今日の介護トレーニングでは栄養剤を投与するためのセットを僕がすることになっていました。
栄養剤にはそのまま吊るして容器として使えるタイプのものと容器とは別の小さな牛乳パックのようなものとの2種類あるようですね。
I老健で使っているのは両方とも200cc400kcalのものなんですが、紙パックの方は一回開けても冷蔵庫で24時間は大丈夫なんだそうです。
今日はその紙パックの方を使います、とのこと。
あれっ? と思って、「1日に800とか1000kcalじゃあないんですか?」と聞くと、
「あっ、間違えてました。まだ1日に600kcalです」とのこと、残念。
体重の推移など見ながら、600kcalで大丈夫そうとの判断のようですね。
朝に400kcal補給して、夕方は紙パックの半分200kcalを補給するんだそうです。
先週に引き続き経腸栄養セットの用具の説明を受けました。
そして、実践。
栄養容器と2本の管を2ヶ所で連結します。
それぞれの管についているストッパーで管を締めておきます。
栄養容器に近いストッパーは栄養注入のスピードを調整する機能もありますから、ローラークランプと呼ばれているようですね。
2本の管は長いですから、栄養容器の横にあるフックみたいなものに掛けておきます。
紙パックの一部をハサミで切って、栄養容器に100cc(200kcal)注ぎます。
栄養容器に目盛りがありますから、それを見ながらゆっくりと。
次に、微温湯を200cc注ぎます。
これも栄養容器の目盛りが300ccになるように注ぎました。
栄養容器とローラークランプの間には、少し膨らみのある、液体がポタポタと落ちるようすが見える箇所があります。
その膨らんだ箇所を2、3回つまんで押すと、栄養容器から栄養剤がその膨らみに入って来るのです。
そして、2つのストッパーを開放して、栄養剤が管の先端まで来るようにします。
管の先に来たら、直前でストッパーを閉めて、栄養剤の流れを止めておきます。
そこまでしておいて、さっちゃんのお腹のボタン(胃瘻)の外部ストッパーを外すんです。
ストッパーを外したボタンに管の先端のコネクタを嵌めるのですが、これがなかなか大変。
直径が1cmとなく、小さいので細かな作業なんです。
ボタンの土台は持てたのですが、コネクタがなかなかボタンの穴に入らずカチッと止まりません。
それでも、カチッと音はしませんでしたけれど、ちゃんと入ったようです。
看護師さんがチェックしてくださって、どうやらOKなようです。
それから2ヶ所のストッパーを開けてさっちゃんの胃の中に栄養剤が注がれていくんです。
最初はボタン周辺に栄養剤の漏れがないかどうか、確認しなければなりません。
漏れてるようならば、ストッパーをかけて、いったん止めなければなりません。
そして、再度のやり直し。
でも、今日は大丈夫でした。
看護師さんは「これくらいでは1時間かかりそうだ」とか「これくらいなら30分くらいで終わるでしょう」とか言います。
ローラークランプの閉め具合で栄養剤の流量をコントロールするんですね。
栄養剤と水分の合計300ccですから、30分くらいがいいようです。
さっちゃんに話しかけたり、看護師さんといろいろ話したりしながら、栄養剤が流れて行くのを待ちました。
さっちゃんはほとんど目をつむったままですが、時々は目を開けてくれます。
僕はさっちゃんの車椅子の横に跪いて、さっちゃんと手を繋ぎあっています。
時間は瞬く間に過ぎ、栄養剤は全部胃の中に流れて行きました。
大きな針がない注射器のようなもの(シリンジというそうです)で微温湯を30ccほど吸い取って入れます。
そして、ボタンに近い方の管の先端に嵌めて、微温湯を注入するんです。
つまり、管の中を微温湯で漱いで、綺麗にするんですね。
そしてもう一回、シリンジをいったん管から外して、再度嵌めると、空気だけを押し入れます。
管の中の水を空気の圧力で押し流すんですね。
最後にボタンから管のコネクタを外して、ボタンの外部ストッパーを嵌めるんです。
外す時もそうでしたが、今度は嵌める時もなかなかに厄介なんです。
簡単には嵌りません。
小さなボタンはかなり動きますから、「さっちゃんは痛くないのかな」と僕は心配なんです。
外部ストッパーを穴に入れようとするんですが、なかなかカチッと嵌ってくれません。
悪戦苦闘の末、カチッ。
やっと出来ました。
今日の僕のトレーニングはここまでです。
来週は栄養補給の後の薬の投与までをするんだそうです。
手順をしっかりと覚えて、器具の扱いに慣れれば、思いのほか早く習得できる気がしました。
▲16:45。栄養補給が終了して、カメラを向けたんですが、さっちゃんは目を開けてくれません。お風呂に入って、すぐにお腹も膨らんだので、眠くなるのかもしれませんね。