って来ていた。
 僕らは午後の授業をエスケープした事の処罰が決まるまで、各自謹慎となった。
 部屋に戻った僕は、シドに呼ばれた。
「軍の目的は、エイドリアンか?」
「彼を見つけましたか?」
「偶然、友人になった」
「セルジュからの情報を送信してもいいですか?」
 暗号化されたその文を見て、ジョミーは立ち上がった。
「事はそうも時間をくれないようだ。管理部の職員に協力を要請しよう」
「了解」
 僕らはセンターの管理施設に向かった。
 シドはソルジャーズのジョミーとブルーも呼び出した。
 もちろん、ミアも一緒だった。
「僕はジョミー。ここは軍の管理下に置かれる事となった。協力をして欲しい」

「僕の情報とそちらの情報を交換出来ませんか?」
 僕はここに入って来ている軍人に話をした。
「エイドリアンの身辺を守れというもので私達は詳しくは知りません」
「監視ではなく守れというのなら、何故。ここに放置しているのです。軍らしく何か問題を作って彼を拘束すればいいでしょう?このままでは守りきれませんよ。」
「それは…拘束せよとは言われていませんので…」
 多分、彼は何者かを呼ぶ為のエサなんだな…。
「……」
 僕はため息をついた。
「ジョミー。これはどういう事なの?」
「僕達は、海賊がここを狙っている可能性があるとしか聞いていない」
 ミアとジョミーとブルーが口々に聞いてきた。
「僕が説明します」
 シドが言った。
「セルジュが教えてくれました。ここにはエイドリアンと言う一年生が入って来ました。それと同時に軍人の姿が増えました。軍人が増えたのは、海賊がここを狙うのでは?と僕らは探っていましたね。海賊の目的は彼だったのです。公表されていませんが、彼は将軍の実の息子で壊滅させられた恨みを晴らす為の標的ではないかと思われています」
「だから、守るには軍で拘束すれば良いって、ジョミーは…言ったのね」
 とミアは言った。
 それだけでは、納得がいかない。とソルジャーズの二人は思っていた。
「ステーション全体に警戒命令を、そしてすぐ避難をするようにして下さい」
 ジョミーが管理棟全体に届くような声で言った。
「避難?」
 声を上げたのは、ここでの全てを任されている管理長だった。
「ええ、逃げて下さい」
「そんな指示は受けていません」兵士が言った。
「ならば、海賊の襲撃を受けたら、彼を引き渡せば済むとでも言われていたのですか?」
「え、いえ、そんな事は。軍が守るからと…」教授たちが答えた。
「ここに居るこの人数で、彼だけでなく、五千人もの生徒をどうやって守ると?それが本当に出来ると思っているのですか?」
「…ここにも迎撃システムはあります」
「ここのシステムなんて…数秒もてば良いほうです。そして、それを誰が動かせますか?この管理棟からだけでは無理があります。銃座に座って敵を撃てと生徒に言うのですか?」
「数秒とは…そんな…」
「なんなら、この二人と模擬戦でもしてみますか?」
 と、そう名指しされた二人。
 ソルジャーズのジョミーとブルーがジョミーと管理長の間に割って入った。
「待って、ジョミー」
 ジョミーが言った。
「俺だけで落とせますよ。十秒もかからない」
 ブルーが付け加えた。
「ともかく、戦うのは無謀です」
 と、シドが言った。
「ジョミー」
 シドがジョミーに耳打ちをする。
「このままでは。最悪、エイドリアンだけでも逃がすべきかと」
 少し考えてからジョミーは答えた。
「彼だけでも…か…わかった。そうしよう。シド、もし、見つかっても君の腕なら逃げ切れる」
「わかりました」
 ジョミーはミアに側に来るように呼んだ。
「ミア。君もエディと一緒にシャトルで逃げてくれ」
「え、私が?」
「ああ、この状況を正しくエディに話せるのは君しかいない。僕が知っている彼についてのデータはここにまとめてあるから、目を通しておいて…」
 ジョミーはデータを表示させ、ミアに送った。
「あの、私が行きたくないと言ったら?」
「ごめんね…今はそんな自由は許されない」
「……側に……」
「ミア。君の彼らの監視役の任を解く。替わりにエディの彼の命を守ってくれないか」
「……」
「この役目の方が君に合っている気がするし、君にしか頼めない」
「ジョミー…」
「彼は何も知らない子供だ。事実はきっと彼には酷だ。やさしくしてあげて欲しい」
 ジョミーは優しく静かに微笑んだ。

「センターの管理者と教授の方々、エイドリアンについては、この僕に任せてもらう事にした。それでよろしいか?」
 人間達の中でジョミーの言葉にホッとしてような空気が流れた。
 それを不快な眼差しで一瞥して、ジョミーは宇宙(そら)を振り返った。
 さっきまで、十四~五歳の子供の言う事など、と思える空気が流れていた。彼らは強力なミュウを引き連れて強引に物事を進めようとする僕を全く信じていなかった。それでも、エイドリアンを守りきれなかった場合の問題が彼らに聞く耳を持たせた。そして彼らの都合よく、その危機を僕が保護すると申し出た訳だ。
 だが、安心するのはまだ早い。ここの危機はまだこれからだ。
「シドを欠くのは、痛手かもしれない…」
「僕らがいるよ」
 とブルーが言った。
 小型艇はミアとエイドリアンを乗せて飛び立った。




  続く