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「ピトレスク」二回目

2014-03-29 23:57:55 | 観劇
初日から三日目の「ピトレスク」。
お芝居のテンポが良くなり、しかも今日はやや後ろに下がった席だったので、全体が見えた分、ようやくお芝居の全貌が観れました。
…これは、観れば観るほど、奥の深い、考えられた作品だな、と。
細かい説明はあまりなく、登場人物それぞれの立場、身の上、台詞の意味、歌詞の意味、劇中劇の意味、すべてが、ものすごく考え抜かれてつくられている。
一回観ただけだと、あまりの情報量に、物語の筋を追うだけで一杯一杯ですが、二回目にしてようやく、全部の繋がりが見えてきて、ぐっとくる…。
公演期間が一週間しかないのって、ものすごく勿体ない!
何気に豪華な配役と、中身の濃さを思うと、せめてもう一週間あってもいいな~と思います。
口コミで評判が広がるにも、もう少し時間かかるよなぁ(苦笑)。せっかくリピーターを呼べる作品だと思うのに。
アッキー君は、初日のご挨拶で、「ピトレスク初演の幕が上がりました!」と言ってたくらいだから、ご本人は再演したい気満々なのかな~なんて(笑)。
確かに、とても思いのこもった曲を自らつくってますし、お芝居にも強く入っているので、思い入れも深いんでしょうね…。
もちろん、作品そのものも、もっともっと深められる上質さがありますし。

サエコさんのカミーユも、カミーユとしての身の上、生き方が見えた上で、劇中劇での役の意味や劇の意味がわかり、すべてが繋がっていく面白さがありますね。
男性女性問わずモテモテ(笑)な、清らかさと優しさ、そして品。なのに、劇中劇のパンチの効いたコスプレ(爆)といい、サエコさんにあてて書かれたのは間違いない(笑)。
女性としての清らかな美しさ、優しく芯の強い魂を持つカミーユ自身と、劇中劇での美しい貴婦人(このドレス姿がまた超綺麗なんだな~♪)、そして同じく劇中劇の大胆な退廃的お色気海賊コス(いやこれこそ彩輝さんの真骨頂/大爆)、これだけを全部両立させられるのって、やっぱりサエコさんだよなぁ~(笑)。

出演者それぞれの個性と役柄が合わさって、一見不協和音のようなバラバラさがありながら、不思議な統一感があるんですよね。
だからこそ、この一見何をやりたいかわからないような、ジャンルも違う個性的なメンバーを集め、そこにこそ意味があったんだなぁと納得できます。
あと一回、楽の前に観る予定なので、そのときはさらにもっと、深く観れるのかなぁと思います。
う~ん、やっぱりもうちょっと公演期間が欲しかったな…。

舘形さんのフリードリヒが、とても素敵で…思わず、ともみんでこんな役を観てみたい、と思ってしまった(爆)。
ナチの兵士でありながら、芸術への純粋な思いを持ち、カミーユに魅かれ、地下劇場の人々の生き方に触れて、危険を承知で仲間となり、最後は、愛する者を守るために死を覚悟して去っていく…。
将校ではない一兵卒の軍服ですけど、ナチの軍服なんて、ともみんが着たらビジュアルも凄まじいことになりそうだ…(大爆)。
まぁ作品としてはまったくヅカ向きではないので(当たり前だ)、あくまでもこういう感じの役、という意味ですけど(苦笑)。

でも、やっぱりこの作品で一番カッコいい役なのは、舘形さんでしょう。ダンサーとしての、身体表現もさすが素晴らしいですし。
劇中劇のルパンのお衣装も、紳士で素敵♪海賊衣装も、やっぱりお色気ですね~(爆)。
アッキー君は、何と言ってもあのミラクルヴォイス!そして、魂の叫びを表現するにおいては、右に出る者なし。回転木馬のシーンの絶唱は、アッキー君でしか歌えない。それでいて、「聴かせてよ愛の言葉」などの、シャンソンがまた聴き応えあってねぇ(感激)。
岡本知高さんの、ソプラニスタとしての美声もすごい…。
女性陣は、保坂知寿さんのカッコよさったら!タバコをくゆらす姿の、絵になること。
クミコさんの低くあたたかみのある歌声、JKimさんの力強い歌声も、素晴らしくて・・・。
ユウコちゃんのダンサーっぷりも健在。それでいて、パリの女将さん風な気風の良さも、ユウコちゃんらしい(笑)。
みっぽーちゃん、そしてもう一人の男性ダンサーの三井さんも、よく踊ってますしね~。
みっぽーちゃんのイヴェットは、アッキー君のジャンルイと、きっと将来くっつくんだよね…。
三井さんの不器用な旦那ぶりと、ハキハキチャキチャキなユウコちゃんの奥さんの組み合わせが、結構好き。この二人が、アッキー君の歌うシャンソンで無言のまま愛しそうに踊ってるのがまた素敵でね~…。
ほんと、ジャンルも方向性もまったく違うメンバーなのに、その雑とした雰囲気が、いろいろな民族、立場、思想の違いを表わしながらも、だからこそ自由を求めて共に戦い、心を通わせていくリアリティにもつながってます。

ともドレ病の真っ只中に、違う舞台を連続して観れるのかな?とちょっと心配してましたけど(苦笑)、ここまでジャンルの離れた、それでいて上質の作品で、本当に良かったです(笑)。

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