2007年 米
監督:ポール・ハギス
出演:トミー・リー・ジョーンズ、シャーリーズ・セロン、スーザン・サランドン、ジェームズ・フランコ、ジョナサン・タッカー
ハンクのもとに、息子のマイクが無許可離隊したとの知らせが入る。しかし、どうしてもそれが信じられないハンクは、退役軍人である自身のコネや経験を使って、息子を探し出そうと動き出す。地元警察の刑事エミリーが、そんな彼に協力。そして、彼らが探し出した真実とは・・・
イラク帰還兵が仲間の兵士に殺害されたという実際の事件をベースにしているそうですが・・・描こうとしたのは、明らかに、この殺人事件のことじゃないですよ。その背景にあるものですよね。
けど・・・なんていうんだろう・・・ベトナム戦争を扱った映画も、イラク戦争を扱った映画も、突き詰めれば、戦争によって奪われていく人間性っていうか・・・戦争が人を別の生き物に変えてしまう様っていうか・・・戦場が、われわれが美しいと思い、大切にしたいと思っているものを麻痺させてしまわないと居られない場所なんだということを描いているように思えるんですが・・・その肝心なところより、イラク戦争における、兵士たちのライトさに、ゾッとしました。動画をとっている様子とかね・・・すでに、彼らの中で何かが壊れているからなんだけど・・・その軽い感じに、ドロドロしたベトナム戦争の描写より、背筋が寒くなりましたね。
とはいえ、映画全体のイメージとしては、課題の消化不良を感じるかな。個人を全く責めずに、すべて戦争のせいってことになっているような気がするのは、やっぱり逃げているような気がしますよね。
ぬくぬくと平和ボケした日本の自宅の居間で、スナック菓子食べながら映画を見ている奴になんかに、何を言う資格があるかと・・・極限状態に放りこまれた若者を、お前なんかに裁けるのかと・・・そう言われれば、返す言葉もないんですが・・・それでも、個人を完全に免罪してしまうのは、個人を救うことにはならないと思うのですよ。
戦争が悪い、戦争が人を狂わせる・・・そのことに異論はないです。けど、だから何もかも仕方ないってことにしてしまっても、免罪された個人は救済されないですよ・・・違うでしょうか。けど、この映画には、どこか、その仕方ない感が漂っているような気がして・・・そこが、ちょっと物足りなかったです。
でも・・・トミー・リー・ジョーンズとスーザン・サランドンは好かったですね。シャーリーズ・セロンも、ワタシワタシのお芝居になっていなくて、好感が持てました。役者さんよかったのに・・・ふむ・・・ちょっと残念でしたね。監督さんが、優しすぎたのかな。それとも、戦場に送られて傷ついて帰ってきた若者たちに共感しすぎたのかもしれない・・・それもまた、必要な視線ですけどね。
『OBERON日記』
http://blog.goo.ne.jp/oberon-p/
『生声日記』
http://v-diary.at.webry.info/
『旅日記』
http://star.ap.teacup.com/oberon/
監督:ポール・ハギス
出演:トミー・リー・ジョーンズ、シャーリーズ・セロン、スーザン・サランドン、ジェームズ・フランコ、ジョナサン・タッカー
ハンクのもとに、息子のマイクが無許可離隊したとの知らせが入る。しかし、どうしてもそれが信じられないハンクは、退役軍人である自身のコネや経験を使って、息子を探し出そうと動き出す。地元警察の刑事エミリーが、そんな彼に協力。そして、彼らが探し出した真実とは・・・
イラク帰還兵が仲間の兵士に殺害されたという実際の事件をベースにしているそうですが・・・描こうとしたのは、明らかに、この殺人事件のことじゃないですよ。その背景にあるものですよね。
けど・・・なんていうんだろう・・・ベトナム戦争を扱った映画も、イラク戦争を扱った映画も、突き詰めれば、戦争によって奪われていく人間性っていうか・・・戦争が人を別の生き物に変えてしまう様っていうか・・・戦場が、われわれが美しいと思い、大切にしたいと思っているものを麻痺させてしまわないと居られない場所なんだということを描いているように思えるんですが・・・その肝心なところより、イラク戦争における、兵士たちのライトさに、ゾッとしました。動画をとっている様子とかね・・・すでに、彼らの中で何かが壊れているからなんだけど・・・その軽い感じに、ドロドロしたベトナム戦争の描写より、背筋が寒くなりましたね。
とはいえ、映画全体のイメージとしては、課題の消化不良を感じるかな。個人を全く責めずに、すべて戦争のせいってことになっているような気がするのは、やっぱり逃げているような気がしますよね。
ぬくぬくと平和ボケした日本の自宅の居間で、スナック菓子食べながら映画を見ている奴になんかに、何を言う資格があるかと・・・極限状態に放りこまれた若者を、お前なんかに裁けるのかと・・・そう言われれば、返す言葉もないんですが・・・それでも、個人を完全に免罪してしまうのは、個人を救うことにはならないと思うのですよ。
戦争が悪い、戦争が人を狂わせる・・・そのことに異論はないです。けど、だから何もかも仕方ないってことにしてしまっても、免罪された個人は救済されないですよ・・・違うでしょうか。けど、この映画には、どこか、その仕方ない感が漂っているような気がして・・・そこが、ちょっと物足りなかったです。
でも・・・トミー・リー・ジョーンズとスーザン・サランドンは好かったですね。シャーリーズ・セロンも、ワタシワタシのお芝居になっていなくて、好感が持てました。役者さんよかったのに・・・ふむ・・・ちょっと残念でしたね。監督さんが、優しすぎたのかな。それとも、戦場に送られて傷ついて帰ってきた若者たちに共感しすぎたのかもしれない・・・それもまた、必要な視線ですけどね。
『OBERON日記』
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『生声日記』
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『旅日記』
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