磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

生きものの水辺 水辺の環境学3

2005年12月26日 | 読書日記など
『生きものの水辺 水辺の環境学3』
     桜井善雄・/新日本出版社1998年

月刊誌『水』に連載した「水の風景」を本にされたものです。




日本を代表する天然記念物であるトキがいなくなったのは、
強力な農薬がトキの餌になる生き物を絶滅させたからだそうです。

上の表紙をみてください。1960年兵庫県豊岡市で撮影されたものです。
コウノトリがたくさんいますよね。
今では見られなくなったそうです。
「コウノトリの郷公園」があるそうです。


ダムの工事現場に環境アドバイザーがおられて、有用な仕事をされているそうです。
これには工事に関わる人たちの連携がかかせないでしょうね。

人間の餌づけで生態系がおかしくなってきていることが書かれてあります。
なるほどと思いました。人間の食べ物を野生動物に与えたら、遺伝子を傷つけもする。
そのような食物を人類はとっているともいえますね。

「キャッチ&リリース」はやさしさではなく、
魚類にとっては迷惑なことであり、傷つけられ、
その後に感染症にかかったりしているらしい。

この本でも、環境先進国ドイツのことで多くのページがさいて
ありました。『バイエルン州自然保護法』というものがあり、環境保全につとめているらしい。




もくじ[環境問題]
リンク集(環境問題)

「テリステリーは牢屋の子 テリステリーのかあさん天国へ」

2005年12月26日 | 短編など
「テリステリーは牢屋の子 テリステリーのかあさん天国へ」

テリステリーの母は罪人だ。
父までがそう教えた。

だからテリステリーも母を恨んでいた。
テリステリーは母にこんなことまで話したことがある。
「罪人を許す宗教なんて信じられるものか」

テリステリーはでも母の死んだ今、
そんなことは嘘だとわかった。

人間の言葉の罪もわかった。
テリステリーは母の葬式のとき、
なぜ母が罪人になったか母の友人からきいた。

「おまえの父さん、わるい奴。
言葉を巧みにつかう、わるい奴。
嘘を平気でつける、わるい奴」

それで母は父の腹を刺して、父には大きな傷跡がある。

「おまえの母さん、運悪い人。笑えぬ、酔えぬかわいそうな人」
テリステリーは知っている。
泣けない悲しさつらさを知った。

「母は酒を一口も、どんな時にも飲まないで、僕に言ったの
覚えている『お酒は魔物だよ。知らない間に、
酒は己を飲み干して、知らない間に心を奪われる』」

罪をわかる奴はいい。
罪をつぐなうからいいんだよ。
罪を背負った母よ、きっと天国へ行ってくれ。
この世のつらさ、悲しさを背負った母よ。





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もくじ[メルへん]




【本人談】悪い人だから犯罪をおかすとは限らないと知ったとき、
何か新しい発見をしたようで、あわてて書いた作品です。
これを書いたとき若かったなあー。
反対に、悪いことを繰り返している悪辣な奴が平気で暮らしている
ことも、この社会での事実ですね。




D099.恐竜は食べ物がなくなり死滅した

2005年12月26日 | 【小説】 レインボー...
VIII.黄色の部屋(虹の世界)

D099.恐竜は食べ物がなくなり死滅した





「さぁー。でも、おそらくは帰れるさ」
 カールは、にんまりしていた。

 ユリカも、自信がわいてきた。
「そうよ。きっと、そうよ」
 握り拳をつくっていた。

「ところで、どうして、ママがきらいでなくなったの」
 ユリカは、少しだけ、恥ずかしい気持ちがした。

「あのねー、あのお花が育つのを見たとき、……」
「見たとき、どうしたの」
 カールはとても楽しい気分に包まれていた。

 ユリカは、とても、恥ずかしくなっていた。
「わたし、なんだか、わたしのママがこんなふうに思っているような気がしたの」
 ユリカは、もじもじしていた。

「ふ~ん、それで」
 ユリカは顔が赤くなるのがわかった。

 でも、ここは黄色の世界だから、黄色ねと思った。
「なんだか、きゅうにね……」

 ユリカは、しどろもどろになっていた。

 カールは、じれったくなって、
「きゅうに、どうしたの?」
 とせっついた。

 ユリカはもじもじしながら、
「わたし、土の中にもぐっている気がしちゃったの」
 と言ってのけた。

 カールは、
「土の中に、ア・ハー、もぐった気持ち、ア・ハー」
 と変な笑いをした。

 それから、カールは、
「土の中にもぐった感じ、ア・ハー」
 と何度も言っては笑っていた。

「でも、ここはお空の世界よね」
 ユリカがそういうと、ますますカールは大笑いした。

「土の中にもぐった感じ、ア・ハー。でも、ここはお空の世界よねっか。ア・ハー」
 ユリカは何度も同じことを言うカールにあきれて、立ち上がった。

「ねぇ、どうして恐竜はほろんだと思う」
 カールはユリカにクイズを出した。

「氷河期が来たから、寒さで滅んだのでしょう」
 ユリカは即座に答えた。

「そういう説もあるなー。ほかにも、大きな隕石が落ちてきて、滅んだという説もある。でも、ぼくは、植物の変化、恐竜たちの食べ物の変化だと思う」

「食べ物が変化したからって、どういうことなの?」

「恐竜の絶滅するちょっと前に、地球上に花の咲く植物が生まれたんだ。恐竜たちは、この花の咲く植物を餌にすることができなかった」

「花の咲かない植物なんてあったかしら」
 ユリカは考え込んだ。

「いっぱいあるよ。シダ植物やきのこ類なんてそうだよ」
 カールは優しく言ってから、力強く続ける。

「花の咲く植物と仲良くできた、昆虫やその実を食べる動物が生き残ることができたという説があるんだ。これは、弱肉強食じゃないだろう」

 ユリカもふと脳裏に弱肉強食だけの世界じゃないと考えが広がっていった。
「地球の動物は全部、植物から栄養を、直接的間接的にもらって生きてるのよね」
 共生という言葉をおじいさんに教わったのを思い出してうれしくなった。そういえば、タコクラゲも藻といっしょに生きているのねと青色の世界での話も思い出した。

「私たち人類も、決して孤独な存在ではなかったのね」
「そのとおりなんだよね。それがわかっておらんから、人類の思い上がりが許せんのじゃ」
 カールはユリカに理解してもらえてとても嬉しそうだ。

「それだけでなく、哺乳類が恐竜の卵を食べたという説もある……」
「カールみたいね」
「言われると思ったよ。トホホ……」





閑話休題

相手の立場を考えることは大切なことですね。

でも、自分たちだけでは問題を解決できない

場合もあります。

そういうときには専門家に相談してくださいね。








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