磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

争いのなき国と国なれ 日韓を詠んだ歌人・孫戸妍(ソン・ホヨン)の生涯

2005年12月24日 | 読書日記など
『争いのなき国と国なれ
  日韓を詠んだ歌人・孫戸妍(ソン・ホヨン)の生涯』
        北出明・著/英治出版2005年

隣国との友好がないというのは悲しいことですし、
寂しいことだというのが、人間性というものではないでしょうか?



この本ははじめに2005年6月20日のニュースからはじまる。
そのニュースを伝える記事があります。

孫戸妍は1923年10月15日、日本に生まれた。父は早稲田大学に留学中で、
江戸川べりに住まいがあり、戸妍(ホヨン)と名付けた。

日韓両国の悲しい時代がはじまっている。
そして、孫戸妍は日本留学をすることになった。
そこでも寂しい思いをされたことでしょう。

だけど、孫戸妍には歌があった。
佐佐木信綱というよき師を得ていた。

後年、孫戸妍はこのときの佐佐木信綱との出会いを詠んでいる。

「汝が国のひとならではの歌を詠め」と迷わぬ道を諭されし大人

ともしびのもとは暗きか師の君の名高きことも今ほど知らず

佐佐木信綱の言葉が彼女を支えていたようですね。

彼女の詩集『戸妍詩集』には、
佐佐木信綱も序文を寄せてくれたという。

六ヶ所村の歌碑があります。

2005年6月20日、
切実な望みがあり争いのなき国と国なれ

という歌を小泉総理は読み上げたという。
この意味を本当にわかっていただきたいものです。




もくじ[平和のための読書]

忍者になったサンタクロース

2005年12月24日 | 短編など
忍者になったサンタクロース 

サンタクロースのおじさんを知っているかい。
知っているよね。

幼稚園に行っている子なら聞いたことがあるよね。
そうだよ。クリスマスの夜に、よい子のところに、
真っ赤なお鼻のトナカイさんが引いたソリに乗って
やって来るんだ。

そして煙突の中から入ってきてね。
プレゼントをそおーと
靴下のなかに入れて行くんだよね。


そのサンタクロースのおじいさん。
なやんじゃったのよ。
どうして、サンタクロースのおじさんが、
考えこんだか、わからないかなあー。

ほら、みんなのお家を考えてね。
煙突のある家なんてないでしょう?

煙突がないから大変だあーということで、
それでサンタクロースはどうしたかわかる?

そう忍者になったの。

忍者の見習いさんになってね。
ヒューと壁にはりついたり、
壁に化けたり、水の上を歩いたりしたの。

そしてね。やっと、サンタのおじいさんはね。
煙突のない家にも
贈り物をあげらるようになったのよ。

トントン、ドアを叩いて入って来たらいいのにって?
サンタクロースのおじさんは、
昔の人だから、善意というものは
人に気づかれずにするものだと思っているのよ。

でもサンタクロースのおじさんは、
ご老人だから、忍者になったのは、
ものすごくしんどいのよねえ~。

それで、みんなの家、
全員に配ることはできなくなったんだ。
ごめんなさいね。

それでもし、プレゼントがあったら、
サンタさん、ものすごく
苦労して届けてくれたことを
忘れないでくださいね。

そして、お空にむかって、
「ありがとう」って言って
あげてほしいなあー。












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もくじ[クリスマス・ストーリー]



WANTED!

この話とは関係があまりありませんが、
泥棒サンタも外国では悪辣なことをしているそうです。
日本でも模造犯がでるかもしれません。
ご用心、ご用心!



D097.植物の恩恵

2005年12月24日 | 【小説】 レインボー...
VII.みどりの部屋(虹の世界)

D097.植物の恩恵





「話を、続けるぞ」
 木は言い、また、話しはじめた。

「リベリスはお城に行き、体の弱いお母さんのために、花の精からお母さんの好きなものを一杯もらって帰ったのじゃ」

「どんなものを、もらったの」
 ハチくんは、とっても楽しそうな顔をしていた。

「そりゃ、もういろいろじゃ」
 急に質問されて大きな木は困惑していた。
 ハチくんは楽しくって、空中を飛びはじめた。

 そして、木の顔の前で、
「いろいろって」
 と、たずねた。

 木は、目をパチパチさせて言う。
「そりゃ、いろいろじゃ」
「それじゃ、答えになっていないよ」
 ハチくんがあまり、顔の近くを飛ぶから、木は、枝で、ハチくんをはらった。

「びっくりした」
 ハチくんは驚いていた。
「わしは、もう老眼で、近くのものが見えにくいのじゃ。ごめん」
 大きな木は謝った。

 気をとりなおしたハチくんは、
「ねぇ、ハチ蜜はあったの」
 それはとても大切なことにハチくんには思えた。

「そのプレゼントのなかにか」
「そうだよー」
 とハチくん。

「あったとも。ハチ蜜は体にいいから、リベリスの病気のおかあさんに役立ったことだろうよ。そして、リベリスとおかあさんは心のとけあう楽しい生活をしたそうだ」
 木は幸福そうな顔をしている。

 それから木は、種をじっくり見つめている。
「温かい気持ちを開く鍵だから、ドイツでは、サクラソウのことを『鍵の花』と呼んでいるんじゃ」
 そう言ってから、その種を木を危なくないようにと、木の体の穴うろの中に入れてあげた。

「うんうん、ハチくん、ご苦労じゃった。虫は働きものじゃのう……」
 大きな木は、満足そうな顔をしていた。ところで、ハチくんなんて言われているけど、ミツバチで働くのはメスだけである。小さなハチの女の子の間では、男の子の口ぶりを真似るのが流行しているのである。

 木の実や種を見たことがあるでしょう。それは、植えると育つ、生命の実、生命の種でもあるわけだね。実は育ち、花を咲かせ、実を成らせる。そして、その実がまた育ち、花を咲かせ、実を成らせる。永遠に続いて欲しい、美しい物語である。自然とは素晴らしいものである。

 その実のおこぼれを、われわれ動物はもらって食べる。桃やリンゴ、柿などの新鮮な実は水々しく、美味い。また、実を干せば干しガキができたりする。われわれは、そんな物を食べて生きているのだ。

 植物のように子供が育ち大人になり、そして結婚して子供が生まれ、その子供が育ち、大人になり、そして次の世代の子供が生まれ、その子供が育ち結婚して……そうやって人類はこうやって繁栄してきたのだけれど。人類は人類だけで繁栄してきたように勘違いしている人もいる。

 そして、人類が豊かで進歩的と言われている先進国の人たちの生活は、今のままでは続かないのである。今、昔の人の生活のように、自然の智恵を借りた持続可能な文化をわれわれは作らなければならないと考える人たちが増えてきている。

 科学は発達したとはいえ、未だに人類は植物なしでは、その生命を維持することはできない。小さなハチと人間は似ているのだけれど、進歩的という人間たちは、そんなことを忘れている。そんな生きる実を育てているのは、農業をしている人たちだが、そんな大切な仕事をしている人たちが古臭いとか、恰好が悪いなどという人がいるのは、勘違いにもほどがあるのだ。

 しかし、悪徳で傲慢な猿の一種の人類だなんて……、植物たちもひどいものである。いや、そんな行為を、われわれ人類はしてきたのかもれしない。それは原住民といわれる人たちではなく、われわれ文化的であると自負している先進国に住む人間がしてきたのである。マングローブの森が切り倒されたのは、日本へのパルプ資材を送るためだという。また、エビを養殖するためという。また、多くの熱帯の木々も刈られ、そこに住む動物たちも殺された。植物たちにああ言われても仕方がないのかもしれない。悲しいことに……。こんな生活から抜け出す知恵が必要なのである。





閑話休題

問題を問題視しては解決しない。

そんなことを大学時代に何度もききました。

環境にいいことをするということは、

これは精神的にもいいことのようです。

たいして役にも立たないといわれそうですが、

何かやってみましょうよ~~。





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