さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

今日はリモート面会の日でした。その後、担当看護師さんと会い、相談員の方とも話しました。それに、驚きの嬉し過ぎる遭遇も

2022-01-07 23:32:13 | 大腿骨転子部骨折
今日は今月1回目のリモート面会の日です。
天気も良く、風も弱いようなので、自転車で行くことにはしたのですが、前日の雪が心配でした。
午後になると、終日日陰の道路以外は雪は完全に融けているようですから、いつもより10分早く家を出ました。

リモート面会用の部屋の前で待っていると、僕の前の方が終わって部屋から出て来ます。
「2時40分からリモート面会の○○さんですか?」と今日初めて見る若い男性職員が僕に話しかけて来ます。
「はい、そうです」と、促されて部屋に入りました。
真面目そうな若い男性職員はリモート面会の規則が書かれた用紙を読むように僕に言います。
時間もあるので、読んでいると、面会回数がまだ月に1回と記されたままでした。
「規則が変更されて、月に2回になったようですよ」と僕は彼に話しました。

それからはいつもと同様に画面にさっちゃんの顔が現われます。
昨日からリハビリ病棟ですから、昼間は上着に着替えて車椅子に座って過ごすようにしているようですね。
薄い藤色のトレ―ナーのようなのを着ています。
「さっちゃ~ん」
「さっちゃ~ん、目、開けてごら~ん」
「僕だよ~」
と繰り返し呼びかけます。
さっちゃんは目を閉じたまま。
「さっちゃ~ん、ご飯食べてる~」
「さっちゃ~ん、よく寝てる~」
「さっちゃ~ん、リハビリ頑張ってる~」

そんな呼びかけも混ぜます。
すると、ちょっとだけ目が開きました。
「あっ! 目が開いたね~」
「あれっ、また閉じちゃった」
「また、目を開けてごら~ん」

目はなかなか開けてくれません。
開けてくれても、
「さっちゃ~ん、こっちだよ、こっち向いてごら~ん」
「あらら、また閉じちゃったね」

相変わらず、画面を、画面に映っている僕の顔を意識している様子はありません。
それでも、前回よりは目を開けた回数やトータルの時間はほんの僅かでしょうが、長かったような気がします。

リモート面会の途中で、僕は3枚の写真を撮りました。
画面に映っているさっちゃんをです。
2枚撮ったところで、若い男性職員が「写真撮影は禁止となっていますので」と言います。
「それは知っていますけれど、最初の時にもっと年配の担当の方から、
画面だけならいいですよ、と許可されたものですから」
と僕は答えました。
さらに、僕を説得しようと話しかけてくるものですから、僕は手で制して、今はその話は止めてくださいと、意思表示します。
たった15分の貴重なリモート面会時間ですものね。

その後、撮った3枚目の写真がこれです。


▲14:49。この日撮れた唯一目の開いた写真です。僕のブログでは原則、目と鼻は隠すことにしているのですが、この写真で目を隠してしまうと、何の意味もありませんからね。

帰宅して、リモート面会の規則を読み直してみました。
《職員の許可なく、録音・録画・写真撮影等は行なわないでください》となっていました。
初めての担当者さんだったら、改めて許可を頂いた方が良かったのでしょうね。
次回からはそうしたいと思います。
でも、《原則、1回につき2名》となっているのに、僕の次の方は4名も部屋に入って行きました。
まあ、面会なんて言うのは人と人との人情の通わせ合いですから、大らかにやって欲しいものですよね。
今日の若い担当者は生真面目すぎる雰囲気で、杓子定規に構えていたので、もう少し物腰軟らかく対応して欲しいと思いました。


今日は午前中に2度、A病院から電話がありました。
1度目はリハビリ病棟の担当看護師さんで、さっちゃんが飲んでいた経腸栄養剤のラコールを10個ほど持って来て欲しいというお願いでした。
2度目の電話は病院の相談員さんで、リモート面会終了後、少しお話しをしたいということでした。

リモート面会が終わって外に出ると、相談員さんがおられました。
すぐに担当の看護師さんも来られて、上履きとラコールを渡しました。
昨日からさっちゃんを担当してくださっているのでしょうが、さっそく心配事の相談です。
食事のことと水分摂取のことです。
さっちゃんは食べる気のない時は、どんなに促しても絶対に口さえ開けてはくれませんからね。
何か水分を飲む場合も同じです。
看護師さんはすでにそのことで苦労されているようですね。
「もともと凄く小食でしたから、無理して食べさせたりはしていませんでした。
それに、食べる時はそれなりにたくさん食べていましたから」

咽ることはないようなんですが、誤嚥も心配なので、とろみを付けたり工夫してくださっているようです。
でも、とろみが付いているのはあまり好みではないみたいですね。
その看護師さんから頼まれて、病院内の売店でゼリー飲料2個ととろみを付けるものを1箱購入しました。
さっちゃんが病院で飲むものなどに関する規則はどうなっているのか、ちょっと気になりますね。

看護師さんと話している最中に、本当に偶然、さっちゃんが車椅子に乗せられて、僕の前を通りました。
リハビリ病棟へ来てからは、午前と午後の2回、リハビリを行なうのだと思いますが、リハビリ室へ行く途中だったようです。
僕とばったり出会って、車椅子を止めてくれました。
手術の日も直に会うことが出来ましたから、ちょうど1ヶ月ぶりの対面です。
さっきのリモート面会の時よりも、数倍も目を開けてくれました。
僕のことが誰なのか分かってないのかもしれませんが、僕を時折見てくれました。
それに何かしら喋ってもいます。
相変わらず意味不明ですが、喋っています。
僕はさっちゃんの顔を撫ぜ、額と額をくっつけ、手を握りました。
手術直後はそんなことは出来ませんでしたから、入院した日以来です。
脚も触ってみました。
予想通り、太股や脹脛の筋肉は痩せ細っていました。
昔、さっちゃんが9ヶ月間入院した際の経験がありますから、さほど驚きはしません。
やっぱりな、という感想です。

車椅子を押している女性はPT(理学療法士)さんなんでしょうか。
リハビリの様子を少し聞いてみました。
立ち上がろう、歩こうという意志が弱いようですね。
昔の大怪我の際は「絶対に再び登山できるようになるぞ!」と、強烈な意志の塊りのようなさっちゃんだったんですがね・・・・
でも、こんなことを教えてくれました。
さっちゃんのリハビリで、平行棒を使って5mほど歩いたそうなんです。
凄いですね!
いつもそれくらい頑張って欲しいですね!
今の筋力でも、それくらいのことが出来る能力はあるということです。
やっぱり意志の力が大切ですね。
いつまでも、さっちゃんの手を握ったり、体を擦ったりしていたかったのですが、そうもいきません。
さっちゃんはこれから大切なリハビリですから。

さっちゃんが遠ざかって行き、看護師さんとも別れました。
病院の玄関ロビーに移動して、椅子に座り、相談員さんとしばらくお話しました。
前日に電話で聞かれたことの再確認のようなことでした。
退院に向けての僕の側の態勢や準備の確認でしょうか。
退院までの期間もとりあえずリハビリ病棟へ移ってから1ヶ月半ですが、最長でも3ヶ月までのようですね。
いくら長くても、桜が咲いている頃までには退院できるようです。
直接会って、話しをされたかったのでしょうし、今後より具体的な相談内容が発生した時のために、顔繋ぎの意味もあったのでしょう。
相談員と言われていましたが、名刺には「社会福祉士 介護支援専門員」と書かれていました。
リモート面会の様子もご覧になっていたようで、
「さっちゃんの旦那様なので85歳くらいの方かな、と思っていたんですが、お声が若くて」と思ったそうです。
「僕の方がずっと若いんですよ。
でも、こうなってしまうと、僕が若くて良かったな、と思いますね」


眩しい夕陽を右前方、左前方から浴びながら、自転車を漕いで家に戻りました。
コメント
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