映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『王妃マルゴ』

2010-04-02 14:33:46 | Weblog
1994年 仏
監督:パトリス・シェロー
出演:イザベル・アジャーニ、ジャン=ユーグ・アングラード、ヴァンサン・ペレーズ、パスカル・グレゴリー、パトリス・シェロー

アレクサンドル・デュマ・ペールの小説が原作で、歴史的大事件サン・バルテルミの虐殺を、当事者の一人であるマルグリット・ド・ヴァロワ(マルゴ)を中心にして描いているわけです。

歴史的背景は、とっても重要なんですが・・・詳しくは「サン・バルテルミの虐殺」とか「ユグノー戦争」で検索してください(^^;。でも、まっ、簡単に言うと・・・プロテスタントが勢力を伸ばしてきて、カトリックが危機感を抱くようになり、当然のことながら両者は揉めに揉めてたわけです。で、その争いを収めようと、マルゴのママであるカトリーヌ・ド・メディシスが、プロテスタント側のナバラ王アンリとマルゴを結婚させることを決めたわけです。でも、その結婚のお祝い最中に、祝いのためにパリに詰め掛けていた大勢のプロテスタントたちの大量殺戮事件が起こったわけです。それが「サン・バルテルミの虐殺」ですね。

一説では、虐殺を指示したのはカトリーヌ・ド・メディシスだって言われていますが、主流の意見は、事後承諾だったのではないかってことになってるようですね。どっちにしろ、ママのカトリーヌ・ド・メディシスにとっても、兄のフランス国王シャルル9世にとっても、他の人たちにとっても、マルゴの結婚そのものはとうでもよくって、もっぱらな関心事はカトリックとプロテスタントの勢力争いと、フランス宮廷内での権力闘争だったわけで・・・王家の女の定めとはいえ、マルゴはかなり可愛そうなのであります。

けど、そんな過酷な状況の中、マルゴという人は、なかなか立派に生き抜いた人という印象が、わたしにはあるんですよね。兄たちと近親相姦の関係にあったとか、かなり男性関係は奔放だったと言われており、物語的にはそういう部分をクローズアップしたいでしょうが・・・弟のために政治的な根回しをしたり、男女としては巧くいかなかった夫のアンリとも友人としては良好な関係を保っていて、アンリの後妻さんの産んだ息子を可愛がったりもするような・・・なんていうんだろう、けっこう男前な感じの女性のイメージがあるんですよね。たしか、語学も堪能で、とても頭の良い人だったという話も聞くし・・・「サン・バルテルミの虐殺」以降の行動からすると、自分というものもっている一本筋の通った女性だった気がするんですよね。

だから、イザベル・アジャーニのマルゴは、ちょっとイメージが違うんですよね。歴史と切り離して、完全にフィクションとしてみれば、艶やかなアジャーニのマルゴは最高なんですが・・・ちょっと実在のマルゴに勝手な思い入れがあったもので・・・なんか違うんだよなぁって思っちゃうんですよね。それで、何度見ても、途中で寝ちゃうんですよね(爆)。

『OBERON日記』
http://blog.goo.ne.jp/oberon-p/
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