君とともに生き、君とともに逝くのならば、僕は君の為に生きよう。

真城灯火の小説ブログです。
二次小説とオリジナル小説の置き場となっています。
同人に傾いているので入室注意★

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☆入室ありがとうございます☆ PN:真城灯火です。 『小説家になろう』で書いています。「なろう」で書いている小説も転載させていますが、ここはアニメ「地球へ…」の二次小説置き場です。本編の『君がいる幸せ』は終了しています。今は続編の『限りある永遠』を連載中です☆まずは、カテゴリーの「はじめに」と「目次」「年表」で(設定やR指定について等…)ご確認の上、お進み下さい。 ブログタイトルですが、これの「君」は自分自身、心の事で、「僕」は自分の身体の事です。 自分の心がそうであるなら、自分はそれに従う覚悟を意味しています。 だから、ジョミーや誰かが一方的に誰かに…って意味ではありません。(小説停滞中) 2021年に、他にあるブログを統合させたので、日常の駄文とゲームの話が混ざった状態になっています。

『君がいる幸せ』 限りある永遠(limitato etemita)編 十五話

2014-08-24 03:03:44 | 『君がいる幸せ』 limitato etemita編
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
<人物>
ジョミー ノア副首相に就任 ジュピターは宇宙の軍を動かせる権限を持っている
キース・アニアン ノアの首相 人類の評議会議長を兼任
ソルジャーズのブルー 人類が作ったブルーのクローン(タイプブルー)
      ジョミー 本当はジョミーのクローンではない(タイプイエロー)
シド ミュウの優秀なパイロット 今はジョミーの専属

   『君がいる幸せ』 限りある永遠(limitato etemita)編 十五話

  惑星ニュクス上空
 動き出したゼウス級戦艦を追って、旗艦プロメテウスを離れたジョミーのベルーガ2。
「教えて欲しい事があります」
 操縦するヴィーが、この時を待っていた感じで、神妙な顔で聞いてきた。
 他の隊員(ヴィーの部下)はプロメテウスでヴィーの命令で下船していた。
 その真剣な眼差しを受けて、ジョミーは言った。
「いいよ。君は僕と二人になる為に上に背いてでも隊員を下したのだろう。僕も君にわかってもらいたいと思っている…だけど、僕にも君に聞きたい事が…あるけど…」
 そこで語尾を濁したジョミー。
 その様子を見て、「嘘偽りなく答えてもらえるか?」が続くのだろうか?とヴィーは思った。ごくりとつばを飲み込みヴィーは答えた。
「聞きたいのは…何ですが?」
「君が先に聞いてきた。だから、先にどうぞ」
 と、ヴィーの緊張をほぐすようにジョミーは優しく微笑んだ。
「…キースの事です。何が起きているのですか?」
「それは、核心だね…。僕もそれを知りたいと思っている。僕が聞きたかったのもそこなんだ」
「じゃあ、何もわからないんですか?」
「いや、わかってはいる。具体的に何が起きているのかを知りたいんだ」
「僕が何か知っていると思っているのですか?」
「僕の知りたい答えの一つを持っていると思っているよ」
「答えを僕が?」
「君は何かを見たの?」
「いえ、直接、何かを見た訳じゃありません。ありませんが…信じられなくなってきたんです」
「信じられなくなるような、何か…彼の行動に不信な点があると言うんだね?」
「はい」
「いつから?」
「僕が気付いたのは、まだ最近です」
「何かあった?」
「小さな事です…。僕はセドルを追う任務があったので、一年程側にいなくて、戻ってきたら…前と違うって…微妙にですが…」
「違和感があった?」
「そうです…」
「君はミュウだからそう思ったと思う?」
「いいえ。あ、でも、多分…そうかも」
「巧妙に隠されているって事かな…」
「かもしれません」
「最近、全く所在がつかめないとかそういったものはある?」
「ええ、あります。それは前もあったから気にしていませんでしたが、最近は頻繁になってました…」
「セルジュもね。同じことを聞いてきたよ。再度、確認をしないといけなかったり、自分にも把握できない時があるって…」
「それは…ジョミー。あなたにもつかめなかったって事ですか?」
「ああ、僕にも視えない時は前からあった。でも、今回のように完全に雲隠れなんて…。人間に知らせていない。僕にも無理。この答えは何だと思う?」
「彼自身がそうして何かをしているのと…それと…」
「うん。彼だけじゃなくて、何者かが僕らを邪魔している」
「もしかして…」
「そう。僕より上のタイプブルー…」
「ソルジャーズのブルー」
「……」
「でも、彼がキースと組むなんてことは、考えられない」
「だから、何か理由がある筈」
「…理由が…」
「キースだけでも、頑固で困るのにね」
 とジョミーは笑った。
「勝算はあると思ってます?」
「勝算?」
「はい」
 勝算とは、僕とブルーが戦うというのだろう。この思考は強い自信に満ちたミュウの言葉だとジョミーは思った。僕には何かと戦うという思いはこの時は無かった。
「勝算ねぇ…」
「さっきのフィズは…もう使えないのですか?」
「あれは精製に時間がかかるから…」
「じゃあ、このまま突っ込んでどうする気です?僕の部隊を呼びましょう」
「さっき無理を言って降りてもらったんじゃないのか?」
「ええ、まあ…でも、このままでは負けますよ」
「それは…どういう意味で?」
「え、いえ。じゃあ。ソルジャーズのジョミーやソルジャー・トォニィを呼んで…」
「ジョミーやトォニィには、今、やってもらっている事がある」
「それは?」
「後でわかるよ。それより、彼は僕に今回は関わって欲しくないと思っていただろうね」
「え」
「戦って勝つのを望んでいるのか、殲滅を望むのか?」
「ジョミー…」
「ヴィー。君はキースに直に報告が出来るんだね」
「……」
 ヴィーは言葉につまった。それが答えだろう。
「僕の今の力の分析は報告した?」
「ええ…はい」
「なら、わかるよね。さっきの主砲を消した事で、もうフィズは作れない事が…」
「でも…」
「では質問だ。何故、君は僕の所に来た?」
「それは、ソルジャーズのジョミーが…この船をあなたの所へって…」
「君はこのベルーガに乗り込んで、僕に接触する機会を待っていたね。それはキースの指示?」
「…はい」
「そうか、ならまだ、話が出来るかもしれない」
「何がどうなっているのですか?」
「それは、キースの事?」
「今は、もっと知りたい事が増えましたが、一番はそうです」
「君とまだ話が出来るなら…どこまでなのかがわかる。キースは記憶が壊れているんだ」
「記憶が?そ…それは…」
「多分、僕と同じことが起きたって事だろう」
 前にジョミーが記憶を失っていた時があるとヴィーは知っていた。だが、何故、それがキースにも起きるのかがわからなかった。
 その時、計器が信じられない数値を出していた。
「ジョミー。見て下さい」
 ニュクスの防御システム前に停船するだろうと思っていた二人は、防衛ラインを静かに越えてゆくキースの乗る戦艦を目の当たりにしていた。
「ああ、怖がらないで…大丈夫…」 
 静かに呟くようにジョミーは言う。
「ジョミー?」
「ニュクスの人々は避難させたけど…まさか、ゼウスが入れてしまうとは…。ここから先はこの船は入れない。星から狙われるよ」
「ですね…」
「…行ってくるね。待っててくれる?」
「ジョミー?入れるのですか?」
「さっき僕はここから出て来たじゃないか」と笑った。
 アッとなるヴィー。
 だけど、このニュクスを自由に出入り出来ると言う事は、今、目の前に居るジョミーはジョミー本体のクローンだという事になる。だが、それは本当なのだろうか…。
「で、でも」
「星が呼ぶから…行くね」
「ジョミー。もう一つ、答えて下さい。僕はどうすれば良かったのですか?なぜ…僕はいつもいつも…あなたと違う道を進んでしまうのでしょうか?」
「君のした事は間違ってはいないよ。多分、間違っているのは僕らだ…君は君の道を進んでいて欲しい」
 オレンジ色に光り出したジョミーが戦艦を追い宇宙へ跳んだ。
 ヴィーはそれを見送るしか出来なかった。
「ジョミーは待っていてと言った…僕は待つ資格があるのだろうか?」
 いや、資格なんて必要ない。今は彼が僕に待っていてと言った事実だけでいい。
 キースが信じられなくなったから、ジョミーを信じるようにするなんて虫が良すぎるかもしれない。でも、こんな選ぶなんてしない事が、あの二人が同じ道を行く事が一番良いのではないのかとヴィーには思えた。



 続く






※ちょっと短くてすみません。
休み中にブログタイトルが深読み出来そうなのに変更しましたが、
これの「君」は自分自身。身体の心臓や心の事で、
「僕」は自分の外見、見た目などの事です。
自分の体や心がそうであるなら、自分はそれに従う覚悟を意味しています。
だから、ジョミーや誰かが一方的に誰かに…って意味ではありません。^^