小春奈日和

赤ちゃんは、人間は、どのように言葉を獲得するの?
わが家の3女春奈と言葉の成長日記です。

出雲大15 アヂスキタカヒコネ①

2014年02月16日 00時30分26秒 | パワースポット
パワースポット編 ―出雲大15 アヂスキタカヒコネ①―


 国譲り神話とは、大国主が、自分の作ったこの地上の世界を天照大御神の子孫に譲る
内容である。
 この時に、高天の原より地上に降りてきたのが天照大御神の孫ホノニニギで、その子孫が
皇室となる。

 その国譲り神話は、『古事記』では次のように記されている。
 
 高天の原では、地上の葦原中国(あしはらなかつくに)は天照大御神の子天忍穂耳命(ア
メノオシホミミノミコト)に治めさせるべきだ、と神々が語り合っていました。
 初め、天つ神たちは、天菩比神(アメノホヒの神)を使者に遣わしますが、大国主に媚び
従い3年たっても戻って来ませんでした。
 
 そこで今度は天若日子(アメノワカヒコ)を遣わすことに決め、天之朝迦古弓(あめのまか
こゆみ)と天之波波矢(あめのははや)を授けて葦原中国に遣わしましたが、アメノワカヒコ
も大国主の娘下照比売(シタテルヒメ)を妻にし、また葦原中国を自分が得ようと考え、8年
たってもこれまた復奏しませんでした。

 ここに天つ神たちはまた集まって、
 「なぜアメノワカヒコは戻って来ないのか?またいずれかの神を遣わしてその理由を問おう」
と、話し合い、ナキメ(鳴女)という名の雉を遣わすことにしました。
 この雉の鳴女がアメノワカヒコの家の木にとまり、天つ神の言葉を言っていますと、天佐具女
(アメノサグメ)なる者がこの鳥の声を聞き、アメノワカヒコに、
 「あの鳥の鳴く声は大変不吉なものでございます。どうか射殺してくださいませ」
と、言ったので、アメノワカヒコは、天つ神より授かった弓矢で鳴女を射殺してしまいました。
 この時に射た矢が雉の胸を貫通し、そのまま天の安川の河原にいた天照大御神と高木の神の
足元に届きました。
 高木の神はこの矢を拾うと、
 「これはアメノワカヒコに授けたものだ」
と、言い、そして、
 「もしこの矢が悪い神を討つために射た矢なのであればアメノワカヒコには当たるな。もしこの
矢が邪心をもって射たものであればアメノワカヒコに当たれ」
と、言って矢を落としますと、アメノワカヒコの胸に刺さり死んでしまいました。

 それで、アメノワカヒコの父天津国玉の神とその妻子が降ってきて、喪屋を作り、八日八晩葬儀
を行いました。
 この時、阿遅志貴高日子根神(アヂシキタカヒコネの神)が弔問にやって来ましたが、その容姿
があまりにアメノワカヒコに似ていたために、天津国玉の神は、
 「わが子は死なずにいた!」
と、言い、シタテルヒメも、
 「わが君は死なずにいた!」
と、言ってアヂシキタカヒコネの手足にすがりついて泣いたので、
 「吾は友なればこそ弔いにやって来たのに汚らわしい死人と間違えるとは!」
と、大いに怒り、剣を抜くと喪屋を斬り伏せ飛び出してしまいました。
 この時、シタテルヒメはアヂシキタカヒコネが自分の兄であることに気づき、そしてその名を
あらわし知らせようと思い、

 天なるや 弟棚機(おとたなばた)の うながせる 玉の御統(みすまる) 御統に 
 穴玉はや み谷 二渡らす 阿治志貴高日子根の神ぞ

と、歌いました。


と、ここまでが国譲り神話の前半部分。

 国譲り神話に登場する出雲側の主要な神は、大国主の他にアメノホヒ、アジスキタカヒ
コネ、コトシロヌシ、タケミナカタの4神である。
 ここまでだとアメノホヒ、アジスキタカヒコネ2神が登場している。

 このうち、アメノホヒは、出雲国造の神賀詞の中にも、

 「高天の原のタカミムスヒの神は天孫に地上を治めさせようと思い、アメノホヒの命を調査
に向かわせた。
 アメノホヒは、
 『地上は禍々しい世界ですが、これを天孫の住まわれる世界にいたしましょう』
と、言って、わが子アメノヒナドリの命にフツヌシの命を副えて地上に遣わせた」

と、あるが、出雲国造の神賀詞のこの一節とちがって『古事記』の方では、アメノホヒがま
るで裏切り者のように描かれている。
 これは、中央政権の方で、国譲り神話を作り上げた結果、アメノホヒの扱いがそのような
形にゆがめられたのだろう。


 その、中央政権の作った国譲り神話では、アメノホヒに続いてアメノワカヒコを派遣する
がこれまた出雲に居ついてしまったわけだ。
 結果として高天の原はアメノワカヒコを殺し、その葬儀にアジスキタカヒコネがやって来る。
 アジスキタカヒコネとコトシロヌシはともに、出雲国造の神賀詞の中に、
 
 「オオナモチは、自分の和魂を、大物主くしみたまの命と名を添えて大和の大三輪の神奈備
に坐せ、子のアジスキタカヒコネの命の御魂を葛城の鴨の神奈備に坐せ、コトシロヌシの命の
御魂を宇奈堤に坐せ、カヤナルミの命の御魂を飛鳥の神奈備に坐せ・・・」

と、あるように大和の神である。
 あと、タケミナカタについては後日の紹介とさせていただきます。

 アジスキタカヒコネを祀るのは奈良県御所市鴨神の高鴨神社である。
なお『古事記』にはアヂシキタカヒコネとあるが、高鴨神社では阿治須岐高日子根命(アジス
キタカヒコネ)とされており、ここでもこれに倣うことにさせていただきます。


 アジスキタカヒコネは大和の神ではあるけども、『出雲国風土記』にその伝承を残している。

 ところが、その内容が問題なのである。

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